後悔ばかりする人の心理とは?何度も「あの時こうすれば」と思う理由

後悔ばかりしてしまうと、自分は後悔しやすい性格なのではと感じることもあります。「あの時こうすれば」と考え続ける心理や後悔が残る理由、抜け出すためにできることを解説します。

後悔ばかりする人の心理

頭を抱える女性

後悔ばかりしてしまう背景には、一つの性格ではなく、過去の選択を振り返るときのさまざまな心の動きがあります。

「別の選択ならもっとよい結果になったかも」と想像したり、結果を知った今の自分から過去の判断を責めたりすると、終わったことでも何度も考えやすくなります。

特に、後悔が生まれることと、同じ後悔を何度も考え続けることは別です。まずは「あの時こうすればよかった」がなぜ繰り返されるのか、代表的な心の動きを見ていきましょう。

「あの時こうすればよかった」と別の結果を想像する

後悔するときは、実際に起きた結果だけを見ているとは限りません。

「あの時、あんなことを言わなければ」「別の商品を選んでいれば」「あの誘いを断らなければ」など、実際には起きなかった別の結果を頭の中で想像します。

心理学では、このように「もし違う行動をしていたら」と実際とは異なる展開を考えることを反実仮想と呼びます。現実の結果よりも想像した結果の方がよく見えるほど、「あちらを選べばよかった」という後悔につながりやすくなります。

選ばなかった未来が本当にうまくいったかどうかは分かりません。それでも頭の中では良い結果を思い描けるため、現実と「もしも」の理想的な結果を比べてしまうことがあります。

結果を知った今の目で過去の自分を責める

結果が分かったあとでは、「こうなることくらい分かったはず」「どうしてあんな判断をしたのだろう」と感じやすくなります。

しかし、判断した当時の自分は、その後どうなるかをまだ知りませんでした。

結果を知ったあとで振り返ると、起きた出来事が以前から予測できたように感じることがあります。これは後知恵バイアスと呼ばれる心理です。

たとえば、転職後に職場が合わなかったと分かると、「最初から怪しいと思っていたのに」と感じることがあります。実際には、転職前には良い面も悪い面もあり、限られた情報の中で判断していたかもしれません。

それでも現在の結果を知っていると、過去の自分の判断だけが悪く見えてしまうことがあります。

自分の選択を強く責める

後悔は、「悪いことが起きた」という気持ちだけではありません。「自分が選んだからこうなった」と感じることとも関係しています。

たとえば、自分で選んだ店で食事をして満足できなかったとき、「今日はたまたま合わなかった」と受け止めることもできます。

一方で、「自分がこの店を選んだせいで時間もお金も無駄にした」と考えると、同じ出来事でも自分の判断への後悔が強くなります。

自分で変えられた部分を振り返ることは、次の判断に役立つ場合があります。ただし、結果には自分では予測できなかったことも含まれます。

すべてを「自分の判断ミスだった」とまとめると、実際に自分が選べた範囲以上の責任まで背負いやすくなります。

選ばなかった方がよく見える

何かを選んだあとでも、「本当にこれでよかったのか」と別の選択肢が気になることがあります。特に「もっと良い答えがあるはず」と考え続けると、決めたあとも選択が終わりません。

買い物をしたあとに別の商品を調べ続けたり、進路を決めたあとも他の学校や仕事の良い面ばかり見たりすると、今の選択の欠点と、選ばなかった方の長所を比べることになります。

選ばなかった方については、実際に選んだ場合の失敗や不便を経験していません。そのため、今の選択の欠点と、もう一方の想像上の良い結果を比べてしまうことがあります。

「あちらなら後悔しなかったはず」と感じても、それが本当に正しかったかは確かめられません。

同じことを何度も思い返す

一度「あんな言い方をしなければよかった」と振り返り、「次からは言う前に少し考えよう」と決めるだけなら、後悔は次の行動につながっています。

ところが、そのあとも「なぜあんなことを言ったのだろう」「相手はどう思っただろう」「やっぱり言わなければよかった」と同じ場面を何度も思い返すと、考える時間だけが長くなっていきます。

このように同じ内容を繰り返し考えることは反芻と呼ばれます。「もし別の行動なら」と想像することと、同じ出来事を何度も考え続けることは同じではありません。

一度の後悔が長く残るときは、後悔した出来事だけでなく、「繰り返し考えていること」にも目を向ける必要があります。

「やった後悔」と「やらなかった後悔」は時間によって変わる

後悔には、「やってしまった」という後悔だけでなく、「やらなかった」という後悔もあります。研究では、時間の長さによって両者の感じ方が変わる傾向が示されています。

短い期間では「しなければよかった」が強くなりやすい

余計なことを言った、必要のない物を買った、勢いで決断したなど、行動したあとしばらくは、その行動がなければ悪い結果も起きなかったと考えやすくなります。

「やってしまった」という出来事は具体的なので、「あの行動だけ取り消せれば」と想像しやすいのも特徴です。比較的短い期間では、行動したことへの後悔が強く感じられやすい傾向があります。

時間がたつと「やっておけばよかった」が残りやすい

一方、長い時間がたってから振り返ると、「挑戦しておけばよかった」「気持ちを伝えておけばよかった」「あの場所へ行っておけばよかった」など、行動しなかったことが後悔として残ることがあります。

研究でも、短い期間では行動したことへの後悔が目立ちやすい一方、時間がたつと行動しなかったことへの後悔が残りやすい傾向が報告されています。

「迷ったら何でもやる方が正解」という意味ではありません。大切なのは、今感じている後悔が「やってしまったこと」なのか「やらなかったこと」なのかを分けることです。

後悔の中身が分かると、次に変えたい行動も見つけやすくなります。

後悔しやすい性格はある?

「自分は後悔しやすい性格だから、何を選んでも後悔するのでは」と思うこともあるでしょう。しかし、「後悔しやすい人」という一つの決まった性格があるわけではありません。

一方で、後悔や「もし別の選択なら」という思考と関連が確認されている傾向には、次のようなものがあります。

  • ミスを強く気にする
  • できるだけ最善の選択を求める
  • 決めたあとも「もっと良い選択があったのでは」と考える

これらは、「当てはまれば必ず後悔しやすい」という特徴診断ではありません。

後悔が多いと感じたときは、どんな考え方をしたときに後悔が長引くのかを見るための手がかりとして捉えるとよいでしょう。

後悔は必要?次に生かせる後悔と苦しくなる後悔

後悔には、次の行動を見直す材料になる面があります。一方、次に変えることが決まっているのに同じ場面を何度も思い返しているなら、振り返りよりも反芻が続いている状態です。

大切なのは、後悔そのものをなくすことではなく、次の行動につながっているかを見分けることです。

次に変えることが見つかる後悔

たとえば、急いで送ったメッセージを後悔したあと、「次は送信前に一度読み返そう」と決められたなら、後悔から次の行動が生まれています。

ほかにも、「情報を確認してから決める」「迷っていることを先に相手へ伝える」など、次回に変えられることが具体的になれば、過去を振り返る意味があります。

後悔したから必ず成長できるわけではありませんが、過去の選択と別の可能性を比べることが、次の判断を変える材料になることはあります。

同じ場面を繰り返すだけの後悔

一方で、「次はどうするか」がすでに決まっているのに、何度も同じ場面へ戻り、「なぜあんなことをしたのだろう」と考え続けているなら、新しい答えは増えていません。

この状態では、振り返りから次の行動へ進まず、過去の自分を責める思考が繰り返されることがあります。

「次に変えることが決まったか」は、考え続ける必要があるかを分ける一つの目安です。

決まったあとまで同じ後悔を繰り返しているなら、過去を検討する段階から、今できることへ戻る段階に移ってよいでしょう。

後悔から抜け出すためにできること

後悔から抜け出すために、無理に「考えないようにしよう」とする必要はありません。まず後悔している内容を整理し、過去について考える時間を、今後の行動へ少しずつ移していきます。

何を後悔しているのか具体的にする

「人生を間違えた」「全部失敗だった」と大きくまとめるほど、何を変えればよいのか分かりにくくなります。

「あの人と話したこと」ではなく「感情的な言い方をしたこと」、「転職したこと」ではなく「条件を十分に確認せず決めたこと」のように、実際に何を悔やんでいるのかを具体的にしてみましょう。

後悔の対象が絞れると、自分では変えられない結果と、次に変えられる行動を分けやすくなります。

事実と「もしも」の想像を分ける

「別の会社なら絶対うまくいった」「あの言葉を言わなければ関係は悪くならなかった」と考えているなら、どこまでが確認できる事実で、どこからが想像なのかを分けます。

実際に分かっているのは「今の会社が自分には合わなかった」「あの会話のあと関係がぎくしゃくした」といった部分です。選ばなかった未来がどうなったかは確認できません。

「あちらなら必ずよかった」と考えていることに気づくだけでも、現実と理想化した別の未来を同じ条件で比べるのを避けやすくなります。

今の知識で過去の自分を責めない

今になれば「どうして気づかなかったのだろう」と思えることでも、当時は結果を知りませんでした。

振り返るときは、「今なら何が分かるか」だけでなく、「その時点で何を知っていたか」「どんな選択肢が見えていたか」も考えてみましょう。

過去の判断を無条件で正当化する必要はありません。今の結果を知っている自分と、結果を知らなかった当時の自分を同じ条件で採点しないことが大切です。

次に変えることを一つ決める

後悔から学べることがあるなら、できるだけ具体的な行動に変えます。

  • 言い方を後悔したなら、次は感情的なときにすぐ返信しない
  • 買い物を後悔したなら、次は必要な条件を決めてから選ぶ
  • 決断を急いだなら、次は一晩置いてから決める

一度に性格全体を直そうとする必要はありません。後悔から「次はこうする」を一つ決めれば、過去の反省をこれからの行動へ移しやすくなります。

同じことを考え続けているだけなら、いったん離れる

すでに「次はこうする」と決めたのに、また同じ場面を思い返しているなら、「まだ考え足りない」のではなく、同じ後悔を繰り返していることに気づくのが第一歩です。

そのときは、過去についてもう一度答えを探すのではなく、いったん今やることへ戻ります。

一方で、次に変えられることが見つからない後悔もあります。そうした後悔まで無理に「次はこうする」という教訓へ変える必要はありません。

変えられない出来事であることと、今も後悔していることを分けて受け止め、過去をやり直す答えを探し続けないことも大切です。

後悔で眠れない・生活に支障があるときは相談する

過去のことが頭から離れず眠れない、仕事や家事に集中できない、自分を責める考えが長く続くなど、後悔によるつらさが日常生活にまで影響している場合は、一人で整理し続けなくても構いません。

家族や信頼できる人へ話すほか、必要に応じて医療機関や心理相談などを利用する方法もあります。特に強いつらさが続いているときは、「後悔しやすい性格だから」と片づけず、相談できる場所を使うことも選択肢です。

後悔は、すべて消そうとしなくても構いません。次に変えられることはこれからの行動へつなげる。変えられないことや、すでに答えが出たことを繰り返していると気づいたら、過去をやり直す答えを探し続けず、今できることへ戻りましょう。

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