目次
電子レンジは便利だけど危険もある家電
電子レンジは冷めた料理を手軽に温められる便利なアイテムです。野菜の下処理にも使えるので、多くの家庭に欠かせません。しかし、すべての食べ物を安全に温められるわけではなく、電子レンジで温めると爆発や火災につながる食べ物も存在します。
正しい知識がないまま使用すると、大切な家電が故障したり、やけどや火災事故を引き起こす恐れがあります。どんな食べ物が危険なのか、なぜ危険なのかをしっかり理解し、電子レンジを安全に使えるようにしましょう。
電子レンジで爆発が起きると、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 食べ物が庫内に飛び散り、掃除が大変になる
- 飛び散った食べ物が機械に入り込み、故障や発火の原因になる
- 熱い食べ物でやけどを負うことがある
こうしたトラブルを避けるためにも、電子レンジで加熱すると爆発しやすい食べ物を知ることが重要です。
電子レンジで加熱すると爆発しやすい10の食べ物
電子レンジで爆発を起こす食べ物には、いくつかの共通点があります。その中でも身近で特に注意したい食べ物を紹介し、なぜ爆発するのか、安全に温める方法を詳しく解説します。
1. 卵(殻付き、生卵、ゆで卵)
電子レンジで温めてはいけない食べ物の代表が卵です。殻付きの卵はもちろん、殻を割った生卵やゆで卵も電子レンジで温めると爆発することがあります。
卵の中身は多くの水分を含んでいます。電子レンジで加熱すると卵の中の水分が急激に温められ、水蒸気に変化します。逃げ場のない水蒸気は卵の中で圧力を高め、殻や薄い膜がその圧力に耐えられず破裂します。これは見た目以上に強力な爆発であり、やけどや怪我の危険性も高いのです。
電子レンジで卵を安全に温める方法は、卵を溶きほぐし、少量の水や牛乳を加えて温めることです。また、卵を温める場合は、短い時間ずつこまめに確認しながら加熱するようにしましょう。
2. ソーセージ・ウインナー
ソーセージやウインナーも電子レンジで爆発することがあります。皮が薄いにも関わらず内部に水分や脂肪が多く、電子レンジで加熱すると内部が急激に温まり、水蒸気が発生して逃げ場を失います。その結果、皮が破裂してしまうのです。
破裂を防ぐには、電子レンジで温める前に爪楊枝で数か所に穴を開けるか、薄く切れ込みを入れて水蒸気の逃げ道を作るとよいでしょう。また、加熱時間は短く設定し、10秒ずつ様子を見て追加加熱を行うことが大切です。
3. トマト・ミニトマト
トマトやミニトマトも電子レンジで温めると破裂しやすい食べ物です。トマトの皮は薄く、中には多くの水分が含まれています。電子レンジで内部の水分が急激に加熱されると膨張し、皮が圧力に耐えきれず破裂します。
トマトの爆発を防ぐためには、加熱前に皮に十字の切り込みを入れておくか、半分にカットしてから加熱しましょう。また、ラップは密閉しないようにゆるくかけることも効果的です。
4. カレーやシチューなど、とろみのある料理
カレーやシチューのように、とろみがある食べ物は電子レンジで温めると「突沸(とっぷつ)」と呼ばれる現象が起こりやすくなります。突沸とは、食べ物の内部が局所的に過熱され、水蒸気が急激に沸騰して表面に噴き出す現象です。
この現象が起きると、食べ物が電子レンジ内で飛び散り、やけどや汚れの原因になります。とろみのある料理を温める際は、深めの耐熱容器を使い、途中で一度取り出してよく混ぜてから再度加熱することが大切です。
5. さつまいもやかぼちゃなど、水分が少ない食べ物
さつまいもやかぼちゃ、ドライフルーツやナッツなど水分が少ない食べ物も注意が必要です。これらの食べ物は、電子レンジで加熱すると急激に水分が蒸発し、高温になって焦げ付きや炭化を起こします。長時間加熱すると炭化した部分が発火し、火災につながる恐れがあります。
安全に温めるには、食材の表面に少量の水を加え、ラップで包んで短時間ずつ加熱しましょう。また、水で濡らしたキッチンペーパーで包んで温めるとさらに安全です。
6. 鶏肉(ささみ、胸肉、手羽先など)
鶏肉を電子レンジで温めると爆発する場合があります。鶏肉の表面には薄い膜や皮があり、電子レンジで内部の水分が温められると、水蒸気が発生して閉じ込められます。内部の圧力が高まると皮や膜が耐えきれず破裂します。
特にささみや手羽先、胸肉などは爆発しやすく、電子レンジの中で肉汁や脂が飛び散り掃除が大変になります。安全に温めるには、肉の表面をフォークで何か所か刺して穴を開けてから加熱するのが効果的です。また、加熱時間は短めに設定し、途中で一度ひっくり返すなどして均一に温まるように工夫しましょう。
7. 厚揚げや油揚げなど、油を多く含んだ食べ物
厚揚げや油揚げのような食品も、電子レンジで爆発するリスクがあります。これらの食品は、内部に多くの水分と油分を含んでいます。電子レンジで急速に加熱されると内部の水蒸気と油が急激に膨張して逃げ場を失い、破裂を引き起こします。
特に厚揚げは内部がスポンジ状になっているため、加熱すると膨張が激しくなります。爆発を防ぐには、加熱前に熱湯で油抜きをし、キッチンペーパーで水分をよく拭き取ってから電子レンジで温めると安全です。深めの耐熱容器を使い、短時間ずつ加熱して様子を見ることが大切です。
8. チーズなどの油分が多く水分の少ない食べ物
チーズやピザの耳など、油分が多く水分が少ない食品は、電子レンジで長時間加熱すると発火や爆発を引き起こす可能性があります。油分が多い食品は過度な加熱で高温になりやすく、炭化した部分から煙や火花が出ることがあります。
安全に温める方法としては、低い出力(500W以下)で短時間ずつ加熱し、様子を見ながら少しずつ温めるのが重要です。途中で食品を混ぜる、または少量の水を加えることで、焦げ付きや炭化を防ぐことができます。
9. 栗やぎんなんなど殻付きの食べ物
栗やぎんなんなど殻付きの食べ物は、電子レンジで加熱すると爆発しやすいため注意が必要です。殻の中には水分が閉じ込められており、電子レンジで急速に加熱すると水分が水蒸気に変わります。殻がその圧力に耐えられず破裂してしまいます。
このような食品を安全に加熱するためには、殻に切れ目や穴を開けて内部の圧力が逃げるようにしましょう。また、殻をむいてから加熱する方法も有効です。どちらにしても短時間ずつ、様子を見ながら慎重に加熱してください。
10. みりんや料理酒など、アルコールを含む調味料
みりんや料理酒を電子レンジで加熱すると、「突沸」という現象が起きやすくなります。アルコール分を含む液体は急激に沸騰し、激しく飛び散る可能性があります。特に電子レンジで加熱すると、短時間でアルコールが蒸発し、水蒸気とともに吹きこぼれます。
みりんや料理酒を電子レンジで安全に加熱するには、ラップをせずに広口の耐熱容器で加熱し、加熱後はすぐ取り出さず30秒ほど置いてから庫内から取り出すのが効果的です。短時間(30~60秒)ごとに様子を見ながら慎重に温めましょう。大量にアルコールを飛ばす場合は、鍋で加熱する方が安全です。
まとめ
電子レンジは手軽で便利な家電ですが、身近な食べ物でも意外な危険が潜んでいます。特に、水分が閉じ込められた食品や薄皮で覆われた食品、油分が多く水分の少ない食品は要注意です。また、アルコールを含んだ調味料も加熱時に突沸を起こすことがあります。
大切なのは食品の特性を理解し、事前に簡単な処理を施すことです。普段から電子レンジをきれいに保つことで、万が一爆発が起きても被害を最小限に抑えることができます。安全な使い方を心掛けましょう。