肉を洗う方法!50℃洗いで美味しくするコツ

肉を洗う

野菜を50℃洗いすれば、美味しく食べられると聞いたことがありませんか?50℃洗いは野菜だけでなく肉にも効果がある下ごしらえの方法です。調理前の肉を洗って使えば、食感や風味が良くなるほか、健康にも良い影響を与えるとされています。ここでは、肉料理に役立つ50℃洗いの方法や洗うのに適した肉の種類などを分かりやすく紹介します。

肉は50℃洗いで美味しくなる

ヤカンからお湯を注ぐ
ブロック肉などは洗った方が良いとされますが、冷たい水道水ではなく50℃のお湯で洗うと美味しく仕上がります。加えてヘルシーな肉料理になるので、50℃洗いはダイエットにも向いている下ごしらえです。

臭みを取る

肉はカットされ表面が空気にさらされると酸化していきます。酸化すると調理した時にアクとなるので、風味がなくなってしまうのです。しかし、下処理で50℃洗いをすると酸化した脂や肉の表面に付着した汚れが落とされるためアクが少なくなります。

肉の風味が良くなり、煮込み料理などでアクを取り除く手間が少なくなるのが大きなメリットです。50℃の湯を使うため火の通りも早くなり、特にパサつきやすい鶏肉などはジューシーに仕上がる傾向があります。

余分な脂肪を洗い流せる

余分な脂肪分も50℃洗いによって落とされるので肉を美味しくヘルシーに調理できるのも大きな特徴です。酸化した脂に含まれる活性酸素も取り除かれるので健康に良い影響を与えるほか、美しくダイエットをしたい人にも肉の50℃洗いは向いているでしょう。

また、冷凍肉は解凍しながら50℃洗いでき、冷凍肉にありがちな臭みを軽減する効果があります。

肉の50℃洗いの方法

ザルにのせた肉
「肉の50℃洗い」に特別な調理機器や難しいテクニックなどは必要ありません。キッチンにあるもので簡単にできるので、誰にでも挑戦できます。

必要なもの

肉の50℃洗いに必要なものは以下です。

  • やかん
  • 厚手のボウル
  • ザル
  • 温度計

やかんと湯の温度が低くなりにくい大きめで厚手の耐熱ボウルのほか、洗った肉を置くザルや料理用の温度計が50℃洗いに必要なアイテムです。温度計は湯温の設定が可能な給湯機を使用している場合には必要ありません。肉を洗う際に湯温が熱く感じる人はゴム手袋を着けると良いでしょう。

手順

肉の50℃洗いの準備ができたら実際に洗っていきましょう。

  1. 50℃のお湯で洗う
  2. ザルで粗熱を取る
  3. 冷めたら冷蔵庫に入れる

50℃洗いの方法は、まずボウルにためた50℃のお湯へ肉を入れて洗ってください。そして、洗った肉はザルにあげて粗熱を取りましょう。粗熱がとれた肉は冷蔵庫にしまい、当日中に使用します。

ポイント

肉を洗うとお湯が濁る場合がありますが脂肪分が落とされている証拠ですので気にする必要はありません。ブロック肉や鶏肉は2分から3分程度お湯につけて洗うと良いでしょう。

冷凍肉の50℃洗いは湯温が低くなりがちなので、温度計を使用して湯温をチェックしてください。湯温が50℃より低温になったら、差し湯をして洗います。

洗うと良い肉の種類

肉の種類
薄切りされた肉は基本的に洗う下処理はしない方が良いとされていますが、日本で売られている肉でも洗う必要があったり洗った方が美味しく調理できたりする種類があります。洗うと良い肉の種類をそれぞれご紹介しましょう。

かたまり肉

ローストビーフや豚の角煮などを作るなら、かたまり肉が必要になります。かたまり肉を洗った方がいい理由は、以下の2点。

  • 余分な脂を落とせる
  • 臭みが出にくい

特に輸入された肉は調理後に臭みが気になる方もいるでしょう。そんな悩みがある方はかたまり肉の表面をさっと洗うことで臭みを軽減できます。洗いすぎは旨味を流すことになるので注意してくださいね。

内臓系の肉

焼肉店のメニュー表などでよく見かける「ヒモ」や「シマチョウ」といった牛肉の内臓のほか、豚の「マメ」や「レバー」、鳥の「砂肝」や「ハツ」などは洗ってから使うのがオススメ。レバーをはじめ、内臓系の肉はなるべく鮮度の良いものを選びましょう。

内臓系の肉を洗うと、臭みが取れますが、こちらも洗いすぎると美味しさを損なうこともあるので、ほどほどに洗ってください。

肉の臭みを取る簡単な方法

肉に香辛料をかける
50℃洗い以外でも肉の臭みを取る方法があります。簡単な方法を紹介するので参考にしてください。

水かお湯がベター

かたまり肉は水でも臭い消しができます。30分程度水に浸してペーパーで水分を拭き取るだけです。お酒に肉を浸けてから調理するのも簡単な方法でしょう。高価なお酒ではなく安価なお酒に30分程度漬け込んでください。

日本酒やワインが効果的で、調理で火を良く通すことでアルコール臭さはなくなります。また、豚肉の臭い消しには下茹でが効果的ですが、煮込まないように注意しながら軽めに茹でてください。手間をかけたくない場合は湯通しでも効果があります。

香辛料も効果的

肉の臭いが気になる場合には臭い消しではなく、他のフレーバーをプラスする方法も効果的です。生姜やニンニク、香草などを使用すると嫌な臭いがマスキングされます。

特に生姜の香辛性物質はタンパク質に結びついて臭い消しの効果があるほか、生姜独自の強い香りが肉の臭いを感じなくさせるのです。下処理や味付けに使用しても、でき上がった肉料理にそのままつけても美味しく食べられます。

海外では肉を洗うことが常識

塊肉をしっかり洗う
日本で売られている肉は綺麗なパッケージに包まれていますが、海外では全く異なる売り方をしているケースも少なくありません。衛生面などの観点から、海外では肉を洗うのが常識とされている場合も多いです。

海外でお肉を洗う理由

気温と湿度が高い国で生肉をそのまま吊るして売っていたり、ハエなどの虫が飛ぶ屋外や市場でパッケージされていない肉が売られたりしている国は、食肉の衛生を買い手にゆだねる傾向があると言えるでしょう。

加えて、肉を加工した業者や人物を特定できないケースも少なくありません。このため海外では、肉に付着した汚れや菌を落とすと言う考えから、調理前に肉を洗うのが定着している場合が多いのです。

添加物を洗い流す観点も

また、海外では肉の新鮮さを表現するために着色している場合もあります。色を落とすために肉を洗うのが定着した国や、古い肉や種類を偽装した肉を調理前に見抜くために洗うケースも少なくありません。

このような理由から、後進国だけではなく、日本以外の先進国でも肉を洗うのは一般的となっています。

肉を洗わない方がいい!という意見も

肉の50℃洗いは料理が美味しく仕上がると言っても、一方で肉は洗う食材ではないと考える人も少なくありません。どんな理由があるのか見ていきましょう

形崩れを起こしやすくなる

肉の断面は繊維により凹凸ができています。そのため肉を洗うと凹凸に水が残り、水っぽく感じることも少なくありません。さらに、水が付着することで形崩れを起こしやすくなるので、調理をしづらくさせる原因にもなります。

洗うと旨味が逃げる

また、基本的に肉は洗わない方が良いとされるには、カットされている肉はその断面から旨味成分が流出しやすいと言う理由もあります。水分で洗い流すと更に旨味成分が流れ出してしまうのです。

肉を洗うと水っぽくなるのも理由のひとつに挙げられます。肉の表面は凹凸が多いため、洗うことで表面に水分が残りやすくなるのです。形崩れも水分によって起きやすくなる傾向があります。

跳ねた水が不衛生

肉そのものには関係ありませんが、肉を綺麗にしようと、洗おうと考える人もいるでしょう。しかし、肉を洗っても表面しか綺麗にならず、内部の菌は取りきれません。さらに、肉を洗った際に撥ねた水が台所付近に付着すると、そこから菌が繁殖する恐れがあります。

最後に

肉を洗う

日本では肉を洗うのはあまり一般的ではありませんが、海外では普通に行われています。衛生面で不安が少ない日本では、肉を洗うのは美味しく食べるための下処理と言う考えが大きいです。

特に50℃洗いは正しく行えば簡単に美味しい肉料理が作れる下処理の方法と言えます。しかし、洗うのに不向きな肉などもあるので、肉の種類によって適した下処理をするようにしましょう。

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