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グラニュー糖の代用になるもの11選
グラニュー糖と砂糖の違いをご存知ですか?日本では砂糖というと「上白糖」を指すのが一般的ですが、海外では砂糖というと「グラニュー糖」が広く使われています。
グラニュー糖は上白糖(普通の砂糖)よりもショ糖の純度が高純度。すっきりとしたクセのない甘さが特徴的です。また水に溶けやすい性質をもつため、コーヒーや紅茶などの飲みものには大体グラニュー糖が添えられます。
また、以下の理由などから洋菓子づくりなどに一般的に使われます。
- 素材の風味を邪魔しないスッキリしたクセのない甘味
- 溶けやすく、溶け残りが「ジャリ」と食感に影響するなどの心配がない
- 焦げたり、焼き色がつき過ぎるなどの失敗の可能性が少ないなど。
では、その他の糖質にはどんな特徴があって、グラニュー糖の代わりに使用可能なのか見ていきましょう。
1.砂糖(上白糖)
上白糖とは、ご家庭で日常的に使用されている「砂糖」のことで、日本生まれの甘味料です。
色をいかしたい料理全般に使われるほか、お菓子に使うとしっとりとしたコクのある味わいになるので、カステラなどしっとりと仕上げたいお菓子には上白糖が欠かせません。グラニュー糖に比べ甘みを強く感じ、コクのある味わいが特徴です。
グラニュー糖の代わりに使う場合は、以下のことに気をつけましょう。
- くどい甘さにならないように必要であれば砂糖の量を多少加減する
- 溶け残らないようにしっかりと混ぜる
- 乾燥すると固まってしまう。少しの湿り気を与えることでさらさらに戻るが、すぐに使う場合かたまりが入らないように注意する
- 焼き色がつきやすいという特徴をもち、特に焼き菓子においてはグラニュー糖の代わりに使うと焼き色がつき過ぎたり焦げたりする可能性がある。途中でアルミホイルを被せるなどの対応が必要
2.粉砂糖
粉砂糖とは、グラニュー糖を粉末状にしたものです。非常に溶けやすいため、アイシングなど滑らかに混ぜ込みたいお菓子のトッピングや、ほろりと繊細な食感のクッキー、マカロンなどに使われます。
粉砂糖はグラニュー糖よりも粒子が細かく湿気に弱いため、固まらないようにコーンスターチやオリゴ糖を加えてある商品も多いのが特徴。お菓子の仕上げ(デコレーション)用に特化し、溶けにくい加工がされた商品も人気です。
グラニュー糖の代わりに使う場合は、以下のことに気をつけましょう。
溶けにくい加工がされた粉糖は、一般的に原材料に油脂などが含まれることから、グラニュー糖の代わりにお料理やお菓子に混ぜ込んで使うには不向きです。
3.氷砂糖
非常に純度が高く素材の味をクリアに引き立てる氷砂糖。大きな結晶がゆっくり溶けることで果実のエキスを引き出します。梅酒や果実フルーツシロップなどの漬け込みに使われます。
大きくてかたい結晶のため、グラニュー糖の代わりに使うのは不向きです。お手持ちのマシーンで粉砕するのは、マシーンに傷がついてしまう可能性や、飛び出してきた場合危ないのでやめましょう。
ただし、例えばピクルスなど液体に溶かし込む場合は使用可能です。
氷砂糖が余ってしまい何かに使いたい!という場合には、煮物などに使うのがおすすめです。また、旬のフルーツ、酢と一緒に漬け込んでフルーツビネガーにしても美味しいです!
炭酸水で割って飲むほか、オイルや塩・胡椒と合わせれば、カラフルなフルーツドレッシングの完成です。
4.コーヒーシュガー
コーヒーシュガーは、高純度の糖にカラメル溶液を加えてつくられています。
結晶の粒が溶けにくいため、コーヒーを飲む際に入れるとだんだん溶けて…最初は苦く、最後は甘く香ばしいコクのある味わいが楽しめます。
溶けにくいこと、カラメルが加えられていることから、グラニュー糖の代わりにお菓子などに使うには不向きですが、ほうじ茶ラテなど、カラメルの香りにマッチするドリンクには使用可能です。
5.黒砂糖
黒糖は、さとうきびの絞り汁をそのままじっくり煮詰めて作られています。加工していないので独特の風味や渋みが特徴です。
主役級の風味を生かしたお菓子やアイスに使われるほか、日本の冷菓には欠かせない「黒みつ」などに使われています。最近では、タピオカドリンクやスムージーに使われ人気ですよね!
糖分のほかにカリウム、カルシウム、鉄など多くのミネラル分を含むことから、健康や美容に良いとされ、黒糖のかたまりをおやつとしていただくのも一般的です。
グラニュー糖のかわりとして使うのは、独特の風味があることや、色が濃いことから不向きといえるでしょう。
6.オリゴ糖
消化がされにくく低エネルギーで、整腸作用や腸内細菌を増やす作用などが特徴です。腸内で「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌の栄養源となって、結果的に善玉菌を増やす効果があり、特定保健用食品として認められている商品もあります。
オリゴ糖はシロップ状の商品が多い印象ですが、クセがないため砂糖と同様の粒状であればグラニュー糖のかわりに使用可能です。
ただし、お腹が過敏な人が食べすぎると胃痛などをひきおこす可能性もありますので、その場合食べる量は少しずつ加減してください。一度にたくさん、ではなく毎日適量をいただくことがおすすめです。
7.三温糖
三温糖(さんおんとう)は日本特有の砂糖です。上白糖をつくる際に出る液糖を煮詰めて作られ、煮詰める工程により優しい香ばしさと、特徴的な茶色い色みに仕上がります。料理では、コクを出したい煮豆や煮物、照り焼きなど、主に和食に使われます。
糖質の全量を三温糖にするのではなく、砂糖の一部を三温糖にすることで、風味やコクの強さをお好みに合わせて調節できます。
特有の色みやコクのある香りがあり、素材の色を邪魔せずクセがなくさっぱりとした甘さが特徴のグラニュー糖とはかけ離れるため、基本的には代用に向きませんが、グラニュー糖の代わりに使う場合には、以下の点に注意が必要です。
- 可能であれば三温糖以外の砂糖と組み合わせるなどして、特徴が出すぎないようにすると美味しく仕上がる。また、コクのあるしっかりとした甘みが感じられるため、甘さが強くなりすぎないよう、分量を多少調節するとよい。
- 色みを活かすお菓子やピクルスなどには不向き。
- その他上白糖と同様に、しっかり混ぜることや、焼き色がつき過ぎたり焦げたりしないように対応が必要。
8.きび砂糖(さとうきび砂糖)
きび砂糖とは精製途中の砂糖液を、そのまま煮詰めて作る甘味料。精製度では、上白糖と黒糖の中間でミネラル分が残っているため、優しい口当たりと独特の風味が特徴です。
「きび砂糖」とは日新製糖株式会社さんの登録商標のようです。各社で同じように、さとうきびのお砂糖が存在します、食べ比べてみても面白いかもしれませんね。
黒糖ほどクセがないため、家庭料理でも使いやすいお砂糖です。
グラニュー糖の代用には、以下の点に注意が必要です。
- 色みを活かすお菓子やピクルスなどには不向き。
- 若干ミネラル感やさとうきびの風味があるため、素材の味を引き立てるお菓子などには不向き。ただし優しい風味をいかした家庭のおやつなどには好適。
- 商品にょって、粒子の細かさが様々なため、溶けにくいものはしっかり混ぜる。
9.てんさい糖
てんさい糖の原料は、北海道でつくられるさとう大根(てん菜)。さとうきびのお砂糖と同じく、蜜の成分を残して仕上げられています。
そのためミネラルや天然のオリゴ糖などが含まれており、健康志向の方などに愛用されているようです。味わいはクセが少なく優しいまろやかな甘みが特徴です。
グラニュー糖の代用には、以下の点に注意が必要です。
- 優しい甘さのため、レシピ通り作った場合、人によっては甘さが足りないと感じることも。しっかりと甘さをつけたい人は、あらかじめ分量を少し増やすなど対応が必要です。
- 素材の色合いをいかすお菓子やピクルスなどには不向き。
- ものによって粒子の大きさが異なるため、溶け残りのないようしっかり混ぜる。
私も家庭料理にはてんさい糖を使っています。優しい甘みを活かした優しい味わいの料理に仕上がります。
お菓子やスイーツに使用する場合は、塩ひとつまみを加えてつくると味がしまって美味しく仕上がります。
10.ザラメ
「ザラメ」と言われてイメージするのが「中双糖」と呼ばれるこちらではないかと思います。一般では綿あめをつくるときに使われるほか、カステラの底には欠かせませんよね!
ショ糖分の含有楼が高く、結晶のサイズが大きいこと、カラメル色が特徴です。独特の食感に、上品な甘みとコクを感じる唯一無二の存在。
実はグラニュー糖もこのざらめ糖の一種なのですが、こちらは結晶の大きさがかなり大きく、カラメルの色や風味もついていることからグラニュー糖の代用には向きません。
11.メープルシュガー
砂糖楓(カエデ)の樹液を煮詰めて濃縮させたものがメープルシロップですが、その純粋なメープルシロップを100%原料とし、無添加のまま水分だけを取り除いたものがメープルシュガーです。
精製していないため、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
ナチュラルな植物性の甘味料であることから、メープルシュガー、メープルシロップともにヴィ―ガン料理やギルトフリースイーツにも使用されることの多い甘味料です。
色み、独特の風味があること、なにより貴重な食材のため価格が高価であることからグラニュー糖の代用には不向きですが、その風味を生かしたお菓子などに使用可能です。
グラニュー糖と砂糖の違い
一般的にグラニュー糖は、お菓子づくりや飲み物に、砂糖(上白糖)は和の料理やお菓子に使われるなど、味わいや性質に差がありますが、違いをわかっていれば代用は可能です。その違いを分かりやすくまとめてみましょう。
グラニュー糖 | 砂糖(上白糖) | |
質感 | 軽くてさらさら | 吸湿性がありしっとり |
仕上り | クセのないすっきりした味 | しっとりとしたコク |
成分 | ショ糖99.95% | ショ糖97.8% |
結晶 | 大きい | 小さい |
味 | 純度の高い淡白な甘み | しっかりした強い甘み |
お菓子への用途 | ビスケット・スポンジケーキ | カステラ・和菓子 |
特徴 | 液体に溶けやすい | 焦げやすい・焼き色をつけたい |
計量 | 大さじ1=12g | 大さじ1=9g |
グラニュー糖も砂糖も、主たる成分は同じで「ショ糖」という炭水化物の一種です。
グラニュー糖と代用品の分量とカロリーの違い
グラニュー糖と「砂糖(上白糖)」と「三温糖」の分量とカロリーの比較を見てみましょう。
種類 | グラム数 | カロリー |
グラニュー糖 | 大さじ1で12g | 46kcal |
砂糖(上白糖) | 大さじ1で9g | 35kcal |
三温糖 | 大さじ1で12g | 34kcal |
3つを比較すると、三温糖が一番低カロリーになりますが、微差といってよいでしょう。
まとめ:グラニュー糖は様々なもので代用できる!
いかがでしたか? 砂糖の種類による甘さの特徴や、グラニュー糖の代用品にできるかどうかをご紹介しました。
味わいや特性をおさえておけば、「そんなはずでは…!」といった失敗が防げます。是非たのしく使い分けてみてください。
都内のイタリア料理店数店舗で勤務後、大手レストラン企業本部スタッフ。2016年開業後はガス会社料理教室講師やCSRイベント講師等。現在はレストラン商品開発、レシピ提供、BtoB案件、ご家庭向けの簡単SDGsを伝える活動等を展開。Healthy Beauty Ecology なサステナブル・クッキングを展開。SDGsを取り入れた簡単おうちコンシャスごはん。日本茶アンバサダー。趣味は日本茶ペアリング