目次
かぶに含まれる栄養成分
かぶの葉、茎、葉にはとても豊富な「ビタミンC」と「食物繊維」が含まれています。「β―カロテン」はかぶの葉や茎に含まれていますが、根には含まれていない栄養成分です。
根と葉の栄養成分の違い
かぶの根の栄養
「カリウム」「ビタミンC」「アミラーゼ」「グルコシノレート(イソチオシアネート)」「インドール」「カルシウム」「食物繊維」などが含まれています。
かぶの葉の栄養
「β―カロテン」「ビタミンC」「ビタミンE」「葉酸」「カルシウム」「ビタミンB1」「ビタミンB2」「アミラーゼ」「イソチオシアネート」「インドール」「グルコシノレート」などの成分含まれています。
かぶの白い根の部分は淡色野菜、葉や茎の部分は緑黄色野菜に分類されています。葉と根の栄養成分を比べてみました。※100g当たりの成分表です。
かぶに含まれる栄養成分 | かぶの葉の栄養 | かぶの根の栄養 |
エネルギー | 20kcal | 20kcal |
水溶性食物繊維 | 0.3g | 0.3g |
不溶性食物繊維 | 2.6g | 1.2g |
カリウム | 330mg | 280mg |
カルシウム | 250mg | 24mg |
鉄 | 2.1mg | 0.3mg |
β-カロテン | 2,800μg | 0μg |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 3.1mg | 0mg |
ビタミンK | 340μg | 0mg |
ビタミンB1 | 0.08mg | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.16mg | 0.03mg |
葉酸 | 110μg | 48μg |
パントテン酸 | 0.36mg | 0.25mg |
ビタミンC | 82mg | 19mg |
かぶの根と葉、茎ではでは含まれる栄養成分が違う野菜だということはお分かりになりましたでしょうか。
かぶに含まれる栄養の効果や効能
- 美肌効果
- 血行促進
- 生活習慣病の予防
- 高血圧の防止
- 冷え性の防止
- 肩こり改善
- 疲労回復
- 風邪の予防
- 便秘解消
- 代謝活性化
- コレステロールの酸化防止
- 骨を強くする
- 貧血予防
- 発がん物質の制御
- 解毒作用
- 血栓防止
かぶに含まれる消化酵素アミラーゼが胃腸の働きを整え消化機能を高めます。β―カロテンやビタミンCは抗酸化作用が強く免疫力を高めますので、「美肌効果」「血行促進」「生活習慣病の予防」「高血圧の防止」「冷え性の防止」「肩こり改善」「疲労回復」「風邪の予防」などに効果があります。
食物繊維は「便秘解消」に効果があり、ビタミンB1とビタミンB2には「糖質や脂質の代謝活性化」「コレステロールの酸化作用の防止」のはたらきもありますのでダイエットに良い野菜の1つです。
葉酸は妊婦さんの必要栄養素です。葉や茎や根にも多く含まれています。※葉や茎は100g中に65μg、根は50μg含んでいるので葉、茎、根全てを食べることをおすすめします。
ミネラルのカルシウム、鉄は「骨の強化」と「貧血予防」になります。グルコシノレート(イソチオシアネート)やインドールは「発がん物質を制御」「解毒作用」 「血栓防止」があります。
※グルコシノレートは体内でイソチオシアネートに変化します。なお、グルコシノレートはアブラナ科の野菜のみが持つ成分です。
かぶの栄養を活かす効果的な食べ方
かぶの葉や茎の食べ方
- 油でさっと炒める
- 浅漬けにする
- お味噌汁やスープなどに入れる
調理ポイント
かぶの茎や葉に含まれるβーカロテンは油と一緒にとると吸収率がアップします。ビタミン類を多く摂取したい場合はあまり加熱せず浅漬けなどにすることをおすすめします。お味噌汁やスープなどに入れて煮込むと外に出た栄養素を飲むことができます。
かぶの根の食べ方
- 漬物、ぬか漬けや浅漬けにする
- サラダなど生で食べる
- 酢の物
- お味噌汁やスープなどに入れて短時間煮る
調理ポイント
かぶの根にある「アミラーゼ」や「ビタミンC」は熱に弱いので加熱する時は短時間にしてください。お味噌汁やスープなどに入れて煮込むと外に出た栄養素を飲むことができます。かぶの根は煮込むと煮崩れをおこしますので加熱時間に注意が必要です。
とろとろにしたい時は長時間加熱し、形崩れしたくない場合はさっと加熱しましょう。かぶの根の甘みやこりこり・しゃきしゃきした食感を生かすには生で食べてください。赤かぶのサラダは色もきれいですよね。
かぶの食べ過ぎに注意
かぶには甲状腺機能抑制物質(ゴイトロゲン)が含まれていますので、食べ過ぎると甲状腺が腫れる可能性があります。甲状腺機能が低下している方はご注意ください。
かぶの栄養を損なわない保存方法
葉を根本から切り落としてください。冷蔵保存または冷凍保存してください。
冷蔵庫で保存する場合
茎や葉は軽く塩ゆでしてからラップに包んで冷蔵庫で保存してください。根はペーパータオルなどにつつんだ後ポリぶくろなどに入れて冷蔵庫で保存してください。
冷凍保存する場合
根や葉、根はスライスして一気に冷凍します。スライスなど切り分けておけば、いずれ使う時に楽です。かぶはできるだけ生のまますぐ調理することをおすすめしますが、どうしても冷蔵保存しなければならない場合は、冷蔵後以下を目安に使い切ってください。
- 葉や茎は2日~3日以内に使い切る
- 根は1週間以内に使い切る
かぶの選び方
根の部分の皮が滑らかで、表面にハリがあるようなものを選びましょう。購入したらすぐに葉と根を切り分けて保存します。葉をつけたままですと、根が水分を吸ってしまいます。いずれも冷蔵庫で保存しますが、葉は乾かないように気をつけて保存しましょう。
根菜類は日持ちが良いと思われがちですが、かぶは鮮度が状態の良さにでる野菜です。つやつやとしたきめの細かいものを選ぶようにしましょう。
かぶの旬
日本の秋の七草の「すずな」はかぶのことですが、秋の他に春も収穫されます。春モノは3月~5月、秋モノは10月~1月です。かぶは冬野菜ですので、寒い時期の秋モノは甘みが強く、春モノは秋モノに比べて根がやわらかいです。
かぶの種類
聖護院かぶ | 関西地方で主に作られているかぶ。大きくて重量もあり、京都の千枚漬けにも使われる。 |
天王寺かぶ | 大阪で多く作られている中かぶ。 |
飛騨紅かぶ | 岐阜県高山市の特産の中かぶ。皮は赤色だがそれをむくと中身は白い。漬物によく用いられる。 |
温海かぶ(赤かぶ) | 山形県で多く作られている中かぶ。これも外側が赤色で中身は白い。少しかたくて辛みも感じる。主に漬物用として利用される。 |
あやめ雪 | 上が紫色で下が白色という特徴的な色をしている。甘みがある。酢に漬けるとピンク色に変わることからピクルスなどに最適。 |
日野菜かぶ | 滋賀県などで作られているかぶ。丸い形をしたかぶが多い中でこのかぶは細くて長い形をしていて、皮は上が赤く下が白い。 |
万木かぶ(ゆるぎかぶ) | 滋賀県で主に作られている中かぶ。皮は赤いが中身は白い。ぬか漬けによく用いられる。 |
津田かぶ | 島根県特産のかぶ。皮は上が赤色で下が白色になっている。形は下の方がとがっていて特徴的。 |
大野紅かぶ | 北海道で多く作られている赤色の中かぶ。根に近い茎の部分まで赤色に染まっており、皮をむくと中身も少し赤い。 |
すぐき菜 | 京都市で多く作られているかぶ。上下に伸びた形をしており、このかぶを使って作られるすぐき漬は有名。 |
金沢青かぶ | 石川県で主に作られている中かぶ。皮に緑色の部分があることから、この名前が付いたとされている。 |
黄かぶ | ヨーロッパ原産品種。加熱することで表面だけでなく、中まで鮮やかな黄色になる。煮込み料理の彩りにオススメ。 |
かぶと大根の違い
かぶと大根は冬野菜の仲間で、一般的に根の形や大きさで見分けることができますが、大根の種類にはかぶと同じような根の形をしたものもあります。かぶと根どちらも白い根に茎や葉があり、味も似ているように見えますが、味、食感、栄養成分や栄養を効率よくとる食べ方には違いがあります。
大根とかぶの味と食感の違い
- かぶは大根のような辛みが無い
- かぶは大根に比べてしゃきしゃきした食感
- 大根はかぶよりみずみずしい食感
- 加熱した後の食感が全く違う
かぶは大根に比べて肉質が軟らかいので長時間加熱するととろとろな食感になります。大根は長時間加熱した方が味のしみこんだものになっておいしくなります。おでんの大根はほくほくやわらかくておいしいですよね。
まとめ:かぶには栄養たっぷり!積極的に取り入れよう
かぶは捨てるところの無い野菜です。かぶの根より葉や茎の方が栄養価の高いことをお分かりになったと思います。特に抗酸化作用のあるβーカロテンは葉にしか含まれていません。がんの予防に効果がある成分も葉の方が豊富です。かぶの葉、茎、根、全部食べて下さいね。