『親の遺書』を発見した時は…絶対にやってはいけない『5つのNG行為』とは?

親の遺書を発見したとき、どのように扱えばいのかわからないと悩む人は少なくありません。本記事では、『親の遺書』発見時に絶対やってはいけないNG行為や、発見時の正しい行動をまとめました。誤った行動は罰則対象になるので気をつけましょう。

遺書には大きく分けて2種類ある

親の死後、家から遺書が見つかったという話は一般家庭でも珍しくありません。「うちは資産家でもないから関係ないだろう」と思っていると、いざ発見した時に慌ててしまうものです。

一般的に、遺書は大きく分けて下記の2種類があります。

  • 自筆証書遺言:故人が自筆で遺書を残し、自宅に封筒などで保管している場合
  • 公正証書遺言:公証役場で公証人が作成する遺書。原本が公証役場に保管されている

自宅で発見される遺書は、以上の2種類が多く、公正証書の場合は原本が公証役場にあるため、必要な手続きが省略されますが、自筆証書の場合は複雑な手続きが必要になるため、取り扱いには十分注意しなければなりません。

『親の遺書』発見時に絶対やってはいけない5つのNG行為

親の死後、自宅などから遺書が発見された場合、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。ここでは、親の遺書を発見したときに絶対やってはいけない行為を紹介します。

1.封筒を勝手に開封する

親の死後、遺品整理をしているときに遺書が発見されるケースが非常に多くあります。何の気なしに見つかった封筒を開けてみたら、それが遺書だった……というケースも多く、この場合、勝手に遺書を開封してしまったとして法律違反となるので注意してください。

遺書を勝手に開封した場合、民法第1005条に基づき、5万円以下の過料に処される可能性があります。「もしかしたら遺書かも……」という封筒は、勝手に開封せず保管しておきましょう。

2.遺書の中身に沿って勝手に手続きを進める

遺書を勝手に開封した時点で罰則を受ける行為に該当しますが、さらに遺書の中身を読み、勝手にその内容に沿って相続手続きを進めてしまう行為も法律違反です。

また、勝手に手続きを進めてしまったことで、相続権のある親族間でトラブルになるケースも度々発生しています。「本当は違う内容が書かれていたのでは……」と疑念を抱かれかねないので、勝手に手続きを進めることはしないでください。

3.遺書を捨ててしまう

遺書を捨ててしまうと、当然ながらその遺書の内容は誰にも知られずに隠されてしまうため、無効になってしまいます。よく遺品整理時に「ただの封筒だ」と処分してしまう人もいるので気をつけてください。

また、後から故人が遺書を残していたことが知られると、親族間でトラブルになるだけでなく、遺書を勝手に破棄したとして罰金刑に該当します。

4.遺書を隠して無かったことにする

遺書を捨てるのではなく、遺書を隠して無かったことにしようとする人も時々います。しかし、遺書を隠したことが周囲にバレてしまった場合、こちらも法律違反になりますし、親族からの信用を失う事態に発展するでしょう。

遺書を発見したら、たとえ自分に不利な内容だと推測されたとしても、必ず親族に伝えて家庭裁判所や公証役場に持ち込んでください。

5.遺書の内容を書き換える

遺書は故人の遺した最後のメッセージです。その遺書を相続に関連する内容だからと自分に有利になるような内容へと書き換える行為は、言語道断です。

遺書の内容を改竄(かいざん)する行為は、民法891条で厳しく禁じられています。もしも書き換えた場合、遺書で相続人に指定されていたとしても、相続資格を失うことになるので注意してください。

親の遺書を発見したら…とるべき正しい行動は?

親の遺書を発見したら、まず以下の行動をとりましょう。

  1. 封筒に記された文言の確認(自筆の「遺書」や公的な「公証役場」の文字)
  2. 相続権のある親族に連絡を取る
  3. 自筆遺書を家庭裁判所に提出して「検認」の申し立てを行う
  4. 公正証書の場合は公証役場へ行き、「正本」または「謄本」の交付を受ける

当然、封筒は開封せず、そのままの状態で家庭裁判所に提出してください。公正証書の場合は、開封しても問題はありませんが、公証役場で「正本」または「謄本」の交付を受けてから、遺書の内容に沿って手続きを進めましょう。

親の遺書を発見したら手を加えずに家庭裁判所や公証役場へ

親の遺書を発見した際、「まさか自分の親が……」と驚く人も少なくありません。しかし、慌てて誤った行動をとると、罰金を課されたり、相続権を剥奪されたりする恐れもあります。遺書を発見したら、手を加えずに家庭裁判所や公証役場へ提出してください。

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