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結婚式のスピーチで使ってはいけない言葉とは
友人から結婚式のスピーチをお願いされたら、とても光栄で嬉しいものです。ですが、結婚式の場にはふさわしくない、避けるべき言葉や表現があります。これらの言葉は「忌み言葉」と呼ばれ、使ってしまうとお祝いの雰囲気を壊す可能性があります。
また、友人だからこそ知っている過去の話題でも、スピーチの場には適さないものがあります。使ってはいけない言葉や話題をきちんと理解して、二人やゲストの心に響くスピーチを作りましょう。
続いて、結婚式の友人スピーチで避けるべき禁句・NGワードを、理由と共に詳しく解説します。
結婚式のスピーチで避けるべき8つの禁句・NGワード
結婚式のスピーチでは、縁起が悪い言葉や、相手を傷つける可能性のある言葉を避ける必要があります。なぜその言葉を避けるべきなのかを理解することで、安心してスピーチを行えます。ここでは避けるべき禁句・NGワードを詳しく紹介します。
①別れをイメージさせる言葉
結婚式は、新郎新婦が新しい生活をスタートさせるお祝いの場です。そのため、「別れる」や「終わる」といった別れをイメージさせる言葉を使ってはいけません。これらの言葉は新郎新婦の門出を不安にさせたり、将来の不幸を連想させたりする可能性があります。
【避けるべき言葉の例】
- 別れる
- 離れる
- 終わる
- 切れる
- 捨てる
- 去る
- 離婚
- 解消
【言い換え例】
- 終わる → 節目を迎える
- 切れる → 築く、始める
別れをイメージする言葉は、多くのゲストにもマイナスの印象を与えるため、慎重に言葉選びをしましょう。
②不幸を連想させる言葉
結婚式は幸せな気持ちで満ちた場です。その場に不幸をイメージさせるような言葉は場の空気を壊します。特に病気や事故、失敗を連想させる言葉は、新郎新婦やゲストにネガティブなイメージを与えてしまいます。
【避けるべき言葉の例】
- 死ぬ
- 病気
- 苦しい
- 壊れる
- 失敗
- 落ちる
- 最後
【言い換え例】
- 苦しい → 試練、乗り越える
- 最後 → これから、未来へ
明るく前向きな言葉を選ぶことで、温かい雰囲気のスピーチにすることができます。
③同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」
同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」は、結婚が繰り返される、つまり離婚や再婚を連想させると考えられています。特に年配のゲストにとって不快に感じられることもあります。
【避けるべき言葉の例】
- ますます
- たびたび
- 重ね重ね
- 次々
- くれぐれも
【言い換え例】
- 重ね重ね → 改めて
- ますます → 一層
重ね言葉は無意識に使ってしまいがちなので、原稿を書く際は特に注意しましょう。
④過激な言葉や表現
「死ぬほど」や「地獄のような」といった過激な表現は、ユーモアのつもりで使っても不快に感じるゲストがいます。また、不適切な関係性を連想させる表現(例:「まるで親子のような」)も避けるべきです。これらは冗談でも会場の雰囲気を壊す可能性があります。
【言い換え例】
- 死ぬほど嬉しい → 本当に嬉しい
- まるで親子のよう → 深い信頼関係
ゲスト全員が気持ちよく聞ける表現を選びましょう。
⑤宗教や政治に関わる言葉
結婚式には様々な背景を持ったゲストが参加しています。特定の宗教や政治的な内容に触れる言葉を使うと、知らず知らずのうちに誰かを傷つけたり、不快に感じさせたりすることがあります。結婚式のスピーチは全ての人が心地よく感じられることが重要です。
【避けるべき言葉の例】
- 神の導き
- 運命・宿命
- 特定の政党や思想を連想させる言葉
【言い換え例】
- 神の導き → ご縁、巡り合わせ
- 運命 → 素敵な出会い
宗教や政治に関する話題は意見が分かれやすいため、一般的な表現を心がけましょう。
⑥「返す」「戻る」などの後戻りをイメージさせる言葉
「返す」「戻る」といった後ろ向きの言葉も、結婚式のような新しいスタートを祝う場ではふさわしくありません。「お返し」は贈り物を戻すことを、「戻る」は元の状態に戻ってしまうことを連想させるため、避けるのが無難です。
【避けるべき言葉の例】
- お返し
- 恩返し
- 戻る
- 帰る
【言い換え例】
- 恩返し → 感謝を伝える、ご恩に報いる
- お返し → 感謝の気持ちを形にする
ポジティブな表現に変えることで、結婚式らしい前向きなスピーチができます。
⑦縁起の悪い数字や表現
日本では「4(死)」や「9(苦)」など、不吉な数字を避ける風習があります。また、割り切れる偶数(2・6など)も夫婦の別れを連想させるため、使い方には配慮が必要です。スピーチの中で数字を使う際は、この点にも注意しましょう。
【避けるべき数字の例】
- 4、9など不吉な意味を持つ数字
- 2、6など割り切れる数字
【配慮した使い方の例】
- 「二人で」→「お二人揃って」
- 「四年間」→「約五年間」「数年間」
数字を使う際には、その意味をよく考えて慎重に言葉を選びましょう。
⑧句読点や区切りを連想させる表現
句読点の使用を避ける習慣は、文章が区切れたり終わったりすることを連想させるためです。ただし、スピーチ原稿の場合、読みやすさを優先し句読点を使うのは問題ありません。気にしすぎる必要はないものの、招待状やメッセージカードでは句読点の使用を控えましょう。
【避けるべき場面】
- 招待状
- メッセージカード
- 結婚式のしおり
【注意点】
- スピーチ原稿では読みやすさを優先して使用可
- 使い過ぎは避け、適度な使用を心がける
句読点に関しては、シーンによって使い分ける意識が大切です。
結婚式スピーチで避けるべき話題やエピソード
スピーチでは言葉選びだけでなく、話題の選択も重要です。結婚式の主役は新郎新婦であり、ゲスト全員が心地よく感じられる内容にしましょう。次のような話題やエピソードは、結婚式のスピーチにはふさわしくありません。
過去の恋愛や暴露話は避ける
友人同士の集まりでは盛り上がるような過去の恋愛話や失敗談でも、結婚式の場では適切ではありません。新郎新婦やゲストを不快にさせたり、会場の空気を悪くしたりすることがあります。
【避けるべき具体例】
- 新郎新婦の元恋人の話題
- 友人同士しか知らない秘密の話
- 昔の失敗や恥ずかしいエピソード
【望ましい話題】
- 新郎新婦がどれだけ仲が良いかが分かるエピソード
- 新郎新婦の人柄を褒めるエピソード
新郎新婦やゲストが安心して聞ける内容にしましょう。
子どもや妊娠に関する話題は慎重に
子どもや妊娠に関する話題は、新郎新婦だけでなくゲストにとってもデリケートな問題であることがあります。「早く子どもを」などの発言は、場合によってはプレッシャーや不快感を与えてしまう可能性があります。
【避けるべき具体例】
- 「早く赤ちゃんができるといいですね」
- 妊娠や出産に関する推測や期待
【望ましい話題】
- 「明るく温かい家庭を築いてください」
- 「お二人らしい幸せな家庭になりますように」
妊娠や子どもに関する話題は、新郎新婦の意向を尊重しましょう。
ジェンダーの固定観念に注意
時代と共に家族の形や価値観は多様化しています。「男性は仕事、女性は家庭」など、固定観念に基づく表現は避けましょう。多様なゲストが参加していることを念頭に、柔軟で受け入れられやすい表現を使いましょう。
【避けるべき具体例】
- 「妻は家庭を守り、夫は外で稼ぐ」
- 「料理や家事は女性の役割」
【望ましい話題】
- 「お二人で力を合わせて幸せな家庭を」
- 「お二人の絆が深まることを願っています」
ゲスト全員が快適に感じられるよう、表現に配慮が必要です。
身体的特徴や外見について触れない
相手の身体的特徴や外見をネタにすることは、冗談であっても誰かを傷つける可能性があります。褒めるつもりでも、意図とは違った形で伝わる場合があるため、避けた方が無難です。
【避けるべき具体例】
- 身長や体型に関する話題
- 容姿の変化を指摘する表現
【望ましい話題】
- 人柄や内面的な魅力を褒める
- 相手の長所や努力を称えるエピソード
相手が喜ぶような表現を使うことが大切です。
自分の自慢や説教にならないよう注意
スピーチの主役は新郎新婦です。自分の武勇伝や成功談、自分中心の話題を長々と語るのはふさわしくありません。また、上から目線のアドバイスや説教は、ゲストを不快にさせます。
【避けるべき具体例】
- 自分の成功や経歴のアピール
- 説教じみた教訓を伝えること
【望ましい話題】
- 新郎新婦が主役となるエピソード
- 新郎新婦の魅力や絆が伝わる内容
あくまで新郎新婦を立てる内容を意識しましょう。
お酒の話や下ネタ、内輪ネタを控える
結婚式はフォーマルな場であるため、お酒の失敗談や下ネタはふさわしくありません。また、一部の人しか分からない内輪ネタもゲストを置き去りにしてしまいます。
【避けるべき具体例】
- お酒による失敗談
- 下品なジョークや性的な話題
- 友人間だけでしか分からない内輪ネタ
【望ましい話題】
- 幅広い年代が共感できる温かいエピソード
- 上品なユーモアを含む内容
どのゲストも楽しめるような話題を選びましょう。
まとめ
結婚式のスピーチでは、言葉選びや話題選択が非常に重要です。ただNGワードを避けるだけでなく、友人としての親しさとフォーマルな場でのマナーのバランスを取る必要があります。
また、表情や声のトーンを明るくし、ゲストとのアイコンタクトを意識するだけでも、会場全体が温かな雰囲気に包まれます。結婚式は新郎新婦とゲスト全員が心地よく過ごせることが一番の目標です。準備を重ねて、心からのお祝いを伝える素敵なスピーチを作りましょう。