フロントガラスが凍った時に絶対やってはいけない行動6選!熱湯・ワイパーが危ない理由

冬の朝、フロントガラスが凍ると焦ってしまいがちです。しかし、熱湯をかける・凍ったままワイパーを動かすなどの対処は、ガラスの破損や視界不良につながることがあります。この記事では凍結時に避けたいNG行為6つを理由とともに紹介します。

フロントガラスはなぜ凍る?

凍った車 フロントガラス

フロントガラスの凍結は、夜間の放射冷却で起こりやすくなります。

日が沈むと地面や車体の熱が空へ逃げ、ガラス表面の温度が下がります。そこに空気中の水蒸気が触れると霜として付着し、そのまま凍りつきます。

「気温が0℃以下かどうか」だけで決まるわけではなく、晴れて風が弱い朝などは、体感よりガラスが冷えて白くなることもあります。

フロントガラスが凍結したら絶対やってはいけないNG行為

フロントガラス お湯

凍った朝は、早く溶かそうとして手近な方法を選びがちです。ただ、凍結した状態では「早そうに見える対処」が、ガラスの破損や部品の傷みにつながることがあります。

まずは避けたい行動を押さえておくと、余計なトラブルを減らせます。

1. 熱湯をかける

凍ったガラスに熱湯をかけると、冷え切った面に高温が当たり、部分的に急膨張が起きます。

温度差による力がガラス内部にかかり、飛び石などの小さな傷があると、そこを起点にひび割れが広がることがあります。

さらに、溶けた水分は外気ですぐ冷えて再凍結しやすく、厚い氷膜が残る原因にもなります。

2. 凍ったままワイパーを動かす

凍結した状態でワイパーを動かすと、ゴムが氷に引っ張られて欠けたり裂けたりしやすくなります。ゴムが傷むと、雨の日に拭き残しが増えて視界が悪くなります。

また、氷が抵抗になって動きが重くなるため、モーターに余計な負担がかかり、故障のきっかけにもなります。

3. 凍結面にウォッシャー液を噴射する

ガラスが冷え切っていると、ウォッシャー液が広がった瞬間に凍ってしまうことがあります。とくに冬用でない液や濃度が薄い場合は、白い膜が増えて視界が悪化しやすくなります。

凍った液がワイパー周辺に回ると、ワイパーの動きも重くなり、部品への負担も増えます。

4. 氷を叩いて割る

氷だけを叩けば取れるように見えますが、衝撃はガラス側にも伝わります。フロントガラスは一見頑丈でも、点で強い力が入るとダメージになりやすい部分です。

叩いた直後に派手に割れなくても安心はできません。小さなヒビや傷が入ると、冷え込みや走行時の振動でヒビが目立つ形に広がることがあります。

急いでいる朝ほど、叩くほど力が入りやすいので注意が必要です。

5. 硬い物でガリガリ削る

カード類や金属のヘラ、硬いブラシなどで削ると、ガラス表面に細かな傷が残りやすくなります。傷が増えると、夜間にライトが乱反射して見えづらくなるなど、視界の質が落ちていきます。

さらに厄介なのが、氷の中に混ざった砂やほこりです。これが動くと研磨剤のように働き、一度の作業で傷が増えることもあります。硬い物でこする対処は避けたいところです。

6. 視界が残ったまま発進する

急いでいると「走っているうちに溶けるだろう」と考えがちですが、視界が欠けた状態での運転は危険です。歩行者や自転車、右左折時の確認が遅れやすく、ヒヤッとする場面につながります。

また、溶けかけた水分が走行風で冷えて再凍結し、思ったより見えにくい状態が続くこともあります。運転席から必要な範囲がしっかり見える状態を作ってから動かすのが基本です。

凍ったらどうする?迷わないための対処法

フロントガラス スプレー

凍結した朝は、力で何とかしようとすると遠回りになりがちです。ガラスや部品を傷めないためにも、「温めてゆるめる」「ゆるんだものを落とす」という流れで動くほうが失敗しにくくなります。

手元の道具や時間に合わせて、できるところから進めるのがコツです。

デフロスターで内側から温める

デフロスターはフロントガラスに温風を当て、内側からじわっと温められます。急激な温度差を作りにくいので、ガラスへの負担が小さめです。時間に余裕がある朝は、この方法が安心です。

解氷スプレーで外側をゆるめる

急いでいる朝は、解氷スプレーが助けになります。凍結面にかけると氷がゆるみ、落としやすい状態になります。

ワイパー付け根まわりは氷が厚くなりやすいので、狙ってかけると効率が上がります。ボディ側に付いた場合は、跡にならないよう軽く拭き取っておくと安心です。

専用スクレーパーで押し出す

霜が薄いときや、スプレーでゆるんだ氷の仕上げには、車用のスクレーパーが向いています。削るというより、一定方向に押し出す感覚のほうが安全です。

金属や硬い道具で代用すると傷の原因になりやすいので、専用品を使う前提で考えます。

外側の氷が取れても、内側が曇って見えにくいことがあります。その場合は温風だけで粘らず、A/Cを併用して車内の湿気を減らすと、視界が戻りやすくなります。

前夜にできる凍結防止の工夫

凍結した朝の対処を楽にするには、前日のひと手間が効きます。大げさな準備より、「凍らせない」「張り付かせない」を意識するだけでも朝の作業量は変わります。

続けやすい方法を選ぶと、冬の間も無理なく回せます。

フロントガラスを覆っておく

凍結防止シートやサンシェードでガラスを覆うと、霜や氷が直接付きにくくなります。

専用品がなければアルミ系サンシェードや大きめのタオルでも代用できますが、風で飛ばないよう固定することが前提です。翌朝は外すだけで視界が確保しやすくなります。

ワイパーを立てておく

ガラスの凍結自体を止める方法ではありませんが、ワイパーゴムの張り付きを避けやすくなります。朝、凍ったワイパーを無理に動かすと傷みやすいので、前夜にできる予防としては手軽です。

撥水は「落としやすさ」を意識する

撥水コーティングは凍結を完全に防ぐものではありません。ただ、凍っても氷の密着が弱くなり、落とす作業が軽くなることがあります。

朝の作業を短くしたい人にとっては、地味ですが効く下準備です。

まとめ

フロントガラスの凍結で本当に差が出るのは、氷そのものより「最初の対処」です。

熱湯、凍結中のワイパー、凍結面へのウォッシャー噴射、叩く・硬い物で削る、視界が残ったままの発進。これらはガラス破損や視界悪化につながりやすく、急いでいる朝ほど起こりがちです。

凍ったら温めてゆるめ、落とす。前夜に覆う・ワイパーを立てるなどの小さな準備まで含めて考えると、冬の朝は「焦る時間」から「段取りの時間」に変えられます。

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