ハンディファンは逆効果?実はあまり意味がない暑さ対策グッズ6選!

毎年のように暑さ対策グッズが話題になりますが、中には使い方を間違えると逆効果になるものもあります。特にハンディファンや冷却スプレーは要注意。正しく使う方法をお伝えします。

暑さ対策グッズが欠かせない日本の猛暑の現実

夏の暑さ対策アイテム

近年の日本の夏は、世界的に見ても暑さが厳しくなっています。東京や大阪などの都市部では35℃を超える猛暑日が珍しくなく、2023年には東京都内で観測史上最高の40℃超えを記録しました。

暑さの主な原因は、ヒートアイランド現象です。都市部の道路やビルが熱を蓄えてしまうため、日が暮れても気温が下がりません。その結果、体温調節がうまくできず、熱中症の危険が高まるのです。

しかし、そんな暑い夏を乗り切るためのグッズもたくさん出ています。ハンディファン(手持ち扇風機)や冷却スプレーなどをよく見かけますが、本当に効果があるのでしょうか?一見便利に見えるこれらのグッズですが、間違った使い方をするとかえって危険な場合があります。

気をつけたい!逆効果になりやすい暑さ対策グッズ6つ

暑さ対策グッズの中には、一見便利そうに見えても、実は暑さを悪化させる危険があるものもあります。なぜそれらが逆効果になってしまうのか、詳しく紹介します。

① ハンディファン(手持ち扇風機)

ハンディファン(手持ち扇風機)は夏場に多く見かける人気アイテムです。しかし、実は35℃を超える猛暑日に使うと逆効果になることがあります。

理由の一つは、気温が体温よりも高いときにファンを使うと、体に熱風を直接吹き付けることになるからです。特に首元などの血管が集まっている場所に熱風を当てると、熱い血液が全身を巡り、体温が上がってしまいます。

また、汗をかいているときに風を当てすぎると、汗が蒸発する前に乾いてしまい、体の冷却機能を妨げてしまいます。すると体温調整がうまくいかず、熱中症を引き起こす可能性が高まります。

ハンディファンを使うときは以下の点に注意してください。

  • 35℃以上の猛暑日には使わない
  • 風は顔や腕などに短時間だけ当てる
  • 濡れタオルや冷感ミストを一緒に使うと効果的

特に子供やお年寄りは、体温調節が難しいため注意が必要です。

② メントール入り冷感スプレー(体温は下がりにくい)

メントール入り冷感スプレーは、夏場に手軽に使えるため人気がありますが、実際のところ体温を下げる効果は限定的です。

メントール成分の働きによって一時的に肌が冷たく感じますが、これはあくまでも感覚だけのもの。体温自体が下がったわけではありません。涼しさを感じている間に、水分補給や休憩を忘れてしまうこともあり、かえって熱中症のリスクを高めてしまうこともあります。

また肌の弱い人にはメントールが刺激となり、かぶれや赤みの原因になる場合があります。

メントール入り冷感スプレーを安全に使うには、次のポイントを守ってください。

  • 首筋や手首などに少量だけ使用する
  • 濡れタオルにスプレーしてから肌に当てる
  • スプレーの使用に頼らず、水分補給や休憩を必ず併用する

なお、エタノール入りの冷却スプレー(瞬間冷却剤)は、気化熱の作用で皮膚表面の温度を一時的に下げる効果があります。こちらは正しく使えば効果的なグッズといえるでしょう。

③ うちわ

うちわは日本の夏の風物詩として昔から親しまれていますが、暑さ対策としての効果は限定的です。

暑い日にうちわを使っても涼しくならないどころか、気温が35℃を超える猛暑日の場合はかえって暑く感じることがあります。その理由は、気温が体温に近い、またはそれを超える温度の空気を自分の体に当てているからです。

うちわであおぐと体の周りの暑い空気が動くだけで、涼しくなることはありません。むしろあおぎ続けることで体力を消耗してしまいます。

うちわを使って効果的に涼しくなるには、次のような使い方をおすすめします。

  • 冷房が効いた室内や日陰で、空気を循環させる目的で使う
  • 濡れタオルで首や腕を冷やしながら、軽くあおぐ程度にとどめる

猛暑日の外ではうちわを使うよりも、日陰や涼しい場所で休憩を取る方が効果的です。

④ 冷却シート(冷えピタ)

冷却シート(冷えピタ)は、簡単に使えてひんやりと感じられますが、実際には体温を下げる効果はほとんどありません。

冷却シートは肌の表面を一時的に冷やすだけで、体の内部の温度(深部体温)はほぼ下がりません。熱中症予防や暑さ対策としては非常に限定的であり、あくまでも補助的な役割しかありません。これだけに頼って暑い場所に長時間いることは危険です。

  • 冷却シートを上手に活用するためのポイントは以下のとおりです。
  • 額や首筋などに貼って体感温度を下げる補助として使う
  • 冷却シートだけに頼らず、水分補給や涼しい場所への移動を優先する
  • 暑さを感じる前の予防的な使用を心がける

⑤ 首に巻く保冷剤(凍傷リスクに注意)

首に巻くタイプの保冷剤は簡単に使えることから人気ですが、使い方を間違えると凍傷を引き起こすリスクがあります。

保冷剤を直接肌に当てたまま長時間使い続けると、皮膚が強く冷やされ、凍傷や皮膚障害が発生する恐れがあります。また首元を冷やし続けると、自律神経のバランスを崩し、めまいや頭痛などの不調が現れる場合もあります。

  • 保冷剤を安全かつ効果的に使うために以下のポイントを守ってください。
  • 保冷剤を必ずタオルや布で包み、直接肌に触れさせない
  • 15分使用したら一度外して休憩をとる
  • 体調に異変を感じたら使用を中止する

⑥ 通気性の悪い帽子や衣服

暑い日には帽子を被った方がいいと思われがちですが、通気性の悪い帽子をかぶるとかえって熱中症の危険が高まります。

頭は熱がこもりやすい場所です。通気性の悪い素材や厚手の帽子を被ると、頭部の温度が上昇し、体全体に熱がこもります。また、帽子の中に冷感グッズを入れても、通気性が悪いと熱が逃げにくく、むしろ逆効果になる場合があります。

帽子や衣服を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 通気性の良い麦わら帽子やメッシュタイプの帽子を選ぶ
  • 色は白や薄い色のものを選ぶ(黒や濃い色は熱を吸収しやすい)
  • 衣服も吸水速乾性の高い素材を選ぶ

外出時は特に帽子や衣服の素材や形に気をつけましょう。

正しく使えば涼しくなる暑さ対策グッズ

暑さ対策グッズには、正しい使い方をすればしっかり効果を発揮してくれるものもあります。ここでは、使い方を工夫することで暑さをしのぐことができるグッズを紹介します。

水で濡らすタイプの冷感タオル(正しく使えば効果的)

水で濡らすタイプの冷感タオルは、正しく使うと非常に効果的な暑さ対策グッズになります。

高温多湿の屋外でも、水分を含ませて適度に絞り、軽く振ったり風を当てたりすることで気化熱を利用した冷却効果が得られます。実際に、使用方法によっては肌表面の温度を大幅に下げ、涼しさを感じることができます。

冷感タオルを最大限活用するためのポイントは以下の通りです。

  • こまめに冷たい水で濡らし直す
  • ハンディファンと組み合わせて気化熱効果を高める
  • 首筋や手首など血管が近い場所を冷やす

ただし、冷感タオル単独に頼りすぎず、水分補給や休憩を適切に行うことも忘れないでください。

日傘

日傘は直射日光を遮り、暑さを和らげる優れたアイテムです。最近では、UVカット効果や遮熱効果の高い製品が多く販売されています。

直射日光を浴び続けると、体温が急激に上昇して熱中症のリスクが高まります。日傘を使用すると、体感温度が約2~3℃下がり、体への負担も軽減されます。また、白や薄い色の日傘を選ぶと、日光を反射しやすくなり、より涼しく感じられます。

ネッククーラー

首には太い血管が通っているため、ここを冷やすと効率よく体温を下げることができます。ネッククーラーは、冷却ジェルタイプや電動冷却タイプなどがありますが、いずれも体温調節に役立ちます。

ただし、長時間の連続使用は避けましょう。15分程度使用したら数分休憩を挟むなど、適度な間隔を置くことが体調管理のコツです。また、肌への刺激が気になる人は、タオルなどを間に挟むと安心です。

冷感インナーウェア

暑い季節には、吸湿速乾性のある冷感インナーウェアが効果的です。汗を素早く吸収して発散させるため、汗による不快感を減らし、肌をさらさらの状態に保ちます。

また、最近では通気性が高く、熱がこもりにくい素材のものも多数登場しています。選ぶ際には、素材表示を確認し、吸湿速乾や通気性が優れているものを選びましょう。

まとめ

暑さ対策グッズは便利なものも多いですが、使い方を間違えると熱中症のリスクが高まることがあります。実際、気温が35℃を超える猛暑日にグッズに頼りすぎると、かえって体温が上昇して危険です。

大切なのは、体調に異変を感じる前に休憩を取ること。体温調節機能が衰える中高年や子どもは、グッズに過信せず、こまめに涼しい場所へ移動し、涼をとることが命を守るためのポイントになります。

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