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燃えるゴミの「うっかり混入」に潜むリスク

ゴミの分別は「わかっているつもり」で間違えることが多いものです。しかし、あなたが何気なく燃えるゴミに出したその一つが、予想外の危険を引き起こすかもしれません。
たとえば、電池やモバイルバッテリーが収集車の中で強力に圧縮されると、金属がひしゃげて火花が飛び、周囲のゴミに引火して瞬く間に大火災を引き起こします。
「スーパーの袋にとりあえず詰め込んで捨てたけど、本当に大丈夫だったかな?」そんな不安を一度でも感じたことがあるなら、今がルールを見直す絶好の機会です。
こうした事故は全国で頻発しており、復旧には多大な時間と、私たちの税金からなる公費が投じられています。
この記事では、あなたの身近にある「燃えるゴミに入れてはいけないもの」の本質に迫ります。
燃えるゴミに入れてはいけないもの7選

ここからは、絶対に燃えるゴミに出してはいけない具体例を見ていきます。これらは「知らずに捨てていた」では済まされない、重大な事故に直結するものばかりです。
H3. ① モバイルバッテリー
スマホの予備電源や加熱式タバコ、ハンディファンなどに内蔵されているリチウムイオン電池は、今や収集現場で最も恐れられている存在です。
これらは「燃える素材の外装」に包まれていますが、内部には高エネルギーの液体が詰まっています。収集車のプレス機で押し潰されると、激しい火柱とともに爆発し、消火困難な火災を招きます。
- 家電量販店などのリサイクル協力店へ持ち込む
- 決して解体したり、中の電池を取り出そうとしない
- 自治体の「小型家電」や「有害ゴミ」のルールに従う
② スプレー缶
ヘアスプレーやカセットボンベを「使い切ったから」と燃えるゴミの袋に入れてはいませんか。実は、中身を出し切ったつもりでも内部には微量のガスが残っています。
収集車の荷台で袋が破裂し、そこに電気的な火花が散れば、一瞬にして爆発事故が発生します。以前は穴開けを推奨されていましたが、現在は引火の危険から「穴は開けない」のが主流です。
- 火気のない風通しの良い屋外でガスを完全に出し切る
- 振って音がしないことを確認する
- 自治体指定の「資源」や「有害」の日に単品で出す
③ ライター
使い捨てライターは、たとえガスが空に見えても燃えるゴミに混ぜるのは厳禁です。ゴミ同士が擦れ合う摩擦や、収集車の回転板に挟まる衝撃だけで簡単に発火してしまいます。
特に、引っ越しや大掃除の際に出る「古いライター」のまとめ捨ては、収集車を走る火の玉に変えてしまうほどの破壊力を持っています。
- 操作レバーを押し下げてガスを完全に抜く
- 一度に大量に捨てず、少量ずつ不燃ゴミとして出す
- 水に浸してから捨てるなど各地域の指定を守る
④ ホース・紐などの長いもの
ゴムホースや延長コード、長いロープなどは、素材が燃えるものであってもそのまま出してはいけません。
これらは処理施設の巨大なクレーンや破砕機に絡みつき、システム全体を停止させる「巻き付き事故」を引き起こします。
たった一本のホースを解くために、焼却炉を数日間止めることになれば、その損害額は計り知れません。
- 30cm未満の長さに切り刻む
- 切断できない太いものは粗大ゴミとして扱う
- 長い髪の毛状のゴミも同様に短くして出す
⑤ 割れたガラス・刃物
割れたコップや包丁を、他のゴミに紛れ込ませてはいませんか。作業員は厚手の軍手をしていても、袋から突き出た刃先を避けることはできません。
怪我をさせるだけでなく、分別の段階で機械の故障を招く原因にもなります。「燃えない」以前に、「人を傷つける」という視点での配慮が求められるアイテムです。
- 厚紙や新聞紙で厳重に包む
- 袋の表面に「キケン」「ガラス注意」とはっきり書く
- 不燃ゴミの日に他のゴミと混ぜずに出す
⑥ 容器包装以外のプラスチック
プラマークのついた「袋」や「トレイ」は資源ですが、プラスチック製の「ハンガー」や「バケツ」などは、多くの自治体で別の扱いとなります。
素材が同じだからといって何でも混ぜてしまうと、リサイクル工場の選別機を詰まらせたり、処理コストを増大させたりします。
素材ではなく「何に使われていたか」という用途で見極めるのが正解です。
- プラマークの有無を最優先で確認する
- 汚れの落ちないプラは無理に資源へ回さず燃えるゴミへ
- 自治体の「製品プラ一括回収」が始まっていないかチェックする
⑦ 注射針などの医療廃棄物
在宅医療で使った注射針などは、絶対に通常のゴミ回収ルートに乗せてはいけません。
たとえ針にキャップをしていても、作業員が針刺し事故を起こせば、肝炎などの深刻な感染症を招く恐れがあります。
これは単なるマナーではなく、社会全体の衛生と安全に関わる重大なルールです。
- 処方された病院や薬局の窓口へ直接返却する
- 地域の専用回収サービスがある場合は必ずそれを利用する
- 針を通さない丈夫な容器に密閉して保管する
迷った時に役立つ!正しい分別を判断するコツ

ゴミの分別で迷ったとき、パンフレットを読み直すのは大変ですよね。そんなときに役立つ、現場の視点に基づいた「判断のコツ」を伝授します。
焼却炉の入り口「30cm」を意識する
素材が木やプラスチックなどの燃えるものであっても、大きさが「一辺30cm」を超える場合は注意が必要です。
これは多くの焼却炉の投入口をスムーズに通れる目安のサイズ。これを超えるものを無理に袋に入れると、機械に詰まって施設を停止させる原因となります。
大きなものは、素材を問わず「粗大ゴミ」への分類を検討しましょう。
「中身が何か」より「誰が困るか」を考える
もし判断に迷ったら、「これをこのまま燃やして、作業員や設備が困らないか」を一度想像してみてください。
金属の光沢はないか、電池が入っていないか。この「最後の一瞥」だけで、火災事故のほとんどは防げます。
最新のルールは自治体の公式LINEや検索サイトで「品目名」を入れるだけで、秒速で答えに辿り着けます。
正しい分別が、巡り巡って自分たちの暮らしを楽にする

ゴミの分別を「やらされている面倒な作業」だと感じている方も多いかもしれません。しかし、正しい分別によって事故を防ぐことは、実は私たちの家計を守ることにもつながっています。
もしゴミ収集車の火災や施設の故障が起きれば、その膨大な修理費用を負担するのは、他ならぬ私たち住民です。
「これ、どう捨てるのが正解かな?」と一瞬立ち止まるその手間は、無駄な出費を抑え、街の安全を守るための最も身近な防衛策といえます。
今日からゴミ袋を縛る前の「最後の一秒」だけ、中身を見直す時間を作ってみませんか。その小さな習慣が、自分たちの街をより安全で、暮らしやすい場所にしていくはずです。









