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原価率とは?

外食のメニュー表を見て、「これって意外と原価は高くないのかも」と感じたことがある人は多いでしょう。
原価率とは、売り上げに対して食材などの原価がどれくらいの割合を占めるかを示す考え方です。この記事でいう「原価率が低くなりやすい食べ物」とは、メニュー価格に対して材料費の比率が低めになりやすい料理のことを指します。
もちろん、値段は原価だけで決まるわけではありませんが、外食メニューの特徴を見る手がかりにはなります。
原価率が低くなりやすい食べ物の共通点

原価率が低めになりやすい食べ物には、いくつかの共通点があります。
具体例だけを見るより先に、どういう条件がそろうとそうなりやすいのかを押さえておくと、メニュー表を見たときの納得感が変わってきます。
大きなポイントは、保存しやすいこと、使う食材が絞られていること、提供までの流れが比較的シンプルなことです。
保存しやすく、食材ロスが出にくい
原価率が低くなりやすいメニューは、保存のしやすさと相性がよい傾向があります。
長く保管しやすい、冷凍で管理しやすい、必要な分だけ使いやすいといった条件がそろうと、食材を無駄にしにくいからです。店側から見ると、仕入れたものを安定して使い切りやすいほど、コストの見通しも立てやすくなります。
枝豆やフライドポテト、アイスなどが話題に上がりやすいのは、保存性の高さがそのまま扱いやすさにつながりやすいためです。
使う食材が少なく、価格を組みやすい
材料の種類が多すぎないメニューも、原価率が低めになりやすい食べ物として考えやすい存在です。
使う食材が絞られていると、仕入れや在庫管理が比較的シンプルになり、盛り付け量のばらつきも抑えやすくなります。
たとえば冷奴や漬物のような一品は、派手さはなくても構成が分かりやすく、ひと皿として成立しやすい料理です。
つまり、少ない材料で形になること自体が、原材料費を抑えやすい理由のひとつだといえます。
調理の手間が比較的シンプル
提供までの流れが複雑すぎないことも、原価率が低くなりやすい理由として見逃せません。
もちろん、価格には人件費や光熱費も含まれるので、単純に「手間がないから安い」とは言い切れません。
ただ、揚げる、温める、盛り付けるといった工程で出しやすいメニューは、注文が重なっても対応しやすく、仕上がりも安定させやすいのが特徴です。
作りやすさと出しやすさは、店にとって大きな扱いやすさにつながります。
原価率が低くなりやすい食べ物の例

ここからは、外食で見かけやすい具体例を見ていきます。大切なのは、「この料理は必ず原価率が低い」と決めることではありません。
あくまで、前の章で見た共通点に当てはまりやすいメニューとして捉えることです。店の業態や価格帯で差はありますが、身近な例から見たほうがイメージしやすいでしょう。
枝豆・フライドポテトなどの定番サイド
枝豆やフライドポテトは、原価率が低めになりやすいメニューの例として挙げられやすい存在です。
どちらも外食では定番で、追加注文されやすく、保存や提供のしやすさとも相性がよいからです。しかも、主役の料理ではなくても頼みやすく、家族や友人とシェアしやすいのも強みです。
こうしたメニューは、食事の満足度を下げずに一品足しやすいため、注文されやすさと扱いやすさが両立しやすいジャンルだといえます。
冷奴・漬物などのシンプルな一品
冷奴や漬物のような一品メニューも、原価率が低くなりやすい食べ物として考えやすいです。材料が絞られていて、仕上がりの形も分かりやすいため、量のぶれが出にくいからです。
さらに、重たい料理の合間や、お酒の前後に頼みやすいという注文面での強さもあります。
目立つ料理ではなくても、「迷ったときに頼みやすい」立ち位置にあるメニューは、店側にとっても安定した存在になりやすいでしょう。
アイス・かき氷などのデザート
デザート類も、原価率が低めになりやすいジャンルとしてよく話題に上がります。食後に追加されやすく、量や形がある程度決まっていて、提供の流れも複雑になりにくいからです。
とくにアイスやかき氷は、季節や店のスタイルによって注文が伸びやすく、食事の締めとしてもイメージしやすいメニューです。
食後の「もう一品」に選ばれやすいことが、単価以上の頼まれやすさにつながっている面もあります。
たこ焼き・お好み焼きなどの粉物
たこ焼きやお好み焼きのような粉物も、原価率が低めになりやすい食べ物としてよく挙げられます。
生地の比重が大きく、材料全体の組み立てを考えやすいためです。もちろん、具材の豪華さや店ごとのこだわりによって価格は変わりますが、粉物は食べごたえを出しやすいのが特徴です。
つまり、満足感がありながら、材料の組み方を調整しやすいことが、このジャンルの強みだといえるでしょう。
原価率だけで外食の価格は決まらない

ここまで読むと、原価率が低い食べ物は「わりと利益が出やすいメニューなのかも」と感じるかもしれません。ただ、外食の値段を考えるときは、それだけで見てしまうと少し足りません。
この章では、原価率の話を面白い雑学で終わらせず、メニューの価格をどう受け止めればよいかを整理します。
値段には食材以外のコストも含まれている
食材原価を抑えやすいメニューでも、店で提供される以上、そこには人手や設備、家賃、片付けの手間がかかります。
注文を受けて、食べやすい状態で出し、食器を下げて、店内を快適に保つところまで含めて外食のサービスです。
だからこそ、「材料費が安そうだから高い」とひと息で判断するより、店で食べるためのコストも含まれていると考えたほうが実態に近いでしょう。
原価率は、値段を見るためのひとつの切り口にすぎません。
同じメニューでも一律には比べられない
原価率の話では、「枝豆は何%」「ポテトは何%」のような数字が印象に残りがちです。ただ、実際には仕入れ先、立地、量、店の業態によって条件がかなり違います。
居酒屋の一皿と観光地のテイクアウト商品を、そのまま同じ感覚で比べるのは難しいでしょう。だからこそ、数字や順位だけを見るよりも、保存しやすいか、材料が少ないか、作りやすいかといった共通点で捉えるほうが、メニューの特徴を理解しやすくなります。
まとめ

外食で原価率が低くなりやすいのは、保存しやすく、使う食材が絞られていて、調理や提供の流れが比較的シンプルな食べ物です。
枝豆やフライドポテト、冷奴、デザート、粉物がよく挙げられるのは、こうした条件に当てはまりやすいからです。
つまり、原価率の低さは、メニューの扱いやすさと結びついていると考えると分かりやすいでしょう。
ただし、外食の価格は材料費だけで決まるものではありません。店で食べる以上、そこには手間や空間、サービスの価値も含まれています。
メニュー表を見たときは、「これは原価率が低そうだ」で終わるのではなく、なぜそうなりやすいのか、さらに値段には何が含まれているのかまで一緒に考えると、外食の見え方が少し変わってくるはずです。









