エアコンの送風と扇風機はどっちが安い?電気代の目安と使い分け方

エアコンの送風と扇風機は、機種や風量によって安い方が変わるものの、電気代に大きな差は出にくい傾向があります。時間別の料金目安と、風を届けたい場所や室温に合わせた使い分け方を解説します。

エアコン送風と扇風機は電気代に大きな差が出にくい

エアコンの送風は、冷房や暖房のように積極的に室温を調整せず、室内の空気を吸い込んで再び送り出す運転です。

主に室内機のファンを動かすため、一般に冷房や暖房より消費電力は小さい傾向があります。

扇風機も、モーターで羽根を回して風を送る家電です。そのため、エアコン送風と扇風機はどちらも1時間あたりの電気代が安く、比較する機種によってはほとんど差が出ないこともあります。

送風の方が安い機種もあれば、省電力の扇風機の方が安い場合もあるため、一律にどちらが安いとは決められません

1時間・8時間・24時間・1カ月の電気代

ここでは、電力料金の目安単価を1kWhあたり31円とし、エアコン送風を12W、扇風機を20Wと仮定して試算します。

実際の消費電力は、機種や風量、首振りなどの付加機能によって異なります。

  • 1時間:エアコン送風は約0.4円、扇風機は約0.6円
  • 8時間:エアコン送風は約3円、扇風機は約5円
  • 24時間:エアコン送風は約9円、扇風機は約15円
  • 24時間を30日間:エアコン送風は約270円、扇風機は約450円

この試算ではエアコン送風の方が安くなりますが、1時間あたりの差は約0.2円です。毎日長時間使えば差は積み重なるものの、数時間の使用では大きな金額差にはなりにくいでしょう。

一方、製品によっては、DCモーター扇風機を弱い風量で運転した際の消費電力が数W程度になるものもあります。その場合は、扇風機の方がエアコン送風より安くなる可能性があります。

24時間・30日間の料金は、長時間使った場合の比較例です。実際に長時間使用する場合は製品の取扱説明書を確認し、異音や異臭、異常な振動・発熱がある場合は使用を中止してください。

安い方は製品の消費電力で判断する

自宅の機器でどちらが安いか知りたい場合は、カタログや取扱説明書、メーカーの商品ページに記載された消費電力を確認します。

扇風機は、本体や電源コード付近のラベルに記載されている場合もあります。

エアコンは、冷房や暖房の消費電力が記載されていても、送風時の数値が見つからないことがあります。その場合は、メーカーの問い合わせ窓口で確認するとよいでしょう。

使用時間分の電気代は、次の式で計算できます。

消費電力(W)÷1,000×使用時間×電力料金単価

たとえば、消費電力が15Wの製品を1時間使う場合は、「15÷1,000×1時間×31円」で約0.5円です。エアコン送風と扇風機の消費電力を同じ式に当てはめれば、自宅で使っている製品同士を比べられます。

扇風機は、風量を強くしたり、首振りや付加機能を使ったりすると消費電力が増える場合があります。エアコンの送風も機種や風量設定によって変わるため、仕様表に複数の数値があるときは、普段使う設定に近いものを確認しましょう。

電気代が近いときは風の届け方で選ぶ

扇風機で涼む女性

電気代の差が小さくても、風の届け方には違いがあります。

人のいる場所へ風を送りたいときは扇風機、壁の高い位置から部屋の空気を動かしたいときはエアコン送風というように、使う場面に合わせて選びましょう。

人のいる場所へ風を送りたいなら扇風機

扇風機は、涼みたい場所へ本体を移動し、風向きや高さを調節できるのがメリットです。お風呂上がりや料理中、机まわりなど、限られた場所へ風を届けたいときに向いています。

首振り機能を使えば、複数人へ広く風を届けることもできます。エアコンから離れた場所や、風が届きにくい部屋の隅でも使いやすいでしょう。

ただし、扇風機は室内の空気を冷やす家電ではありません。暑い部屋では室温と同じ温度の風が送られるため、長時間同じ場所へ強い風を当て続けず、風量や首振りを調整して使ってください。

部屋の空気を動かしたいならエアコン送風

エアコン送風は、壁の高い位置から風を送り、室内の空気を動かしたいときに使えます。冷房や暖房を使うほどではない日に、室内の空気を循環させたい場合にも便利です。

扇風機代わりに使うこともできますが、エアコンは設置場所を移動できません。自分の近くへ集中的に風を送りたい場合や、風が届きにくい場所では、扇風機の方が使いやすいことがあります。

冷房や除湿を使用した後に送風運転を行うと、エアコン内部を乾燥させ、カビが繁殖しにくい状態を保つ助けになる場合があります。ただし、内部クリーン機能の有無によって適切な運転方法が異なるため、取扱説明書を確認してください。

また、一般的なエアコンの送風は、室内の空気を動かす運転であり、外の空気と入れ替える換気ではありません。部屋の空気を入れ替えたいときは、窓を開ける、換気扇を使うなど別の方法が必要です。

暑さや湿気が強いときは冷房・除湿へ切り替える

エアコンのリモコンを操作する主婦

エアコン送風と扇風機は、風を受けることで涼しく感じやすくなるものの、室温そのものを下げる機能はありません。

送風運転では基本的に除湿もできないため、蒸し暑い日の湿気対策には向いていません。

室温や湿度が高いときに、電気代だけを理由に送風や扇風機で我慢するのは避けましょう。冷房や除湿を使い、必要に応じて扇風機を併用すると、冷たい空気を室内へ広げやすくなります。

送風や扇風機を使っても暑さが和らがない場合は、料金の差よりも室温と体調を優先してください。室温や湿度が高いときは冷房へ切り替えることが大切です。

消費電力と室温を確認して使う場面に合わせる

エアコンと扇風機と観葉植物

エアコン送風と扇風機は、どちらも1時間あたりの電気代が低い製品が多く、機種によってはほとんど差がありません。まずは自宅の製品の消費電力を確認し、同じ電力料金単価で計算してみましょう。

金額差が小さければ、人のいる場所へ風を届けたいときは扇風機、壁の高い位置から部屋の空気を動かしたいときはエアコン送風というように選べます。

一方、送風や扇風機だけでは室温や湿度を下げられません。電気代だけでなく、室温と風を届けたい場所で判断することが、無理なく使い分けるための基準です。

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