ヘアアイロンでやりがちなNG行為7つ 絶対に避けたい高温トラブル

ヘアアイロンは短時間で髪を整えられる便利な道具ですが、温度が高く、使い方を誤ると火事や深刻なダメージにつながることがあります。特に置き場所や余熱の扱いは、忙しい朝ほど見落としがちです。ここでは、危険を招きやすい行為を分かりやすく解説します。

ヘアアイロンの油断で起きやすいこと

朝の支度中、鏡の前で急いでアイロンを温めながら前髪を整える。その途中で一瞬手を離してベッドに置いたり、濡れたままの髪にさっと当てたりと、忙しい時間帯ほど判断が雑になりがちです。

こうした何気ない行動が、髪の損傷だけでなく火事のきっかけになることがあります。ヘアアイロンは便利な道具であると同時に、取り扱いを誤ると大きなトラブルにつながる家電でもあります。

ヘアアイロンでやってはいけないNG行為

危険につながる行為は、どれも毎日の動作の中で自然と行ってしまうものばかりです。ひとつひとつの行動がどんな結果を生むのかを知ることで、無理なく安全な使い方に変えられます。

以下では、避けておきたい行為とその理由を紹介します。

1. 濡れた髪にアイロンを当てる

シャワー後の湿った髪を急いで整えようとして、そのまま前髪にアイロンを当ててしまう場面は少なくありません。

髪の内部には水分が残っており、高温が加わると急激に蒸発して内側が壊れ、枝毛や切れ毛の原因になります。温まった髪から「ジュッ」という音がする場合、髪が強い熱ダメージを受けている証拠です。

表面だけ整って見えても、内部では深刻な劣化が進むため、髪は必ず完全に乾かしてから使う必要があります。

2. 高温で長い時間、同じ箇所に当て続ける

クセをまっすぐにしたいとき、ついアイロンを挟んだまま静止してしまうことがあります。

髪の主成分であるタンパク質は熱に弱く、一定温度を超えると硬く変質し、焦げたような質感になります。また、同じ場所に何度もアイロンを通すと熱が一点に集中し、髪が急速に傷みます。

少ない回数で形をつくるには、短い時間で滑らせる動作が欠かせません。

3. アイロン直前にヘアオイルをつける

外出前の仕上げとしてオイルを使い、そのままの流れでアイロンを当ててしまうことがあります。

ヘアオイルは種類によっては低い温度で煙が出始めるものがあり、高温のプレートに触れると髪表面が焦げつくことがあります。

焦げつきは髪のツヤを奪うだけでなく、プレートに汚れがこびりつき、次の使用時の熱ムラや異臭の原因にもなります。オイルを使用する場合は、アイロン後の仕上げに回すことが安全です。

4. 可燃物の近くに置く

セットの途中で一瞬アイロンを置きたくなり、近くにあるタオルや衣類の上へ置いてしまうことがあります。タオル、衣類、寝具、紙類はいずれも高温に弱く、触れただけで焦げや発火につながることがあります。

電源を切った直後でもヘアアイロンには熱が残りやすく、見た目よりも高温の状態が続きます。置き場所は耐熱性のある平らな面に限定する必要があります。

5. 電源を切らずにつけっぱなしにする、または余熱を放置する

朝の外出直前、慌てながら「電源切ったかな」と不安になる場面はよくあります。

ヘアアイロンは使用中だけでなく、電源を切ったあとも高温が続く時間があり、この余熱がタオルや紙類に触れると焦げや火事の原因になります。

特に洗面所や寝室は布類が多く、置き場所を誤りやすい環境です。火事は長時間の放置だけで起こるわけではなく、周囲のものとの組み合わせによっては短い時間でも危険が生じます。

使い終わったら必ず電源を切り、完全に冷めてから片付けることが欠かせません。

6. 落とした後、異常を確認せずに使い続ける

使用中にコードが引っかかり、洗面台から床へ落ちてしまうことは珍しくありません。

表面に傷がなくても、内部の部品がずれて温度調整が正しく働かなくなることがあります。そのまま使い続けると、想定以上の高温になったり、異常な発熱が生じたりして火事につながるおそれがあります。

落とした直後は、におい・異音・本体の温度に違和感がないか確認し、少しでも普段と違うと感じた場合は使用を控えることが大切です。

7. コードが傷んでいるのに使用する

毎日の動作で引っ張られたりねじられたりするため、ヘアアイロンのコードは気づかないうちに傷むことがあります。

表面の被膜に裂け目ができたり、コードの一部が細くなっている状態では、内部でショートが起きる可能性があります。

また、使用後に本体へきつく巻き付けて保管する癖があると、内部の配線が折れやすくなり、使ったときに発火や異常加熱が起こることがあります。以下の状態が見られる場合は特に注意が必要です。

  • コードの表面に裂け目がある
  • 使用中にコードを触ると特定の部分だけ熱い
  • 本体側の付け根がぐらつく

ヘアアイロンを安全に使うための基本

ヘアスタイルを整える女性

日常的な使い方を少し整えるだけで、火事や髪の損傷は大きく減らせます。特別な道具を揃える必要はなく、扱い方の癖を見直すことで安全性は高まります。

使う前・使っている最中・使ったあとの流れを一度整理しておくと、迷いなく扱えるようになります。

温度を髪に合わせて調整する

髪質に合わない高温を使うと、表面だけでなく内部まで負担がかかります。細い髪や傷みが気になる髪は低温が適しており、強いクセがある髪でもむやみに温度を上げると髪質を損ねます。

まずは低めの温度から試し、仕上がりを見ながら調整していく使い方が安全です。

使う前にブラッシングをして髪を整える

髪が絡んだままアイロンを通すと摩擦が強くなり、毛先の裂けやキューティクルの損傷につながります。

ブラッシングで髪の流れを整えるだけで熱が均一に伝わりやすくなり、少ない動作でスタイリングしやすくなります。結果として余計な熱を加えずに済み、髪を守りながら整えることができます。

少量ずつ髪を挟む

毛束が多すぎると内部まで熱が届かず、何度も同じ箇所にアイロンを通すことになります。毛束を少なめに取ってアイロンを当てると、熱が均一に伝わりやすくなり、一度で形が決まりやすくなります。

少ない回数で済むため髪への負担も減り、仕上がりのムラも防ぎやすくなります。

スタイリング後は髪を冷ます

アイロンで温まった髪は、冷える過程で形が定まります。熱いうちに触ったり、手ぐしで整えたりすると、キープ力が弱まりやすくなります。

仕上げた部分をしばらく動かさずに冷ますことで、スタイルが安定し、余計な熱を加えなくても良い状態が保てます。

安心して使うために意識したいこと

ヘアアイロンは日常に溶け込んだ家電ですが、扱い方を少し変えるだけで安全性は大きく高まります。特に置き場所やコードの状態などは、毎日使ううちに無意識の癖が積み重なりやすい部分です。

高温を扱う道具としての意識を持ち、どの場面で事故が起きやすいのかを把握しておくと、火事や髪の損傷は避けやすくなります。基本となるポイントは次の通りです。

  • 可燃物の近くに置かない
  • 余熱が残るうちは収納しない
  • コードの異常をそのままにしない

まとめ

ヘアアイロンは美容機器であると同時に、高温を扱う家電でもあります。火事や髪の深刻な傷みは、特別な行動ではなく、日常の中にある小さな油断から起こります。

濡れた髪に当てる、布の上に置く、余熱を考えず片付けるといった行動は、どれも短時間の判断ミスから生まれがちです。こうした行為を一つでも減らすだけで、火事リスクを下げながら髪の負担も軽くなります。

高温の特性を理解し、習慣を整えていくことが、安心してスタイリングを続けるための近道です。

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