目次
トマトの旬の時期
トマトが最も美味しい旬は夏の前と後!
一年中、いつでも食卓に並べられるトマトですが、トマトの「旬」は夏の前と後の時期です。
夏野菜のイメージが強いトマトですが、本来トマトは高温多湿に弱く、また冷涼で強い日差しを好む為、真夏のトマトは味的にはベストとは言えません。
なので、トマトがもっとも美味しく味わえる「旬」と言えるのは、「春から初夏」と「秋から初冬」の時期なのです。この時期、日光をたくさん浴び、比較的乾燥した気候の中でトマトは糖度をあげ、栄養価も最も高くなります。
最近では、色や形、そしてサイズなど、いろいろな品種のトマトが出回るようになりました。特にミニトマトは手軽に栽培できるので、家庭菜園で作る方も増えてきていて、一般的には春先に種をまき、夏に収穫するため「トマトの旬は夏」と思い込んでいる方も多いようですね。
また、運送や保存方法が発達し、一年中店頭に並べられていますので、いつが旬なのかわからない方が多いと思います。
産地別のトマトの旬
全国各地で手軽に栽培することができるトマトですが、生産地によってトマトの旬は異なります。最もたくさん収穫している地域は、北海道、熊本、愛知、茨城県です。トマトは暖かい気候で育ち、夏から秋は茨城県や北海道、秋から春にかけては熊本県でとれます。
それ以外にも日本各地でさまざまな品種のトマトが作られて収穫されていますのでトマトの品種によっても旬が異なる場合があります。
夏秋トマトと冬春トマトの生産量
日本国内でのトマトの総生産量は年間722,400tです。トマトの種類は大きく分けて「夏秋トマト」と「冬春トマト」です。
- 「夏秋トマト」の出荷量は268,300t
- 「冬春トマト」の出荷量は388,8000t
冬春トマトの生産量ランキング
- 1位:熊本
- 2位:愛知
- 3位:茨城
- 4位:千葉
- 5位:宮崎
冬春ミニトマトの生産量ランキン
- 1位:熊本
- 2位:愛知
- 3位:宮崎
- 4位:静岡
- 5位:千葉
夏秋トマト生産量ランキング
- 1位:北海道
- 2位:茨城
- 3位:熊本
- 4位:福島
- 5位:青森
夏秋ミニトマト生産量ランキング
- 1位:北海道
- 2位:茨城
- 3位:熊本
- 4位:福島
- 5位:山形
美味しいトマトの選び方
トマトの重さと形
一般的に丸く重みがあるトマトが美味しいとされています。手触りもツルっとして凹凸がないものを選びましょう。
トマトのお尻の筋
トマトのお尻の先に放射線状に筋があるものは糖度が高いトマトです。特に放射線状の筋が多いトマトを選びましょう。
トマトのヘタの色
新鮮なトマトはもぎたてですのでヘタは緑色でしっかりしています。乾燥して色が変わっているトマトはあまり新鮮ではありません。
産地と品種
産地や品種別にトマトの旬が異なります。食べて美味しいと思ったトマトの産地や旬の時期を覚えておきましょう。
買ったトマトの食べ頃は?
スーパーに並んでいる大玉のトマトは、赤くなる前のまだ固くて青いうちに収穫して、全体が赤くなってきたら店頭に出すのが一般的です。そのようなトマトは、触ってみて少しやわらかくなったら食べ頃です。やわらかすぎたり、ぷよぷよしていたら熟しすぎですのですぐ食べましょう。
価格が高い高級なトマトがありますが、そういうトマトは完熟してから収穫します。十分な養分が行き渡って赤くなってから収穫するので、とても甘いトマトになるのですが、収穫から3日目を過ぎると、甘みがどんどん低下してしまいます。だから高いのかもしれませんね。
トマトの種類と特徴
世界中には何千種類と数え切れないくらいのトマトがあり、現在、国内でもかなりの種類が栽培されています。トマトの品種によっても旬は異なりますが、大きく分類すると以下のようになります。
桃色系トマト
- 市場に出回っている大玉トマトの中でもっとも出荷量の多いのが「桃太郎」
- 皮が薄くて無色透明。
- クセが少なく、香りは弱いが甘味は強い。
赤色系トマト
- 皮の色が濃く厚いもの。
- 酸味と香りが強い。
- 煮崩れしにくい為、加工用として缶詰やケチャップ、料理用などにされることが多い。
- イタリアのサンマルツァーノ種などもこれにあたる。
ミニトマトやマイクロトマト
- 丸い形のものと長丸い形のものがある。
- 色は赤と黄、最近ではオレンジや緑(熟しても赤くならない品種)なども出回っている。
グリーントマト
赤みがまったく無い、未熟で真青なグリーントマト。
旬のトマトに含まれる栄養素
トマトのリコピンとは
トマトの赤い色素の「リコピン」は、カロテンの一種で、様々な生活習慣病の原因となる活性酸素を消去する働き(抗酸化作用)がβ-カロテンやビタミンEの何倍も効果があります。
老化を防いだり、肌や皮膚を若々しく保ち、シミ・ソバカスの原因となる活性酸素を消す働きもあります。その他にも髪の健康維持や視力維持、喉や肺など呼吸器系統を守る効果も期待できます。
リコピンは、油に溶けやすく、調理に使うと吸収が高まります。そしてリコピンをはじめとするトマトの栄養成分は、トマトが完熟した時に最も多くなります。
トマトに含まれる主要栄養素
※100g当たり
- ビタミンA:390mg
- ビタミンB6:0.07mg
- ビタミンC:20mg
- カリウム:230mg
- 食物繊維:0.7g
- 鉄:0.3mg
- カロリー:19キロカロリー
トマトには、「グルタミン酸」という食物の味を美味しくするアミノ酸が含まています。同様にトマトに含まれている「ギャバ」も、アミノ酸の一種であり、血圧の上昇を抑え、肝機能を高める働きがあります。
トマトに含まれる脂肪燃焼効果
2012年2月にトマトの果汁成分には、「13-oxo-ODA」というリノール酸が含まれていることが発見されました。これは脂肪を燃焼させる遺伝子を増やすもので、この成分を摂取することにより肝臓で脂肪燃焼に働くタンパク質が多く作られ、血糖値を下げるといわれているようです。
トマトはアルコール濃度低下に効果
お酒を飲む時に、つまみとして一緒にトマトを食べると、血液中のアルコール濃度が約3割低下するという実験結果があります。アルコールが完全に分解される時間も通常より速くなるようです。
ミニトマトのガーデニングの旬
家庭菜園やベランダ菜園の人気野菜ナンバーワンといえば「ミニトマト」ですね。初めて栽培する方にも、毎年育てている方にも外せない野菜のひとつでしょう。大玉トマトの栽培は初心者の方には少し難しいため、実が付きやすく、収穫量も多いミニトマトがおすすめです。
ミニトマトの苗は5~6月に植え付けます。初心者の方が育てやすい苗は、「1番花が咲いていて蕾が付いているもの」もしくは「葉が8枚くらい付いているもの」を選びましょう。
トマトの実の収穫は開花から50日ほどです。ミニトマトの旬は7月頃です。一般的に8月末くらいまで収穫を楽しむことができますが、よい土を使って正しく肥料を与えていれば、秋や初冬まで収穫を楽しめる場合もあります。
最後に
食材の「旬」と言えば、「栄養価が高くて味も良い、たくさん出回っていて価格が安い」というイメージですよね?
味が濃厚で真っ赤なトマトと言えば、真夏というイメージでしたが、そうでもないことがおわかりいただけましたか?野菜や果物にはそれぞれ旬の時期がありますが一年を通して簡単に手に入る野菜が多く出回るようになってきたせいか、食材の旬を意識しない人が増えているようです。
また、品種改良やハウス栽培の技術が進み、食べ物の「旬」に対する考え方も多様化しているようです。露地栽培のトマトを購入する際には、時期を気にしてみると良さそうですね。
管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。