『地元愛が強い』都道府県ランキングTOP10 地元民に愛されている理由とは?

地域への愛着は、その土地で積み重ねてきた経験や家族とのつながりから育まれます。では、全国の中で特に地元愛が強い都道府県はどこなのでしょうか。複数の調査結果を参考に、地元民が自分の地域を誇りに感じる都道府県をランキング形式で紹介します。暮らしの中で愛されている理由にも触れています。

地元愛ってどんな気持ち?

疑問を持つ女性

地元愛とは、自分が暮らす場所を自然と大切に思う気持ちです。

小さい頃から通った通学路や、買い物のたびに顔を合わせるお店の人、家族や友人と過ごした場所など、日常のあちこちに思い出が積み重なっています。

調査では、地元を好きと答える理由として「育った地だから」「住み慣れているから」「家族や親戚が近くにいるから」が上位に挙げられており、こうした素朴な背景が人々の気持ちを支えていることがわかります。

特定の地域では、こうした「当たり前の心地よさ」が強く働き、結果として地元を好きと答える人の割合が非常に高くなることがあります。

地元愛が強い都道府県ランキングTOP10

複数の調査結果の中でも、とくに地元民の「好き・まあ好き」という回答割合をまとめたデータを軸に、地元愛が強い都道府県を10位まで紹介します。

ここでは便宜上、同じ割合の都道府県も含めて1位から10位まで順位をつけていますが、上位の都道府県はどこも9割以上の人が「地元が好き」と答えている地域です。

それぞれの都道府県が、暮らす人にとってどんな魅力を持っているのかも合わせて見ていきましょう。

1位:兵庫県

兵庫県は、地元を好きと答えた人が94.4%という全国トップクラスの数値です。

神戸の街並みや港の夜景、阪神間の落ち着いた住宅地、日本海側や山あいの地域など、同じ県の中でさまざまな景色を楽しめるのが特徴です。

平日は神戸や阪神エリアで働き、週末には有馬温泉に足を伸ばしたり、日本海側にカニを食べに行ったりと、暮らしの選択肢が豊富にあります。

こうした「都市と自然のどちらも楽しめるちょうどよさ」が、地元に住み続けたいという気持ちを後押ししています。

2位:鹿児島県

鹿児島県も94.4%と非常に高い結果で、兵庫県と並んでトップに立っています。

指宿や霧島など全国的に知られた温泉地があり、県内各地で気軽に温泉に浸かれる環境です。鹿児島市内にも多くの温泉銭湯があり、仕事帰りにひと風呂浴びてから帰宅する人も少なくありません。

黒豚や黒牛、地鶏、さつま揚げ、さつまいも、焼酎など、全国に誇れる食のブランドも豊富で、家庭の食卓にも地元の味が自然と並びます。

桜島を望む風景や、離島を含む雄大な自然を誇りに思う気持ちも、地元愛を強くしている要素です。

3位:愛知県

愛知県は93.5%で3位に入りました。

名古屋市を中心とした都市圏があり、自動車関連産業をはじめとした工場やオフィスが多く、仕事の選択肢が豊富です。

一方で、東京と比べると家賃や物価が抑えられており、暮らしやすさを実感する声も多く聞かれます。朝は喫茶店のモーニングで一息つき、通勤には便利な鉄道網を使い、休日には城下町や商業施設でゆっくり過ごすといった生活が定着しています。

安定した経済基盤と、生活コストとのバランスの良さが、地元を離れたくないと感じる大きな理由になっています。

4位:熊本県

熊本県も93.5%と高く、豊かな自然と都市機能のバランスに魅力を感じる人が多い県です。

熊本市は清らかな地下水に恵まれ、「水の都」とも呼ばれています。日常的に湧水スポットで水を汲んだり、阿蘇方面へドライブして雄大な草原を眺めたりと、自然を身近に感じる暮らしが根付いています。

熊本城をはじめとする歴史的な建物や、地震からの復興を支え合った経験から、地域への思いを共有する機会も多く、地元を応援したいという気持ちが強く表れています。

5位:富山県

富山県は93.3%で5位に入りました。

県庁所在地の富山市からは立山連峰の姿を望むことができ、晴れた日には通勤途中の車窓から雪をかぶった山々を眺めることもあります。

一方で、富山湾では新鮮な魚が水揚げされ、「きときと」と呼ばれる生きのよい魚を使った寿司や家庭料理が身近にあります。

仕事帰りに回転寿司で季節のネタを味わったり、休日に山と海の両方を楽しめる環境は、ほかの地域ではなかなか得がたいものです。

こうした自然と食の豊かさが、地元への強い愛着につながっています。

6位:千葉県

千葉県は91.9%と高い地元愛を示しています。

東京に隣接した立地で、通勤や通学に便利な一方、郊外に出れば海沿いの町や田園風景が広がっており、自然との距離も近い県です。

早朝に満員電車で都心へ向かい、帰りは最寄り駅の近くで買い物を済ませ、そのまま家でのんびり過ごすといった生活スタイルが定着しています。

東京ディズニーリゾートのある浦安や、サーフィンで知られる九十九里浜など、「週末の楽しみ」が身近にあることも大きな魅力です。

7位:神奈川県

神奈川県は91.1%でランクインしました。

横浜や川崎といった大都市、湘南や三浦半島の海辺のエリア、箱根や丹沢など自然豊かな地域がコンパクトにまとまっているのが特徴です。

平日はオフィスビルが並ぶ街で働き、休日にはみなとみらいで買い物をしたり、江の島や湘南海岸で海風を感じながら散歩をしたりと、気分に合わせて過ごし方を選べます。

東京へのアクセスも良いため、「少し都会から距離を取りつつも便利さは手放したくない」という人にとって、ちょうどいい暮らしが実現しやすい県です。

8位:長野県

長野県も91.1%と高い数値を示しています。

日本アルプスの山々に囲まれ、県土の多くが森林という環境の中で、四季の変化を肌で感じながら暮らすことができます。

夏は涼しく、避暑地としても人気があり、冬はスキーや温泉を楽しむ人が多い県です。朝の澄んだ空気の中で山を眺めながら通勤し、週末には少し足を伸ばして温泉地や果樹園を巡るといった暮らし方も珍しくありません。

自然に囲まれながらも、都市部と比べて生活コストを抑えやすい点も、長く住み続けたいと感じる理由の一つです。

9位:福岡県

福岡県は91.1%で9位に入りました。

福岡市を中心とした都市部は、地下鉄やバス網が発達しており、空港から市街地までのアクセスも良好な「コンパクトシティ」として知られています。

天神や博多の繁華街には飲食店や商業施設が集まり、仕事帰りに屋台でラーメンやおでんを楽しむ光景も日常の一部です。

一方で、少し郊外に出れば海や山があり、家族で自然に触れられる場所も多く残されています。こうした利便性と温かい人情、豊かな食文化の組み合わせが、地元を誇りに思う気持ちを支えています。

10位:北海道

北海道は90.3%と、こちらも9割以上の人が地元を好きと答えている地域です。広大な大地と雄大な景色は、道民にとって特別な誇りになっています。

札幌のような都市部に住んでいても、少し車を走らせれば広い畑や牧場、湖や山など、自然を感じられる場所がすぐそばにあります。

冬の雪まつりや夏のビアガーデン、秋の味覚狩りなど、季節ごとの楽しみもはっきりしており、日々の生活の中で四季を強く意識する暮らしが根付いています。

新鮮な海産物や乳製品など、食の豊かさも地元への愛着を深める大きな要素です。

地元愛が強い県に暮らす人の行動傾向

地元愛の強さは、アンケートの数字だけでなく、日々のちょっとした行動にも表れます。

ランキング上位の都道府県に目を向けると、住んでいる人たちの暮らしぶりや物の選び方、人とのつき合い方に共通した傾向が見えてきます。

特別なことをしているわけではなく、ふだんの生活の中で「気づいたら地元を大事にしている」場面がいくつもあるのが特徴です。

地元の話題に自然と目が向く

地元愛が強い人は、ニュースサイトやSNSを見ているときも、自然と地元の話題に目が行きがちです。

新しい商業施設のオープン情報や、ローカル線の話題、地元グルメが全国放送の番組で取り上げられたといったニュースを見つけると、思わず家族や友人に共有したくなります。

離れた場所に暮らしている場合でも、地元の天気やイベント情報をこまめにチェックし、帰省のタイミングを考えるきっかけにしている人も少なくありません。

地元のお店やブランドを選びがち

買い物の場面でも、地元愛の強さはさりげなく表れます。

スーパーで同じような商品が並んでいるとき、地元企業のロゴが入った商品を思わず手に取る、帰省の手土産には迷わず地元の銘菓を選ぶ、といった行動は、多くの人にとって特別なことではなく「いつもの選択」になっています。

地元の酒蔵の日本酒や、地域の牛乳やパンをあえて選ぶのも、その企業や地域に少しでも貢献したいという思いの表れです。

祭りや地域イベントに足を運ぶ

地元の祭りやイベントへの参加も、地元愛が強い都道府県でよく見られる行動です。

毎年決まった時期になると、山車や神輿の準備に顔を出したり、当日は家族や友人と見物に出かけたりする人が多くいます。

久しぶりに帰省した人が、子どもの頃と同じ場所で花火を眺めることを楽しみにしているケースもあります。

準備や片付けを通じて顔なじみが増え、「この町の一員でいる」という感覚が、地域への愛着をいっそう深めていきます。

いつでも「帰る場所」として意識している

進学や就職で一度地元を離れても、「困ったら地元に戻ればいい」という意識をどこかで持ち続けている人も多いです。

実際に戻るかどうかは別として、実家があり、昔から知っている友人がいて、自分の話し方を説明しなくても理解してくれる人たちがいる場所があるという安心感は大きなものです。

長期休暇のたびに同じ駅に降り立ち、変わらない景色と少しずつ変わっていく町並みを眺める時間が、その人にとっての心の支えになっています。

さりげない行動ににじむ「地元びいき」

地元愛が強い都道府県に暮らす人たちの行動を一言でまとめると、特別なことをしているというより、ふだんの選択の中に「地元びいき」が織り込まれていると言えます。

  • 迷ったときは地元のものを選ぶ
  • 良いニュースは誰かに共有したくなる
  • 祭りやイベントの時期を自然と覚えている

こうした小さな積み重ねが、地域にとっては大きな力になります。

暮らしている人が自分の地元を好きでいてくれることは、観光や移住のきっかけにもつながり、その都道府県の魅力を外へ伝える原動力にもなります。

自分の地元を見つめ直してみよう

地元愛が強い都道府県の特徴や、人々の行動を見てきましたが、その根っこにあるのは特別な場所に住んでいるかどうかではなく、「今いる場所をどう感じているか」です。

ランキング上位の都道府県に住んでいなくても、ふだんの暮らしの中で地元に目を向けてみることで、少しずつ愛着は育っていきます。

ここでは、自分の地元を改めて見つめ直すきっかけになりそうな視点をいくつか紹介します。

いつもの風景に意味を見つける

毎日の通勤路や、何度も通っている商店街など、見慣れすぎて意識しなくなっている場所は少なくありません。

少しだけ歩くスピードを落として、どんな店が並んでいるか、昔から変わらない建物はどこか、といった目線で眺めてみると、思いのほか多くの記憶が結びついていることに気づきます。

学生時代によく集まっていた公園や、家族で通った飲食店などを思い返してみると、「自分にとっての地元の風景」がはっきりしてきます。

地元のイベントやお店に少しだけ関わってみる

大きな行動を起こさなくても、地元への関わり方を少し変えるだけで、見え方は変わってきます。

近所の祭りに顔を出してみる、気になっていた個人店に入ってみる、地域の特産品をあえて選んでみるといった小さな一歩でも十分です。

常連になる必要はありませんが、「このお店は地元の中でお気に入り」と思える場所が一つでも増えると、そのエリア全体への親しみも増していきます。

離れて暮らしていてもつながりを保つ

進学や仕事で地元を離れた人にとっても、地元愛が薄れるとは限りません。

実家のある駅の名前をニュースで見かける、地元の祭りの日程をなんとなく覚えている、帰省のたびに立ち寄る場所が決まっているといった形で、心のどこかで地元と結びついている人は多いはずです。

地元の店から取り寄せをしてみる、地元の話題が出たときに少し詳しく説明してみるなど、離れていてもできる関わり方を意識すると、自分にとっての「帰る場所」がよりはっきりしたものになります。

まとめ

地元愛が強い都道府県には、自然の豊かさや食文化だけでなく、暮らしやすさや人との距離感といった、日常に根ざした魅力が共通してありました。

地元を好きと答える人が多い県では、育った思い出や家族とのつながり、祭りや行事への参加などを通して、「ここで暮らしていて良かった」と感じる場面が積み重なっています。

こうした視点で見直してみると、ランキングに入っている都道府県だけでなく、どの地域にも誇れる要素が必ずあるはずです。

今いる場所の良さに気づき、自分なりの地元愛を育てていくことが、地域を元気にする小さな一歩につながります。

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