歩き方で性格はわかる?速い・遅いなどタイプ別に解説

歩き方で性格はわかるのでしょうか。歩く速さと性格特性の関連を示す研究を紹介し、速い人・遅い人の違いを解説。歩幅や姿勢、腕の動き、オラオラ歩き・ペタペタ歩きから受ける印象や、気分・環境で変わる理由も紹介します。

歩き方のタイプ別に見る性格との関係

歩く速さと外向性・誠実性などの性格特性には、研究で関連が報告されています。 また、歩くときの体の動きと性格特性を調べた研究もあります。

ただし、研究で見られた集団としての傾向と、一人の歩き方から性格を当てることは別です。

2012年のThoresenらの実験では、点の動きで表した歩行映像を見た人同士の性格評価は似ていましたが、本人の性格を正確に捉えたものではありませんでした。

速く歩く人・ゆっくり歩く人

速く歩く人については、外向性・誠実性・開放性が高い人ほど、その後の歩行速度が速いという関連が報告されています。

外向性は社交性や活動性、誠実性は計画性や責任感、開放性は新しい経験への関心などに関係する性格特性です。

2018年に発表されたStephanらの研究では、25〜100歳の成人1万5,000人以上を含む5つの調査を分析しました。

最初に測定した性格特性と、その後に測定した歩行速度を比べた結果、多くの調査と統合分析で、外向性・誠実性・開放性が高く、神経症傾向が低い人ほど速く歩くという関連が確認されています。

一方、ゆっくり歩く人は「おっとりしている」「マイペース」と見られることがあります。ただし、これは歩く姿から受ける印象です。

研究結果を逆向きに当てはめて「遅い人は穏やかで協調的」と判断することはできません。

同じ人でも、電車に間に合うように歩くときと、休日に散歩するときでは速さが変わります。歩く速さは性格との関連を考える手がかりにはなりますが、その場の速さだけで個人の性格を決めるものではありません。

歩幅が広い人・狭い人

大股で歩く人は活動的に、小股で歩く人は慎重に見えることがあります。ただし、これは歩幅から受ける印象であり、自信の強さや慎重さを測った結果ではありません。

歩幅と歩行速度も別の特徴です。大股でゆったり歩く人もいれば、小股で足を素早く動かす人もいます。「速く歩く人」の研究結果を、大股で歩く人へそのまま当てはめることはできません。

歩幅には、そのときの感情によって変化する面もあります。2023年のHomagainらの実験では、悲しい気分を誘導した条件で、一歩の長さと歩行速度が小さくなることが報告されました。

この結果は、歩幅が一時的な感情状態でも変わり得ることを示しています。

胸を張る人・下を向いて歩く人

胸を張って顔を上げる人は堂々として見え、下を向いて歩く人は控えめに見えることがあります。姿勢や視線によって第一印象が変わる、という違いです。

ただし、自信がありそうに見えることと、本人の自己肯定感が高いことは同じではありません。下を向いて歩く人についても、それだけで内向的な性格とは判断できません。

姿勢は一時的な感情とも関係します。2009年のMichalakらの研究では、抑うつ状態にある人と対照群の比較や、大学生に気分を誘導する実験を行い、悲しみや抑うつ状態に関連する歩き方で、上半身が丸まるような姿勢を報告しています。

これは普段から猫背の人の性格を示した結果ではありません。

腕の振り方や体のひねりが目立つ人

腕を大きく振る人は元気よく、振りの小さい人は静かに見えることがあります。ただし、腕の振りが周囲に与える印象と、研究で測定された胸部と骨盤の動きは別の話です。

2017年のSatchellらの研究では、29人の参加者が自然な速さでトレッドミルを歩く動作を測定し、性格質問紙の結果と比較しました。その結果、胸部と骨盤の相対的な回転と、身体的攻撃性を測る尺度との関連などが報告されています。

ここでいう体のひねりは、単に腕を大きく振ることとは異なります。また、若い成人29人を対象とした探索的な研究です。「腕を大きく振る人は攻撃的」という判断には使えません。

オラオラ歩き・ペタペタ歩きの印象

歩いている人達の足元

「オラオラ歩き」「ペタペタ歩き」は日常的な歩き方の呼び名であり、心理学で定められた性格の種類ではありません。

それぞれ、どのような動きが目立ち、どう受け取られることがあるのでしょうか。

オラオラ歩きの人

胸を張り、肩を揺らしながら大きく歩く姿を「オラオラ歩き」と呼ぶことがあります。力強く堂々として見える一方、威圧的で近づきにくいと感じる人もいるでしょう。

この言葉は、姿勢や肩の揺れなど複数の特徴をまとめた日常的な呼び方です。研究で測定される特定の歩行指標ではありません。

威圧的に見えることと、本人が周囲を威嚇しようとしていることは別です。歩き方から受ける印象としては説明できますが、それだけで攻撃的な性格だと判断することはできません。

ペタペタ歩く人・足音が大きい人

ペタペタ歩きは、足の着き方や床に当たる音が目立つ歩き方です。一方、足音が大きいというのは音の強さを表し、必ずしも同じ歩き方ではありません。

足音が目立つと、慌ただしい、落ち着きがないと感じる人もいるかもしれません。ただし、音の大きさだけで本人の性格を判断することはできません。

音の響き方は靴底や床の材質、足の着き方によっても変わります。足音が気になったときは、本人の人柄ではなく、まず音や歩行動作の特徴として捉えるとよいでしょう。

同じ人でも歩き方が変わる理由

普段の歩き方には個人差がありますが、歩く速さや歩幅は、その日の気分、一緒に歩く相手、体の状態などによっても変わります。性格との関係を考えるときに知っておきたい違いです。

喜びや悲しみなどの感情

同じ人でも、喜びや悲しみなどの感情によって歩く速さが変わる場合があります。

2012年のGrossらの研究では、16人に喜び・怒り・悲しみなどの感情を生じさせて歩行動作を調べ、喜びや怒りの条件では速度が速く、悲しみの条件では遅くなると報告しています。

また、2009年のMichalakらの研究では、うつ病の入院患者と対照群の比較に加え、大学生に悲しい気分などを誘導する実験が行われました。

悲しみや抑うつ状態に関連する歩き方として、速度や腕の振り、頭の上下動が小さいという結果が報告されています。

いずれも特定の条件で歩き方を調べた研究です。日常でゆっくり歩いている人の気分を、その場で言い当てられるという意味ではありません。

一緒に歩く相手や道の状況

一人で歩くときと、パートナーと歩くときでは、歩く速さが変わることがあります。

2021年のChoらの研究では、25〜79歳の141人を対象に、一人で歩く場合、恋人や配偶者などのパートナーと歩く場合、手をつないで歩く場合を比較しました。

パートナーと歩くときは双方の速度が低下し、手をつなぐとさらに遅くなりました。障害物のある経路でも速度が低下しています。

普段は早足の人でも、誰かと一緒に歩くときには相手のペースに合わせることがあるでしょう。目の前の歩行速度には、こうした状況も反映されます。

足の動かしやすさなど体の状態

すり足や足を引きずる歩き方には、性格以外の身体的な事情が関係する場合があります。

例えば、足先を持ち上げにくくなる状態では、つま先が床に引っかかったり、足を引きずったりすることがあります。神経や筋肉の問題が関係する場合もあるため、性格の特徴として説明するものではありません。

ただし、すり足や内股、がに股といった歩き方だけで、特定の病気を判断することもできません。足の向きや運び方は、まず歩行動作の特徴として受け止めましょう。

歩き方だけで性格を決めず、普段の言動も見る

気になる人の歩き方を見たら、その場だけの動きなのか、普段から見られる特徴なのかを考えてみましょう。早足でも急いでいるだけかもしれませんし、胸を張った姿から受ける自信の印象も、実際の人柄とは別です。

歩き方が気になったときは、次の3つを手がかりにすると整理しやすくなります。

  • 急いでいるなど、その場の事情はないか
  • 一度だけか、普段から見られる歩き方か
  • 日頃の言葉や行動から受ける印象はどうか

歩き方は人柄を考える手がかりの一つ。普段の言動と合わせて理解することが大切です。 歩き方から受ける印象も、普段の様子と照らし合わせることで、決めつけずに受け止められます。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る