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パプリカの旬の時期
パプリカの旬は、露地物の場合6月から9月頃がもっともパプリカが美味しくなる旬の時期です。パプリカの約8割は、韓国やオランダ、ニュージーランドなど外国から輸入されている物で、取扱い量に大きな変化はありません。
そのうちの国産パプリカはハウス栽培が多く、一年中安定して流通していますので、パプリカは旬をあまり感じない野菜といえるでしょう。とはいうものの、露地物の収穫時期はピーマンと同じく、6月から9月頃の夏の時期が最も安く沢山出回るので、パプリカが一番美味しい旬の時期となります。
パプリカの産地別の旬の時期
輸入パプリカの旬
本来、パプリカとは赤く平たい形状をしてるピーマンの一種で、ハンガリーから輸入していました。現在、国内の市場に出回っているパプリカといわれているものは、ヨーロッパでつくられた「ベル型ピーマン」なのですが、今ではどちらも「パプリカ」で通用しています。
また、ベル型ピーマンには赤、黄、オレンジ、緑などいろいろな色があります。その他ピーマンとパプリカの中間的な物で、紫や黒、白色などもあります。
パプリカは韓国やオランダなどから輸入されている物がほとんどで、一年を通して市場に供給されています。
取り扱い量(国別)
一年間の総取り扱い量は約3,467tです。その内訳は、韓国産が約1,859tで全体の約54%を占めています。続いてオランダ産は約364tで11%、ニュージーランド産は約298tで9%、それ以外が国産品となっています。
順位 | 国名 | 旬 | 取り扱い量 |
1位 | 韓国 | 6~7月、12月 | 242~294t |
2位 | オランダ | 8~10月 | 68~135t |
3位 | ニュージーランド | 9~11月 | 46~67t |
国産のパプリカ
国産のパプリカはハウス栽培が殆どで、流通している期間は長いですが、露地物の収穫時期はピーマンと同じく、6月から9月頃で、収穫量が最も多くなります。
順位 | 国名 | 旬 | 取り扱い量 |
1位 | 宮城県 | 5~7月 | 39~44t |
2位 | 高知県 | 5~6月、12月 | 19~24t |
3位 | 茨城県 | 7~9月 | 21~31t |
パプリカとピーマンの違い
ピーマンの旬の時期
ピーマンは、栽培しやすい野菜なので、全国的に作られており、冬の時期でも宮崎や高知などでハウス栽培しているものが年間を通して安定して市場に出回っています。また、ベル型ピーマン(パプリカ)の8割が輸入されているものなので、季節を問わず常に店頭に並んでいます。
そんなピーマンですが、露地栽培での収穫時期は6月~9月頃の夏の時期が一番安く、沢山出回る美味しい旬の時期と言えるでしょう。パプリカの旬と同じですね。
パプリカとピーマンの味の違い
日本でピーマンと言えば、常にスーパーにある、小袋に入ったお馴染みのグリーンのピーマンをイメージしますが、元々はパプリカもピーマンもとうがらしの甘味種で同じグループなのです。
ところで、カラーピーマンやジャンボピーマンなど、いろんなタイプの物が出てくると、どこからがパプリカでどこまでがピーマンなのか、私たちには判断がつきませんよね。実際にはパプリカとピーマンの境界線は無いようなもので、生産者や売り手がその都度、独断で判断していると思っていいでしょう。
売り手側の判断基準を元に、パプリカを含むピーマンを大きく分けるとすると次の5つのタイプがあります。
パプリカ | 100g以上ある大型のピーマン。肉厚のベル型。甘みがある。ジューシーな食感。サラダなど生食向き。 |
ジャンボピーマン | 長いベル型ピーマン。パプリカほど肉厚ではない。苦み、青臭さがある。 |
トマトピーマン | 名前どおり、やや扁平でトマトのような形をしている。比較的糖度が高い。 |
カラーピーマン | 普通のピーマンと同じ形や大きさで色が付いている。甘みがある。 |
唐辛子型ピーマン | 唐辛子のような細長く先がとがった形をしている。苦み、青臭さがある。 |
パプリカとピーマンの栄養素の違いと効能
パプリカ
パプリカとピーマン、基本的には似かよったものなので、どちらも栄養満点な優秀野菜です。細かい違いはというと、パプリカには強い抗酸化力作用があるビタミンCとカロテンが、ピーマンにはピラジンが豊富に含まれていることです。パプリカの抗酸化力は、動脈硬化、糖尿病、ガンの予防、そして皮膚や目の粘膜を保護する効果があるといわれています。
パプリカの赤や黄色などの色の違いは、カロテノイドの種類が違うというのが理由のようです。赤いパプリカには、「カプサンチン」が、黄色やオレンジ色には、「ゼアキサンチン」というカロテノイドが、強い抗酸化力をもっていている点が、緑色のピーマンとの違いなのです。ビタミンCの含有量も、赤色>黄色>緑色の順で多く含まれています。
ピーマン
ピーマンは、血液をサラサラにする効果、脳血栓の予防、心筋梗塞の予防などの効果があります。ですが、残念なことにピーマンの栄養素は、1960年頃と比較して、ビタミンCは約7割、ビタミンB郡は半分に減ってしまいました。これは独特な苦味・青臭さを軽減させる為に、食べやすく品種改良が繰り返されてきた結果なのです。そういわれると、昔と比べたら確かに食べやすくなったように感じる方も多いでしょう。
それでも、ピーマンやパプリカのビタミンCは熱にとても強く、壊れにくいのが特徴です。ピーマンにもカロテンは豊富に含まれていますので、油で調理することにより、カロテンの吸収力は格段にアップします。
ピーマンは栄養が減ってしまった品種があるとはいえ、お手頃価格で家計が助かりますし、味や食感に好みは分かれそうですが、栄養価はどちらも高くて優秀な野菜といえるでしょう。
美味しいパプリカの見分け方
パプリカの場合は、輸入品が多いので時間が経っていると思われるものを見かけることがあります。鮮度が落ちてくると、一番最初にへたの部分にそれが現れます。輸入品か国産品かを見極めて、表面に張りと艶があり、やわらかすぎたりシワっぽくなっているものは避けるようにしましょう。
その他にも、美味しいパプリカの見分け方を紹介してみましょう。
美味しいパプリカの条件
- 色が均一でムラがなく、濃い色のもの。
- 肉厚でふっくらとしているもの。
- つやがあり色が鮮やかなもの。
- へたの切り口がみずみずしく新鮮な物。
- 枝から果実へと延びている果柄の部分が緑色で切り口が新しいもの。
- 皮がふかふかせず、張りや弾力があるもの。古くなってくると水分が抜けて弾力がなくなり、固くなる。
- 手に取ってみて重量感のある方を選ぶこと。古いと水分が抜けてしおれて軽くなってくる。
- 半分にカットされたもので中の種が見える場合、種が育っていないものの方が果肉は柔らかくて良品。
パプリカの保存の方法
おいしくて鮮度のいいパプリカを購入したとしても、すぐに調理しなかった場合は、保存方法をしっかりしておかないと傷んでしまいます。
パプリカの場合
カット前のパプリカの場合は、水気を拭き取った後、新聞紙かキッチンペーパーで潰さないように包んでからポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存します。新鮮なものなら1週間ほど保存できます。天日で乾燥させてから冷蔵庫で保存する方法では、1ヵ月程度は持ちます。
カットしたパプリカの場合
カット後のパプリカは、種とワタを取り除いてから、しっかりとラップで包んでから冷蔵庫で保存し、2~3日で使い切るようにします。カットしてから冷凍保存することで、1ヵ月程度持たせることが可能になります。傷んだ部分があるとそこから腐ってしまうので、傷みがあるものは早めに消費するようにします。
最後に
パプリカの旬とピーマンの旬は同じでしたね。パプリカもピーマンも同じようなものですが、パプリカの方が、ビタミンCは約2倍、カロテンは約7倍あるとされています。ガン予防に効果があるといわれているカロテンは、マリネや油炒めなど、油を使って調理をすると、吸収率が高まることでも注目されています。
色鮮やかで、料理のワンポイントにもなる人気者のパプリカですが、ピーマンよりも収穫までに時間がかかると知った今、値段が高いのもなるほどとうなずけますよね。
管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。