揚げ物をする油の適正温度は?簡単な確認方法と料理別の温度

お店で食べるのもいいけれど、やっぱり家でも作りたい「揚げ物」料理。慣れてくるとどんどんバリエーションが増えて、楽しくなっちゃうんですよね。ですが揚げ物は、初心者にはなかなか難しくてハードルが高いイメージもあります。実際、高熱の「油」を扱うわけですから、自分一人では怖くて出来ないと思っている方もいることでしょう。そこで今回の記事では、揚げ物をするときの適正温度について取り上げていきたいと思います。正しい知識を身につけて、ぜひ揚げ物に挑戦してもらえれば幸いです。

揚げ物油の適正温度の目安

菜箸つっこむ

140℃:油通し

この温度は、中華料理のときに目安となる油の温度です。といってもこの「140℃」は、実際の料理を調理するための温度ではありません。これは、食材を炒める際に軽く油をくぐらせる工程、いわゆる「油通し」に用いる油の温度です。

150℃~160℃:イモ類、カボチャなど

ここからいよいよ食材を揚げる油の温度になっていきます。中火状態を維持して3分ほどでこの温度に達します。この「150℃~160℃」の温度は、じっくり食材を揚げる場合に使われます。

たとえば、厚切りの野菜や分厚い根菜などを挙げるときは、この油温度が目安となります。この温度で挙げるのに適している他の食材は、餅、イモ類、カボチャなどが代表格として考えられます。

170℃~180℃:コロッケ、天ぷら、かき揚げなど

もっともポピュラーな揚げ物の油温度です。中火状態を維持したまま、油がプクプクと泡立ち出したらこの温度に達します。「170℃~180℃」は、トンカツ、コロッケ、天ぷら、かき揚げなど、たいていの人が揚げ物をするときに作るメイン料理に適した温度なのです。

おそらくこの記事を読んでいる人の大半が、これらの揚げ物料理を自宅で挑戦したいと思っているのではないでしょうか。この「170℃~180℃」は、一般的に「中温」とも呼ばれています。

190℃~200℃:魚介類、豆腐など

これがいわゆる「高温」と呼ばれる油温度です。水気を多く含む食材(例えば魚介類や豆腐など)や、サッと油に入れただけですぐ中まで火の通る食材を揚げるときの適正温度が「190℃~200℃」となります。

中火状態を維持したまま、油がプクプクと泡立ち始めてから3分ほど待つとこの温度に達します。「190℃~200℃」は、より美味しく揚げ物をするときのテクニックにも使うことがあります。

「中温」で仕上げた揚げ物を、あえてもう一度「高温」の油にサッと通すことで、衣のサクサク感が増すのです。お店のトンカツやコロッケがあんなにサクサクなのは、実は二度揚げをしているからなのです。

この記事を読んで「サクサク衣テクニック」を知ったあなたも、きっと挑戦してみたくなるはずです。自宅にいながらお店で食べるような美味しい衣の揚げ物を楽しみたいなら、「190℃~200℃」は避けて通れません。

揚げ物油の温度を確認する方法

ジュワジュワ揚げ物

140℃を見た目で判断する場合

  • 箸を油に入れると細かい泡(箸先についている空気)が静かにゆっくりと上がってきます。
  • 衣を油に落とすと、なべ底に沈んだあと、ゆっくりと浮上してきます。
  • パン粉を油に落とすと、ゆっくりとジワリジワリ拡散していきます。

150℃~160℃を見た目で判断する場合

  • 箸を油に入れると箸のいたるところから細かい泡(箸に付着した空気)がたくさん上がってきます。
  • 衣を油に落とすと、いったんなべ底に沈んだあと、数秒かけながらゆっくりと浮上してきます。
  • パン粉を油に落とすと、四方八方全体へと広がっていきます。

170℃~180℃を見た目で判断する場合

  • 箸を油に入れると、箸全体から泡(箸に付着した空気)が次々に沸き上がります。耳を澄ますと、“プツプツプツ……”と音が聞こえることもあります。いかにも熱そうな感じがします。
  • 衣を油に落とすと、なべの中底あたりまでいったん沈み、数秒かけてゆっくり浮かび上がってきます。
  • なべ底まで衣が沈まなくなったかどうかは、油温度が「中温」に達したかどうかを判断する重要な現象ですので、よく覚えておいたほうがいいでしょう。
  • パン粉を油に落とすと、たくさん泡を出しながら全体に拡散していきます。

190℃~200℃を見た目で判断する場合

  • 箸を油に入れると、箸から“大きな泡”が次から次へと浮かんできます。この“大きな泡”というのが「高温」状態を特徴付けるわかりやすい判断方法です。
  • 衣を油に落とすと、すぐに浮き上がってきます。また、落とした衣があっという間にキツネ色に変わります。
  • パン粉を油に落とすと、勢いよく四方八方に拡散します。

油の温度が上がらない・上がりすぎた時の調整は?

IHクッキングヒーター

油の温度をうまく保つのは、実はけっこう難しかったりします。なにしろ、火をかければかけるだけどんどん温度は上がっていきますからね。かといって、火を消すわけにもいきません。

うまいこと火を消したり点けたりを繰り返すしかありませんが、手動で火加減を調整するのは困難なことです。プロの調理師でも「難しい」と言うでしょう。

しかし今日では、油の温度を一定に保つシステムが搭載されたコンロやIHクッキングヒーターがあります。もしご自宅のコンロやIHが、温度自動調整機能があるなら、迷わずそれを頼りましょう。もしもその機能がないならば、手動で調整するしかありません。

揚げ物油の温度計もある!

油温度計

温度調整機能があろうとなかろうと、どちらにせよ瞬時に油の温度を把握することは大切な作業です。そこで以下に、揚げ物をするときに便利な「油の温度計」を紹介したいと思います。

ThermoPro デジタルキッチン 料理用温度計

ThermoPro 料理用温度計出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07TH8V18S/

安価で入手できるデジタル温度計です。デジタル式なので、瞬時に温度を把握できるので合理的。揚げ物以外にも幅広く使えるので重宝します。


タニタ 温度計 揚げ物

タニタ 温度計 揚げ物出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B00029MMZA/

定番のタニタから販売されている油温度計です。昔ながらの古典的な針式温度計ですが、現在でもお店でよく使われているベストセラー。信頼性抜群です。


クッキング温度計防水 ThermoPro 温度計料理用

クッキング温度計防水 ThermoPro 温度計料理用出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07N496FF8/

多少予算があるなら、この一品をオススメします。揚げ物以外にも用途が多彩で、精度も高いと評判です。

食材別の油の適正温度と揚げる時間

ナスの天ぷら

トンカツ

170℃がちょうどよく揚げられる温度です。静かにお肉を一枚ずつ油に投入しましょう。2分ほど入れたままにして、お肉のなべ底側(下側)がこんがりキツネ色になったら菜箸で裏返します。

全体がキツネ色になったら、そこからさらに揚げ続けます。正味3分~4分ほどです。衣がカリカリしたら油からトンカツを引き上げましょう。

魚(フライ)

180℃~190℃くらいがちょうどよい魚フライの油温度です。あらかじめ魚の水気をとっておくと、揚げる時間を短縮できます。揚げているときに魚の水分が抜けて“軽く”なったらすぐに油から引きあげて完成です。

野菜

薄切りの野菜なら120℃前後で構いません。その場合は、油投入後に高音でシュワシュワと音を出したら完成です。また、先ほども言ったように、厚切りの野菜などは150℃くらいが適正温度です。カボチャなら2分程度、サツマイモなら3分程度、なすび(四つ切)なら1分半程度です。

油の温度ひとつで揚げ物は旨味が変わる

エビフライ

さて、いかがでしょうか。揚げ物はとても奥が深くて、初めのうちはおっかなびっくりで楽しんでいる余裕はないかもしれませんが、慣れていくとその楽しさがわかってくるはずです。

もちろん、高温の油を扱う料理ですから、防火対策はキッチリしておきましょう。また、一人で揚げ物をするのが不安なら、旦那さんなどがいる時間帯にトライしてみるといいですね。

トンカツ