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おみくじの「引き直し」はルール違反?

おみくじを引いて「凶」や「大凶」など良くない結果が出てしまったら、引き直したい!と思ってしまいますよね。
でも、ちょっと待ってください。結果に納得がいかないからと、すぐに引き直してもいいのでしょうか。
「1回きり」が基本でも、再挑戦はタブーではない
おみくじは、あなたに対する神さまからのメッセージですから、本来は吉凶のみで判断するものではありません。そのため、基本的には何度も引き直すものではないとされています。
しかし、おみくじは神さまとの「対話」でもあります。一度目の内容を真摯に受け止めた上で、どうしても心に引っかかりがあるなら、教えを乞い直すことは不作法にはあたりません。
大切なのは、満足できる結果が出るまで何度も引くことではなく、自分を律するためのアドバイスとしてありがたく受け入れる心構えです。
同じ神社で2回目を引く際に意識すべきこと
同じ神社で改めてアドバイスをいただきたいのであれば、ある程度時間を空けるのが望ましいでしょう。
期間を空けることで、自分自身の状況や心境にも変化が生まれ、神さまからの言葉もより深く心に響くようになるはずです。
焦って引き直すよりも、まずは一度目の内容をこれからの人生を前向きに頑張るための糧にしてみる。その上で、新たな一歩を踏み出すタイミングで再挑戦するのが、おみくじの本来のあり方といえます。
別の神社での「ハシゴおみくじ」が問題ない理由
おみくじを同じ神社で引き直すのは慎重になるべきですが、別の神社へ出向いて二回目以降を引くのは問題ありません。
人によっては、数か所の神社を参拝するのが恒例となっているケースもあるでしょう。おみくじには「恋愛」「学業」「仕事」など様々な種類がありますが、目的や種類が違うのなら引いても大丈夫です。
それぞれの神さまが、今のあなたに必要な異なる視点のアドバイスを授けてくださっていると考え、一つひとつの言葉を大切に扱いましょう。
おみくじを引き直すと運勢は「上書き」される?

新しいおみくじを引いたとき、せっかく手にした「大吉」や良い運気が逃げてしまったり、前の結果が消えてしまったりするのではないかと不安になる人もいるでしょう。
「上書き」ではなく「最新のアドバイスへの更新」
おみくじを引き直したからといって、前の運勢が消えて無くなるわけではありません。
おみくじの結果は「上書き保存」されるものではなく、その時々のあなたに最適な「最新の指針」として更新されるものだと考えましょう。過去のアドバイスを大切にしながら、新しい言葉を今の生活にどう活かしていくかが重要です。
複数の結果がある場合は、それらを総合的なアドバイスとして受け止めることで、より多角的に自分の暮らしを見つめ直すきっかけになります。
複数のおみくじを持ち歩いても「神様は喧嘩しない」
おみくじを複数持っていると「神様同士が仲たがいする」「罰が当たる」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、日本の神さまがそれで怒るようなことはありません。
このような話が出てきたのは、複数持つことで一つひとつの扱いが雑になり、正反対の結果に振り回されて心がブレてしまうのを戒めるためでしょう。
- 複数所持による神罰は存在しない
- 神さま同士の仲たがいは俗説
- 一つひとつの教えを丁寧に扱う姿勢が肝要
おみくじを引き直す「理想的なタイミング」

おみくじを引く頻度やタイミングに厳密な決まりはありませんが、運勢をより良く活用するための目安を知っておくのは良いことです。
運勢の有効期限は「次に引くまで」が一般的
おみくじに書かれた運勢は、一般的に「次に引くまで」がその効力の目安とされています。初詣で引いたからといって、必ずしも一年間その結果に縛られる必要はありません。
自分の中で「状況が変わった」「新しい挑戦を始めたい」と感じたときが、次のおみくじを引く絶好のタイミングです。
古いおみくじへの感謝を込めて返納し、今の自分にふさわしい新しいメッセージをいただきましょう。
季節の節目や「心境の変化」があった時に
期間にこだわりすぎる必要はありませんが、生活の節目で引くのが効果的です。
- 立春や誕生日などの暦の節目
- 進学や転職といった環境の変化
- 掲げていた目標の達成時
- 大きな悩みに直面した際
このように、自分自身の「心構え」が整ったときに引くおみくじは、より具体的なヒントを与えてくれるはずです。
おみくじで「凶」が出たら?運気を下げないための行動

おみくじで「凶」や「大凶」が出ると、どうしてもがっかりしてしまいますよね。ですが、凶は決して不吉なだけのものではありません。
「凶」は「これ以上悪くならない」最強の警告
おみくじの吉凶は、あくまで現状の運気を示すバロメーターに過ぎません。特に「凶」は「今は注意が必要な時期」という神さまからの優しいアドバイスです。
おみくじで指摘されたことを心に留めておきながら暮らせば、悪い結果を未然に回避することができます。逆に「大吉」が出たとしても、内容を読まずに油断して過ごしていれば、せっかくの運気を逃してしまうかもしれません。
吉凶の結果に一喜一憂せず、書かれている内容に注目することが重要なのです。
「結ぶ」か「持ち帰る」か?迷った時の判断基準
引いた後のおみくじをどうするかは、基本的には自由です。
今後の指針として時々読み返し、自分を正すために持ち歩くのが良いとされていますが、神社にある枝や結び所に結んでも構いません。
「結ぶ」という行いには「神さまと縁を結ぶ」という意味や、悪い運勢を境内に留めてもらうという意味があります。
悪い結果を持ち帰るのが不安な方や、願掛けをしたいときは結んでおくと良いでしょう。ただし、樹木の生育を妨げないよう、必ず指定の結び所を利用するようにしてください。
おみくじの効果を最大化する「参拝の作法」

おみくじを引くときにもマナーがあります。これはおみくじを引くときだけに限らず、神社や仏閣に参拝する際の礼儀としての作法です。
おみくじは「参拝の後」が絶対ルールの理由
おみくじを引くのは、必ず参拝を済ませた後です。鳥居をくぐってそのままおみくじに直行するのではなく、まずは神さまに日頃の感謝や、自分の目標をきちんとお伝えしましょう。
神さまに敬いの気持ちをもって礼を尽くすことで、初めておみくじを通じて自分にリンクしたメッセージをいただくことができます。
正しい作法を知らずに間違えて参拝したとしても、敬う気持ちがあれば問題ありませんが、事前にマナーを把握しておくことは礼を尽くす意味でも良いことです。
吉凶の順序より「本文」に書かれた言葉を読み解く
おみくじを開封するときに何より気になるのが吉凶ですが、実はそれほど重要ではありません。おみくじの真髄は、その下に書かれた言葉の中にあります。
- 和歌や漢詩に込められた真意の読解
- 各項目に記された具体的助言の参照
- 耳の痛い言葉を成長の糧とする姿勢
おみくじの種類は神社によって異なり、吉凶がない明治神宮の「大御心」や、17種類もの区分がある伏見稲荷大社など様々です。
どの形であっても、中に書かれた言葉を今後のヒントとして理解するよう努めることが、運気を切り拓く鍵となります。
おみくじは神様からの「アドバイス」として楽しもう

初詣などで寺社仏閣に出かけるたびに何げなく引いているおみくじ。
引き直しは基本的には好ましくないとされていますが、何より大切なのは形にこだわりすぎることではなく、神さまを敬う心構えと礼儀です。
おみくじはあなたの運勢を一方的に決定づけるものではなく、これからの人生をより良く過ごすための「ヒント集」のようなものです。
期待していた結果が出なかったからと、がっかりして諦める必要はありません。おみくじは神さまからの慈愛に満ちたアドバイスです。書いてある内容をしっかりと受け入れ、これからの暮らしに活かしていけば、おのずと道は開かれ、神さまからのご加護をいただけるはずです。
次に参拝される際は、ぜひ神さまとの対話を楽しむような清々しい気持ちで、おみくじを手に取ってみてくださいね。









