目次
牡蠣を冷凍する正しい保存方法
冷凍保存する前の下処理方法
冷凍保存する際にちょっとした下処理でも、するのとしないのとでは解凍した時の風味に差が出ます。新鮮な味わいで楽しめますので、ひと手間かけて冷凍保存する際には下処理をすることをおすすめします。
片栗粉を使うやり方
- パックから取り出した牡蠣の水気を切ってボウルに入れます。
- 小さじ1の片栗粉と大さじ4の水をボウルに加えて牡蠣を優しく洗います。
- ボウルの水が濁ってきたら流水でさっと洗い、キッチンペーパーで水気を取ります。
大根おろしを使うやり方
- パックから取り出した牡蠣の水気を切ってボウルに入れます。
- 牡蠣と同量の大根おろしをボウルに加えて牡蠣を優しく洗います。
- 大根おろしが牡蠣の汚れで濁ってきたら流水でさっと洗い、キッチンペーパーで水気を取ります。
殻付き牡蠣の冷凍保存方法
- 貝類には殻の部分に雑菌が多いため、殻ごと水でよく洗います。
- キッチンペーパーなどで水気をしっかりふきとります。
- 殻が深い方を下にしてくっつかないようジッパー付フリーザーパックに入れ、冷凍庫で保存します。
むき身の牡蠣を保存する方法
未開封の塩水入りパック(袋)の場合
- 水に浸かっていて未開封か確認します。
- 塩水入りパック(袋)の場合は、パック(袋)のまま冷凍庫で保存できます。
一度袋を開けている場合
- 下処理をして水気をふき取った牡蠣のむき身を1粒ずつラップでくるみます。
- ラップで包むのが面倒な場合は、ステンレストレーなどにラップをひき1粒ずつくっつかないよう置きます。
- ジッパー付フリーザーパックに平らに入れて冷凍保存します。
- ステンレストレーに入れて冷凍した場合は、牡蠣が凍ったらトレーを外します。
牡蠣の冷凍保存期間
冷凍保存した牡蠣は殻付き、むき身ともの約1ヶ月が目安と言われています。ただし、冷凍する期間が長くなるにつれ風味は失われ、フリーザーパック内にも霜が付き始めます。瞬間凍結や真空凍結などの設備のある専門加工場での冷凍は超低温のマイナス50℃以下で保存しています。
しかし一般家庭では同じような条件で保存は難しいため、劣化は進んでしまいます。風味が落ちるとともに牡蠣の鮮明だった色がくすんでくるようになりますので、霜の付き方や色の変化も美味しく食べられる状態の見極めの参考にして下さい。
冷凍した牡蠣の解凍方法と加熱時間の目安
殻付き牡蠣の解凍方法
- 殻を流水で洗い、殻が膨らんでいる方を下にしてお皿に乗せます。
- ラップはせず、殻が開くまで調理法に合わせてレンジの解凍または加熱で解凍します。
- 目安としては3個の場合は500Wで約3分加熱、その後は様子を見ながら10~20秒ずつ延長してみて下さい。
むき身の牡蠣の解凍方法
- 凍ったままのパック(袋)をそのまま半日ほど冷蔵庫に入れて自然解凍します。
- 急いでいる時は、凍ったままのパック(袋)をボウルに入れ流水解凍をします。
- 解凍後は牡蠣をザルにあけて、下処理をしていない場合は必ず流水で洗います。
- 牡蠣の水分をキッチンペーパーなどでふき取り、すぐに加熱調理をします。
解凍のし過ぎは旨みも流れ出てしまうのと、臭みの原因にもなりますので適度な柔らかさで調理に使います。
半解凍の状態で料理酒に漬けると臭みが抑えられるのと、身がふっくらとなります。解凍し過ぎない状態で深さのあるお皿に並べ、料理酒を牡蠣が浸るまでいれて30分前後おいてみるのもおすすめです。
加熱時間の目安
冷凍した牡蠣を解凍した場合は必ず加熱して食べるようにします。ノロウィルスは中心の温度を85℃のまま90秒くらい加熱すると殺菌できると言われています。加熱時間の目安は次の通りです。粒の大きさによって加熱時間は変わります。あくまで目安として参考にして下さい。
- 沸騰のお湯で茹でる場合:約3~5分
- 電子レンジで加熱の場合:500Wで5~7分(その後は様子を見ながら必要があれば延長する)
- 油で揚げる場合:180℃の油で約5~6分
- フライパンで炒める場合:下茹で2分後にフライパンで3~5分
牡蠣を冷凍する際の注意点
牡蠣は冷凍しても菌を死滅できないため、自宅で冷凍した牡蠣は殻付きでもむき身でも、必ず加熱してから食べるようにします。また、牡蠣を冷凍する際も解凍の際も、触れた調理器具はノロウィルス防止のため殺菌や消毒することをおすすめします。
まな板、包丁、ボウルなどは熱湯消毒をしましょう。そして冷凍庫で保管する前に、保存期間が分からなくならないためにフリーザーパックに冷凍する日付を書いておくと安心です。むき身の牡蠣は冷凍やけしやすいため、できるだけ早目に使ってください。
冷凍牡蠣のおすすめレシピ2選
牡蠣と白菜のチャウダー
材料(2人分)
- 冷凍牡蠣:140g
- 白菜:大きめの3枚くらい
- 玉ねぎ:1/4個
- にんじん:1/2本
- ベーコン:3枚
- 小麦粉:大さじ1と1/2
- 水:1カップ
- 顆粒コンソメ:小さじ1
- 牛乳:3/4カップ
- バター:大さじ1と1/2
- 塩コショウ:適量
下準備
- 白菜はざく切り、玉ねぎは薄切り、にんじんはイチョウ切りにします。
- ベーコンは1㎝幅に切ります。
- 解凍した牡蠣は水分をふき取り、小麦粉(分量外)をまぶしておきましょう。
作り方
- 鍋にバター大さじ1/2を熱し、牡蠣を入れこんがりと焼き色がついたらお皿に取り出します。
- 鍋についた汚れをふき残りのバターを熱し、ベーコン、玉ねぎ、にんじんを炒めます。
- 小麦粉をふり入れてさらに炒め、水1カップとコンソメ、白菜を加えて煮立たせます。
- 煮立ったら弱火にして3分くらい煮ます。
- 取り出しておいた牡蠣を4の鍋に戻して、牛乳を加えさらに2分ほど煮込み塩コショウで味を調えます。
白菜の甘みと牡蠣の旨味が味わえる、体も温まるスープです。牡蠣の臭みをとるため、しっかりと水気をとってから焼きましょう。
牡蠣とほうれん草のガーリックバター炒め
材料(2人分)
- 冷凍牡蠣:90g
- ほうれん草:半束
- ぶなしめじ:45g
- にんじん:1/2本
- にんにく:1片
- 醤油:小さじ1
- バター:大さじ1
- 塩コショウ、小麦粉:適量
下準備
- 冷凍牡蠣は半解凍しておき、塩コショウと小麦粉をまぶします。
- ほうれん草は下ゆでして水気をしぼり、ざく切りにしておきます。
- ぶなしめじは小房に分けて、にんじんは細切りにしておきます。
作り方
- フライパンに油を熱し、牡蠣をのせて両面に焼き色がつくまで焼きお皿に取り出します。
- フライパンでバターを溶かし、にんにくを加え香りが立ったらぶなしめじとにんじんを入れて炒めます。
- 下ゆでしたたほうれん草を加え、1の牡蠣を戻して炒めたら塩コショウで味を調えましょう。
牡蠣は半解凍で使うことでふっくらとした食感が楽しめます。フライパンで焼く時間は大きさにもよりますが、両面8分(裏表約4分)を目安にしてください。
最後に
牡蠣は冷凍できますが鮮度が落ちた牡蠣は冷凍保存をしないほうが良いでしょう。鮮度の悪い牡蠣は、形が崩れて身が溶けていたり、貝柱が半透明ではなく乳白色や黄色っぽくなっています。
白濁した水が出てきている場合も鮮度が良くないと思われますので、牡蠣を冷凍する際には状態を確認してから冷凍するようにしましょう。