栄養のない野菜ランキング『ワースト10』食卓の定番も実は栄養が薄め?

野菜はどれも健康に良いと思われがちですが、水分がとても多く、ほかの野菜と比べて栄養が薄いと見られる種類もあります。ただし、完全に栄養がない野菜は存在せず、それぞれにきちんと役割があります。この記事では、なぜ「栄養が少ない」と言われるのか、その仕組みを整理し、上手な取り入れ方までわかる内容にまとめました。

なぜ栄養が少ない野菜が生まれるのか

野菜

野菜はどれも同じように見えても、含まれる栄養素にははっきりとした差があります。

特に、きゅうりやレタスのような淡い色の野菜は水分が非常に多く、可食部の約90〜95%を占めるため、100gあたりのビタミンやミネラルが少なく見えます。

これが「栄養が少ない」と言われる大きな理由です。

水分が多い野菜は細胞のすき間に栄養が凝縮されにくく、緑黄色野菜のように濃い色素を持つ種類とは構造そのものが異なります。

ただし、水分が多いことは欠点ではなく、食べやすさや料理のボリュームづくりといった別の役割につながります。

栄養が少ない野菜ランキングワースト10

悩む人

ここでは、栄養がないと言われがちな野菜を、理由とともに紹介します。あくまで栄養の“濃さ”を基準にしたランキングであり、食べる価値がないという意味ではありません。それぞれに異なる強みがあります。

1位. きゅうり

きゅうり

きゅうりが栄養の少ない野菜として名前が挙がりやすい理由は、水分量の多さにあります。可食部の約95%以上が水分で、100gあたりのビタミン類や食物繊維はごく控えめです。

また「世界一栄養がない野菜」という言い方が広まりましたが、正しくは「世界一カロリーが低い果実」としてギネスに登録されたことが背景です。

栄養が全くないわけではなく、カリウムや香り成分ピラジンは含まれていますが、栄養密度の視点ではワーストと言われやすい立ち位置です。

2位. レタス

横から見たレタス

レタスはサラダに欠かせない存在ですが、約95%が水分で、緑黄色野菜と比べるとビタミンやミネラルの量がかなり控えめです。

見た目から「葉物=栄養がある」と誤解されやすいものの、100gあたりの食物繊維は約1.1gで、ほうれん草やキャベツよりも少なめ。栄養密度で見ると薄い立ち位置ですが、たっぷり食べやすい点や食感の良さは魅力です。

3位. もやし

もやし

もやしは安価で手に入りやすく、炒め物やスープのかさ増しに役立ちます。しかし、その約95%が水分で、栄養素は相対的に薄く見えます。

発芽の際にビタミンCは生まれますが、加熱で失われやすく、食物繊維やビタミン類も緑黄色野菜ほど多いわけではありません。栄養密度の観点では控えめな野菜と言えます。

4位. 白菜

白菜はクセがなく料理に使いやすい半面、水分がとても多く、ビタミンC以外の栄養素は全体的に少なめです。

緑黄色野菜に比べるとβカロテンなどの成分がほとんど含まれず、栄養の濃さという点では控えめな分類になります。ただし、柔らかく大量に食べられるため、食事にボリュームと水分を加えたい時に向いています。

5位. ズッキーニ

Young zucchini

ズッキーニはきゅうりと同じウリ科で、こちらも水分量が非常に多い野菜です。ビタミンCやβカロテンは含まれているものの、100gあたりの量はかぼちゃやにんじんには遠く及びません。

色が濃いように見えても栄養密度は高くなく、淡色野菜のグループに近い特徴を持っています。味があっさりしているため、ほかの食材の味を引き立てる役割として使われることが多い野菜です。

6位. セロリ

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セロリは香りの強さが印象的な野菜ですが、栄養の濃さという点では控えめです。約94%が水分で、100gあたりのビタミンCや食物繊維は一般的な葉物野菜より少なめです。

香り成分アピインなど独特の成分はありますが、栄養密度自体は高くありません。存在感のある香りによる食欲刺激や料理のアクセントとして役立つ野菜です。

7位. 冬瓜

冬瓜はウリ科の中でも特に水分量が多く、約96%を占めています。味が淡く、含まれるビタミンやミネラルの量も少なめで、栄養密度の観点では控えめな野菜です。

水分が豊富なため、暑い季節の水分補給や体を冷やす目的には向いていますが、濃い栄養素を期待する種類ではありません。

8位. たけのこ

たけのこ

たけのこは独特の歯ごたえが魅力ですが、主成分は水分と不溶性食物繊維で、ビタミン類の量は多くありません。

調理時のアク抜きで水溶性の成分が流れ出やすいこともあり、栄養密度は高く見えない野菜です。食感や季節感で料理に変化をつける役割が中心になります。

9位. ナス

竹ざるとナス

ナスは紫色の皮が特徴的ですが、果肉部分の約93%は水分で、栄養素の濃さは控えめです。ビタミン類は中程度で、緑黄色野菜と比べると少ないと言えます。

ただし、皮に含まれるナスニンというポリフェノールには抗酸化作用があり、この野菜ならではのポイントです。水分が多いため味がしみやすく、調理で存在感を出せる食材です。

10位. 大根(根の部分)

大根

大根は淡白で食べやすい一方、約95%が水分で、緑黄色野菜に比べるとビタミン類や食物繊維の量は控えめです。特に白い根の部分は栄養密度が高いとは言えません。

ただし、生のまま食べるとビタミンCや消化酵素ジアスターゼを摂取でき、料理の消化を助けることもあります。栄養素が少ないように見えても、別の役割を持つ野菜です。

栄養が多い野菜の特徴と代表例

モロヘイヤ

栄養が少ない野菜がある一方で、わずかな量でもしっかり栄養を補える野菜もあります。

これらは色が濃く、葉が厚い、または葉以外の部分に栄養が凝縮されているという特徴があり、100gあたりのビタミン・ミネラル・機能性成分が豊富です。

緑黄色野菜の多くがこのグループに含まれ、食卓で不足しがちな栄養素を効率よく補うことができます。選ぶときは、色が鮮やかで張りのある野菜を意識すると、高い栄養密度を持つものに出会いやすくなります。

  • モロヘイヤ
  • しそ
  • パセリ
  • ほうれん草
  • 大根の葉
  • ブロッコリー

これらは栄養密度がとても高く、少し加えるだけで食事全体の栄養バランスが整いやすくなります。

栄養が少ない野菜を上手に活かすコツ

栄養密度が低い野菜でも、食べ方や組み合わせを工夫すると、日々の食事で役立ちます。

水分が多いという特徴は決して弱点ではなく、ほかの野菜や食材と組み合わせることでむしろ強みになります。料理のかさを増やしつつ満足感を得やすいため、取り入れやすい野菜でもあります。

  • 油と合わせて脂溶性ビタミンの吸収を高める
  • 緑黄色野菜やたんぱく質と組み合わせて食事全体の栄養を補う
  • 生や蒸し調理にして水溶性ビタミンの損失を抑える

こうした工夫を取り入れると、栄養が少ないとされる野菜でも、食卓の一部として十分に機能するようになります。

まとめ

栄養が少ないとされる野菜には、水分が多く、100gあたりの栄養素が薄く見えるという共通点があります。ただ、それは価値が低いということではありません。

体を潤したり、料理の量を増やしたり、食べやすさを生み出したりと、淡色野菜だからこそ担える役割があります。

一方で、栄養密度が高い野菜は量が少なくても栄養を補給できる力があり、組み合わせることで食事はより豊かになります。

大切なのは、どれか一つに偏るのではなく、役割の異なる野菜を食卓にそろえることです。野菜の特徴を正しく理解すれば、「栄養が少ない」という言葉に振り回されず、自分に必要な食事を組み立てやすくなります。

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