日焼け止めを塗っても日焼けするのはなぜ?理由と正しい使い方を解説

「日焼け止めを塗ったのに焼けてしまった」経験、ありませんか?実は、量や塗り方など、日焼け止めの使い方に原因があるかもしれません。日焼けを防ぐための正しい方法をわかりやすく解説します。

紫外線対策は夏だけじゃない

麦わら帽子とサングラス

「日焼けするのは夏だけ」と思っている人は多いですが、実は紫外線は一年中降り注いでいます。夏以外の季節や曇りの日でも油断できません。

地上に届く紫外線の約95%を占めるUVAは、雲の日でも最大80%、窓ガラスでも約50~75%が通り抜けて肌に届きます。特に春や秋の外出では油断しやすいため、注意が必要です。

日焼け対策は難しくありません。毎日の習慣にしてしまえば、美肌を守ることは可能です。

《紫外線対策の基本4ステップ》

  1. 日焼け止めを正しく使う(特に量と塗り直し)
  2. UVカット機能のあるサングラスを使う
  3. 日傘や帽子で紫外線を防ぐ
  4. 黒や紺色など、濃い色の衣服を選ぶ

紫外線が最も強いのは午前10時から午後2時の間です。この時間帯の外出時には特に念入りな対策を心掛けましょう。トマトや鮭など抗酸化作用のある食べ物をとることで、紫外線による肌ダメージを軽くすることもできます。

日焼け止めを塗っても日焼けする理由

「日焼け止めをちゃんと塗ったのに焼けてしまった」という経験は、多くの人にとって共通する悩みです。日焼け止めを塗ったのに日焼けしてしまう理由には、次のようなものがあります。

①使用する量が足りていない

日焼け止めは正しい量を使わないと十分な効果が出ません。顔に日焼け止めを塗る場合、「500円玉大」の量が目安です。

この量を守らないと、SPFやPAの表示通りの効果は期待できず、半分以下の防御力しか発揮できません。たとえばSPF50を少ししか塗らなければ、実際の効果はSPF20以下になってしまいます。

また、子どもの場合でも量を減らさず、大人と同じ目安で塗る必要があります。

②塗り直しをしていない

「朝に日焼け止めを塗ったから安心」というのはよくある勘違いです。日焼け止めの効果は、通常2~3時間で弱まってしまいます。特に汗をかいたり、水に濡れたりすると日焼け止めは簡単に落ちてしまうため、さらに短時間で効果がなくなります。

また室内でも、窓ガラス越しの紫外線は肌に届きます。日中は2~3時間ごとに塗り直す習慣をつけることが重要です。メイクの上からの塗り直しには、スプレータイプやパウダータイプの日焼け止めを使うのが便利です。

③日焼け止めの塗りムラがある

日焼け止めはムラなく均一に塗ることが大切ですが、多くの人が無意識に塗りムラを作ってしまいます。特に塗り忘れが多いのは、以下の場所です。

  • 額の生え際
  • 眉間
  • 耳の後ろや耳たぶ
  • 首の後ろ(うなじ)
  • 手や腕の裏側

自分では塗ったつもりでも、実際は塗り忘れていることが多いため、鏡で確認する習慣をつけましょう。また、スプレータイプの日焼け止めを使った場合は、スプレー後に必ず手で馴染ませて塗りムラを防ぐことが重要です。

④日焼け止めを塗るタイミングが遅い

日焼け止めは肌に馴染んで効果を発揮するまでに約15分程度の時間がかかります。そのため、外出直前に塗るのではなく、家を出る15分前に塗るのが正解です。また、塗った直後に着替えると衣服に付着してしまい効果が落ちるため、着替えを済ませてから塗るようにするとよいでしょう。

⑤日焼け止めのSPF・PAが場面に合っていない

日焼け止めには、紫外線を防ぐ強さを表す「SPF」と「PA」という表示があります。SPFは主に肌が赤くなる日焼け(UVB)を防ぐ強さを、PAは肌を黒くしたりシワを作る日焼け(UVA)を防ぐ強さを表しています。

普段の日常生活ならSPF30~50・PA+++程度が目安ですが、海や山など紫外線が特に強い場所に行く場合、これでは足りません。そのような場所では、SPF50+・PA++++の日焼け止めを使うことが重要です。

また、「ウォータープルーフ」と表示された製品は現在、「ウォーターレジスタント」という表記に統一されています。「40分耐水」「80分耐水」と表示されているので、汗や水に触れる時間に応じて製品を選ぶようにしましょう。

⑥日焼け止めの品質が落ちている

日焼け止めは未開封なら約3年間、開封後は1年以内に使い切ることが推奨されています。古い日焼け止めは品質が劣化し、表示されているSPFやPAの効果が十分に発揮できなくなります。

特に夏場の高温の車内や、直射日光が当たる場所に日焼け止めを長期間放置すると、さらに品質が落ちやすくなります。夏の間、バッグに入れっぱなしになっていた日焼け止めは、翌年に使わず、新しいものを購入しましょう。

⑦肌の乾燥や皮脂によって落ちやすくなっている

肌が乾燥していると、日焼け止めが肌に密着せず、すぐに落ちてしまう原因になります。また、皮脂が多く出るおでこや鼻などのTゾーンでは、日焼け止めが皮脂と混ざって崩れやすくなります。

肌の乾燥を防ぐためには、日焼け止めを塗る前に化粧水や乳液で保湿を十分に行うことが大切です。一方、皮脂が多い部分は、日焼け止めを塗った後に皮脂吸着効果のあるパウダーで仕上げたり、こまめにティッシュなどで軽く押さえて皮脂を取り除き、再度日焼け止めを塗ると効果的です。

⑧日焼け止めが肌に合っていない

日焼け止めには、「紫外線吸収剤タイプ」と「紫外線散乱剤タイプ」があります。

紫外線吸収剤タイプは紫外線を吸収して熱に変えて放出するため、肌への刺激が強く、敏感肌の人には合わない場合があります。一方、紫外線散乱剤タイプは紫外線を反射させることで防ぎ、肌に優しく刺激が少ないですが、塗った後に白っぽく見える場合があります。

最近は肌への刺激を抑えた「ノンケミカルタイプ」や、天然由来の成分を使った「ミネラルタイプ」もあります。自分の肌に合うタイプを選ばないと、肌荒れを起こしたり日焼け止めが十分に密着せず、効果が下がることがあるため、注意が必要です。

正しい日焼け止めの使い方

日焼け止めの効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方を知ることが重要です。日焼け止めの塗り方やタイミング、選び方を具体的に見ていきましょう。

塗る順番と方法を確認する

日焼け止めを塗るタイミングは、スキンケア(化粧水や乳液など)の最後、メイクの前に塗るのが正解です。肌をしっかり保湿した後で日焼け止めを塗ることで、紫外線を防ぐ力がアップします。

塗り方は、額・鼻・両頬・あごの5箇所に日焼け止めを置き、指で丁寧に顔の内側から外側へと伸ばします。耳や首筋、髪の生え際まで忘れずに塗り、塗りムラがないか鏡で確認しましょう。

体に塗る場合は、腕や足の上部から下部に向けて丁寧に伸ばすように塗り、日焼けしやすい首やうなじも必ず塗ってください。

肌質や場面で使い分ける

日焼け止めには、クリームタイプ、ジェルタイプ、スプレータイプなどさまざまな種類があります。それぞれの特徴を知り、自分に合ったものを選ぶことで日焼け止めの効果が高まります。

  • クリームタイプ:保湿力が高く、肌が乾燥しやすい人に向いています。丁寧に伸ばす必要がありますが、効果が長持ちします。
  • ジェルタイプ:べたつきが少なくサラッとした使い心地ですが、量が少なくなりがちなので注意しましょう。
  • スプレータイプ:手軽ですが塗りムラができやすいです。スプレー後に手で均一に伸ばすことが重要です。
  • パウダータイプ:メイクの上から手軽に使えますが、汗や水に弱いため単体ではなく他のタイプと併用がベストです。

また、環境や社会貢献に配慮した日焼け止めを選ぶ場合は、「リーフフレンドリー」や「マイクロプラスチックフリー」などの表示がある製品を選びましょう。

塗り直しを習慣にする

日焼け止めの効果を長持ちさせるためには、塗り直しがとても重要です。汗をかいた後や水泳の後はもちろんですが、日常生活でも2~3時間ごとに塗り直しましょう。スプレータイプやスティックタイプを持ち歩いておけば、外出先でも簡単に塗り直すことができます。

夜は丁寧に落とす

日焼け止めは肌に長時間残ると肌荒れの原因になるため、夜は必ず落としましょう。普通の日焼け止めなら石けんや通常の洗顔料で十分落とせますが、「ウォーターレジスタント」タイプを使用した日は、クレンジングオイルなどで二度洗いすると確実に落ちます。その後、十分に保湿をすることも忘れないようにしましょう。

まとめ

貝殻と日焼け止め

紫外線対策は「日焼け止めを正しく使う」ことが基本ですが、肌自体の健康を保つことも大切です。日常的にビタミンCや抗酸化作用のある食品をとり、紫外線に強い肌作りを心掛けましょう。

また、睡眠不足やストレスも紫外線のダメージを増やす原因になるため、生活習慣全体を見直すことも重要です。肌の内側と外側からの両方のケアで、日焼けしにくい健康な肌を維持できます。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る