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『お通夜』は個人の冥福を祈る最期の晩を過ごす儀式

お通夜とは、亡くなった故人を偲び、冥福を祈りながら最期の夜を家族や親族、親しかった友人などで過ごす儀式です。
日本では、昔からお通夜の翌日に告別式、火葬といった流れで葬儀が執り行われる地域が多く、簡略化されるケースが増加している現在も、お通夜を執り行うご家族は少なくありません。
そんなお通夜では、故人やご遺族に失礼な振る舞いをしないよう、マナーを守ることが大切です。お通夜に参列する際は、大人として基本マナーを押さえておきましょう。
お通夜における『絶対に知っておくべきマナー』5選

お通夜では、以下の基本マナーを知っておきましょう。
1.服装は黒の光沢感のない衣服を選ぶ
お通夜をはじめとした弔事では、服装に気をつけなければなりません。光沢感のある服装や明るい色の服装、柄物、華やかなアクセサリーなどは、原則タブーとされています。
服装は、黒を基調とした光沢感のない素材が使われている服を選び、アクセサリーも結婚指輪だけ、あるいはパールの一連ネックレスだけ身につけ、必要最低限の装飾品に留めましょう。
2.会場にはお通夜が始まる10分前到着がベスト
基本的にお通夜に遅刻することはタブーとされています。とはいえ、お通夜は夜に執り行われる儀式なので、仕事帰りに立ち寄る人も多いでしょう。どうしても間に合わないという場合は、あらかじめご遺族に遅刻する旨をお伝えし、到着後は静かに列に並んでください。
また、早すぎる時間帯に到着することも控えましょう。まだ準備が整っていない状況で参列者が到着してしまうと、会場側やご遺族に迷惑がかかってしまいます。
3.香典に使うお札は使い古されたものを選ぶ
お通夜に参列する際は、香典を用意するのが基本のマナーです。結婚式などのおめでたい行事では新札を用意しますが、お通夜などの弔事では使い古されたお札を香典袋に入れましょう。
新札を用意してしまうと、「故人が亡くなることを予期していた」「亡くなることを望んでいた」というニュアンスを含んでしまい、不快な思いをさせてしまうためにタブーとされています。
4.通夜振る舞いに誘われたときは原則断らない
お通夜の後に酒や料理が振る舞われる「通夜振る舞い」は、絶対に参加しなければいけないと決まっていません。しかし、ご遺族が忙しい中、準備を整えてくれた席なので、誘われた際に断る行為は失礼だと捉えられかねません。
時間がない時は、一口だけでも食事を口に運んでから、酒や料理のお礼を伝えてお暇するようにしましょう。
5.お通夜終了後は不用意に長居しない
お通夜終了後、あるいは通夜振る舞いの後は、不用意に長居することを避けてください。翌日に告別式を控えているご遺族やご親戚に配慮して、心身をしっかり休めてもらうためにも早めに切り上げましょう。
時々、お通夜会場で長々と立ち話をしている人を見かけますが、これはタブーです。ご遺族は大切な人の死によって悲しみに暮れている状態なので、その付近で会話に花を咲かせてしまうのは、あまりに配慮が足りていません。
お通夜では会話内容や忌み言葉にも注意して

お通夜では、ご遺族にかける言葉や会場内で他の参列者と言葉を交わす際、発言内容や忌み言葉にも注意してください。
「忌み言葉」とは、不吉なことを連想させる言葉を指します。お通夜では、以下のような言葉が忌み言葉に該当するので気をつけましょう。
- 別れや不幸を連想させる言葉:「終わる」「別れる」「切れる」
- 不吉な状況を連想させる言葉:「病む」「壊れる」
- 不幸が続くことを連想させる二重言葉:「重ね重ね」「たびたび」「続けて」「再び」
- 「生」と「死」を直接連想させる言葉:「死ぬ」「生きる」「死後」
また、ご遺族に負担をかけるような言葉掛けも控えてください。
例えば、死因を尋ねることはお通夜においてタブー視されています。また、良かれと思って声をかけた「あなたがしっかりしないと」「泣いてたら故人が悲しむよ」などの言葉は、ご遺族の負担になってシアムので避けるべきでしょう。
お通夜マナーを守って故人と最期の夜を過ごそう
お通夜は厳粛な場であり、ご遺族への繊細な配慮が必要となる場でもあります。お通夜の基本的なマナーを守り、ご遺族やその他の参列している方々と穏やかな気持ちで故人と最期の夜を過ごしましょう。









