目次
醤油の代用になる調味料
一般的に醤油として使用されているのは、濃口醤油です。では、醤油の代用となる調味料とその特徴をみてみましょう。
白だし
白だしは薄口醤油や白醤油にだしを加えて作られた調味料で、醤油の味とほとんど変わりはありません。そのため、醤油の代用として使用可能です。煮物の味付けや隠し味として使うには、ほぼ問題ないでしょう。ただ、色が薄いので色付けをしたい料理には向いていません。
めんつゆ
めんつゆは、使用している材料が醤油とほぼ一緒なので代用に向いている調味料です。ただ、出汁醤油よりも甘みが強く、同じ分量で入れると甘くなりすぎてしまうこともあります。また、めんつゆには、ストレートタイプと濃縮タイプがあるので、使い方には注意が必要です。
薄口醤油を濃口で代用する方法
薄口醤油は、主に関西で使用されている醤油です。一般的な濃口醤油よりも色が薄く、お吸い物など色をつけたくない料理に使用されます。薄口とはいっても、濃口醤油よりも塩分が濃いため、濃口しょうゆで代用することが可能です。では、作り方をみてみましょう。
薄口醤油「大さじ」1杯分の作り方
濃口醤油大さじ1/2杯+食塩1.5グラム(小さじ1/4)で大さじ1杯分の薄口醤油となります。濃口醤油の分量を多くすると色が濃くつきすぎてしまうので、半量にして塩で塩分を調整するのがベストな方法です。
色が濃くなるのが気にならないなら、濃口醤油をそのまま代用として使うことも可能ですが、薄口醤油よりも醤油の風味が強いため素材の風味が薄れてしまいます。
薄口醤油「小さじ」1杯分の作り方
濃口小さじ1/2杯+食塩0.5グラム(少々)で、小さじ1杯分の薄口醤油となります。食塩は少量過ぎて計量スプーンで量るのは難しいですが、親指と人差し指でつまんだ量がおよそ0.5グラムだと覚えておくとよいでしょう。
醤油を白だしで代用するときの注意点
醤油の代用として白だしを使う時の注意点は、商品によって味わいや塩分濃度も違うため、味を調整しながら使用することです。レシピ通りの薄口醤油の分量を一度に入れると、本来作りたかった味から離れてしまうこともあります。
だしがかつおベースなのか、昆布ベースなのか、野菜ベースなのかによって風味も異なってきます。そのため、味見をしながら少しずつ加えたほうが、失敗は少なくなります。
出汁醤油を代用する材料と作り方
出汁醤油は、煮物を作るときもわざわざ出汁を入れる必要がない便利な醤油ですよね。冷ややっこや卵かけご飯など、シンプルな料理にかけるのも美味しいです。切らすと不便に感じますが、家に常備しているもので簡単に作ることができます。
出汁醤油の作り方
出汁醤油の材料は、醤油、みりん、削り節です。まず、醤油1カップとみりん1カップを鍋で煮立て、削り節を20グラム加えて2分ほど煮てアクを取り除き火をとめます。削り節が鍋の底に沈んだら、目の細かいザルで漉して完成です。わざわざ鍋で煮るのが面倒なら、醤油に顆粒タイプのだしを入れて混ぜるだけでもOKです。
少量ならめんつゆでも代用できる
また、出汁醤油を大量に使用する料理でないなら、濃縮タイプのめんつゆでも代用できます。使用されている材料も、醤油、みりん、だし、お酒とほとんど同じです。しかし、めんつゆのほうが甘みが強いため、出汁醤油と同じ要領で使用すると甘みが強く出てしまいます。
そのほか、濃口醤油と同様に出汁醤油も白だしで代用が可能です。出汁醤油と白だしは材料も似ており、味もほとんど変わりません。ただ、白だしは色が薄いので、出汁醤油のような色味が出せない点が異なります。
代表的な5種類の醤油と成分や用途
醤油は料理に合わせて色々な種類が使い分けられており、醤油の種類や特徴を知ることによって、料理をより美味しく食べることができます。では、代表的な5種類の醤油と成分や用途についてみてみましょう。
濃口醤油
濃口醤油は塩分濃度16%、色が濃く香りや味わいが深いのが特徴です。日本の醤油生産の約8割を占めており、全国的に使われている一般的な醤油です。
つけたりかけたりする卓上醤油として、また、煮物や焼き物、たれとしてオールマイティな用途で使用できます。近年は大豆の種類にもこだわるなど、付加価値の付いた濃口醤油が人気を集めています。
薄口醤油
薄口醤油は塩分濃度18%、色が薄く香りや味わいが控えめなのが特徴です。色の薄さとは裏腹に、濃口醤油よりも塩分濃度が高くなっています。醤油は発酵・熟成が進むほど色が濃くなる特性があるため、高濃度の食塩で発酵や熟成をおさえて醸造期間を短くし、色味を薄く仕上げています。
煮物やお吸い物など素材の風味を活かす料理に使用され、関西を中心に広く使用されている醤油です。風味が控えめなのでつけ・かけ用には向いていません。
たまり醤油(別名刺身たまり)
たまり醤油は塩分濃度16%、色がとても濃く独特な香りと濃厚なうま味があるのが特徴です。薄口や濃口醤油が大豆と小麦を原料にしているのに対し、ほとんど大豆だけで作られています。
もろみが固く機械では撹拌できないので、竹籠を入れて底の液汁を汲みもろみにかけるという昔ながらの製造法が続けられています。
中部地方で作られており、刺身・魚の照り焼きなどに使われるのが一般的です。また、加熱すると赤みを帯びるため、煎餅やあられのつけ焼きにも使われています。
さいしこみ醤油(別名甘露醤油)
さいしこみ醤油は塩分濃度15%、色・味・香りともに濃厚です。醤油を2度醸造するような独特の製法から、さいしこみ醤油と呼ばれています。
また、加熱処理をせず食塩水の代わりに生揚げ醤油を入れて仕込むことから、甘露醤油とも呼ばれます。山口県を中心に山陰から九州地方にかけて作られており、どろりとした濃厚なテクスチャーが特徴の醤油です。
価格も高いため調理に使用するのではなく、主に卓上醤油として刺身・寿司などに使用されています。
しろ醤油
しろ醤油は塩分濃度18%、薄口よりもさらに淡い琥珀色で、淡泊なのに甘みが強く独特の香りがあるのが特徴です。
蒸した小麦を主原料とし、少量の炒った大豆を加え、薄口醤油よりもさらに短い醸造期間で作られます。江戸時代末期に開発された比較的新しい醤油で、お吸い物や茶わん蒸し、漬物などに使われています。
最後に
醤油の代用品となるものをいろいろとご紹介しましたが、調理中に醤油が切れていることに気づいても家にあるもので代用できそうですね。ただ、醤油と同じように使うと甘味や塩味が強くなることもあるので、調節しながら入れるのが失敗しないコツとなります。いざという時のために覚えておき、調理に活かしてみてはいかがでしょう。