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共働きのほうが離婚しやすいとは言い切れない

共働きだから離婚しやすいとは言い切れません。ただし、何も分からないわけではありません。
国内研究では妻の就業と離婚リスクとの関連がみられる一方、所得や雇用形態によって傾向が異なることも示されています。
共働きかどうかだけでなく、どのような働き方をしているかまで見る必要があります。
共働きと専業主婦家庭ではどちらが離婚しやすい?
公的資料からは、共働きと専業主婦家庭のどちらが離婚しやすいとは判断できません。
両者を比べるには、それぞれの夫婦全体を分母にした離婚率を、同じ条件で比べる必要があります。
一方、厚生労働省の2020年度の統計では、離婚した夫婦のうち、別居前に「夫妻とも有職」だった夫婦は65.5%でした。
この数字を見ると、「離婚した夫婦の多くが共働きなら、共働きは離婚しやすいのでは」と感じるかもしれません。しかし、65.5%は離婚した夫婦の中で、夫妻とも有職だった夫婦が占める割合です。
「共働き夫婦全体のうち何%が離婚したか」を表す離婚率ではありません。
共働き世帯そのものが多いことも踏まえると、この数字だけで専業主婦家庭より共働きのほうが離婚しやすいとは判断できません。
妻が働いていると離婚しやすい?
妻が働いていることと離婚には、まったく関係がないとも言い切れません。国内のパネル調査を使った研究では、妻の就業と離婚リスクとの関連が報告されています。
ただし、「妻が働いて収入を得るほど離婚しやすくなる」という単純な結果ではありません。
2000年以降に結婚した層を分析した研究では、所得や雇用形態によって離婚リスクに違いがみられ、低所得の非正規雇用で高く、無業と高所得の正規雇用では低いという結果が示されています。
そのため、妻が働いているかどうかだけで離婚しやすさを判断するのは難しいといえます。正規・非正規といった働き方や所得なども分けて見る必要があります。
共働きでは家事・育児の偏りや仕事のすれ違いが負担になることもある

共働きといっても、夫婦ともフルタイムで働く家庭もあれば、一方が短時間勤務の家庭もあります。子どもの有無や勤務時間、収入差なども家庭によって異なります。
そのため、「共働きだからつらい」とひとまとめにするより、家事や育児がどちらか一方に偏っていないか、仕事の時間が合わず夫婦ですれ違っていないかなど、実際の生活を見ることが大切です。
家事・育児が妻ばかりになっていないか
共働きでも、家事や育児が夫婦で均等に分担されているとは限りません。
内閣府が紹介している2021年のデータでは、6歳未満の子どもがいる共働き夫婦でも、家事関連時間の妻の分担割合は77.4%でした。
仕事をしながら、食事の準備や片付け、洗濯、子どもの送迎、急な発熱への対応などが一方に集中すれば、その人の負担は大きくなります。
「共働きなのに家事は妻ばかり」「育児がワンオペで疲れた」と感じているなら、共働きそのものより家事・育児の偏りを見ることが大切です。
ただし、この家事・育児時間のデータだけで、負担の偏りが離婚を直接引き起こすとまでは言えません。夫婦関係を考えるうえで確認したい生活上の負担の一つとして捉えます。
仕事のすれ違いや収入の不安が重なっていないか
共働きだからといって、夫婦とも収入が安定し、時間にも余裕があるとは限りません。一方が短時間勤務だったり、正規雇用と非正規雇用を組み合わせていたりする家庭もあります。
帰宅時間や休日が合わなければ、夫婦で過ごしたり話したりする時間を取りにくくなることがあります。仕事に加えて家事や育児も重なれば、どちらか一方だけに負担感が強まることもあります。
また、転職や転勤、出産後の働き方、収入の分担などについて考えが合わず、すれ違いが続く場合もあるでしょう。
こうした状況をすべて「共働きだから仕方がない」とまとめると、何がつらいのか分かりにくくなります。仕事の時間なのか、収入なのか、将来の働き方なのかを分けて考えることが必要です。
共働きがつらいときは「何がつらいのか」を分けて考える

共働き夫婦の離婚について考えるときは、「共働きは離婚しやすいらしい」というイメージだけで、自分たちの関係まで決めつけないことが大切です。
たとえば、家事・育児が一方に偏っているのか、勤務時間が合わずすれ違っているのか、収入への不安が大きいのか、将来の働き方や子育てについて意見が合わないのかで、抱えている問題は変わります。
また、共働きとは別に、価値観やコミュニケーションの問題が重なっている場合もあります。
「共働きだから離婚しやすい」と考える前に、何がつらいのかを一つずつ分けてみることが、今の夫婦関係を考えるための出発点になります。










