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ブレーカーが落ちる主な原因は?
ブレーカーが落ちる原因を知っておくと、もしもの時も慌てず対応できます。主な原因は、電気の使い過ぎによる過負荷、漏電、ショート(短絡)、ブレーカー本体の故障、そして雷などの自然災害の5つです。
特に、冬場や夏場にエアコンや電子レンジなど消費電力の大きな家電を同時に使うと、電気の使用量が契約アンペア数を超えてしまい、ブレーカーが落ちやすくなります。また、古い電気コードや水回りの家電から漏電することもあります。漏電は放置すると火災につながる危険性があります。さらに雷が近くで落ちた場合、電線を伝わって家の中でショートし、漏電ブレーカーが落ちることもあります。
ブレーカーが何度も落ちる場合、ブレーカーそのものが古くなって故障している可能性もあります。ブレーカーの寿命は約10〜15年ですので、頻繁に落ちる場合は交換が必要です。
ブレーカーが落ちた時に絶対やってはいけないこと
突然ブレーカーが落ちると慌ててしまいますが、間違った対処は感電や火災など、大きな事故につながる恐れがあります。安全に対処するためにも、以下の行動は避けるようにしてください。
①落ちたブレーカーをすぐに戻す
ブレーカーが落ちた時、すぐに元の位置に戻したくなりますが、これは危険です。
特に漏電が原因の場合、漏電箇所が特定されないまま電気を再び流すと、感電や火災のリスクがあります。まずは落ち着いて、どのブレーカーが落ちたのかを確認しましょう。漏電ブレーカーが落ちている場合は、専門の業者に点検を依頼する必要があります。
また、ショートが起きている場合も、原因となる機器を取り除かないままブレーカーを上げると、再度ショートして火花が飛ぶ危険があります。ブレーカーが落ちたら原因を確認してから復旧することが大切です。
②家電のプラグを挿したまま復旧させる
ブレーカーが落ちた時に、家電製品のプラグをコンセントに挿したままブレーカーを戻すのは危険です。
復旧時に家電製品が一斉に動き出し、大きな電流が流れて再びブレーカーが落ちる原因になります。さらに、電気ストーブやドライヤーなど熱を発する家電の場合、いきなり再稼働すると火災ややけどの危険があります。
また、コンセントや家電のコードが熱を持ったり、焦げたにおいがしたりする場合は、内部でショートや漏電が起きている可能性が高いです。必ずプラグを抜き、安全を確認してからブレーカーを戻しましょう。
③漏電を放置してしまう
漏電ブレーカーが落ちた場合は特に注意が必要です。漏電は、古い家電や電気配線の劣化、水濡れなどで起きやすく、放置すると火災や感電事故に直結します。漏電ブレーカーが落ちているにもかかわらず、「とりあえず復旧すれば大丈夫」と考えてはいけません。
漏電している箇所が分からない場合は、安全ブレーカーを1つずつ切り分けて確認する方法がありますが、専門的な知識がない場合は危険が伴います。漏電が疑われる際は、すぐに専門の電気工事業者に依頼し、点検・修理をしてもらいましょう。漏電は自然には直らないので、必ず専門家による対応が必要です。
④ブレーカーを落ちないように固定する
頻繁にブレーカーが落ちると、「もう落ちないように固定したい」と考える人がいます。しかし、これは絶対に行ってはいけません。
ブレーカーは安全を守るために、自動的に電気を遮断する仕組みになっています。ブレーカーをテープなどで固定してしまうと、漏電や過電流などが発生した際に遮断できず、火災や感電事故を引き起こす原因になります。
また、このような固定方法は消防法などの法令違反にも該当し、非常に危険です。頻繁にブレーカーが落ちる場合は、固定せず原因を突き止めるか、契約アンペア数を見直すなどの正しい対処をしましょう。
ブレーカーが落ちた時の安全な対処法
ブレーカーが落ちた時に焦らず冷静に対処することで、安全かつ迅速に復旧できます。以下の手順で対処するようにしてください。
家電の電源を切り、コンセントを抜く
まず、ブレーカーが落ちる直前まで使っていた家電製品の電源をすべて切り、プラグをコンセントから抜いてください。
特に電子レンジ、エアコン、ドライヤーなど消費電力が大きい製品は、復旧時に再びブレーカーを落とす原因になりやすいため、必ずプラグを抜いておきます。これによって安全に復旧作業を進めることができます。
また、コンセントやプラグが熱くなっていないか、コードが焦げていないかなども確認しましょう。もし異常があれば、その家電は使用を止めて専門業者に点検してもらってください。
ブレーカーの種類と落ちた箇所を確認する
ブレーカーには、大きく分けてアンペアブレーカー(主開閉器)、漏電ブレーカー、安全ブレーカーの3種類があります。どの種類のブレーカーが落ちたかで対処法が異なるため、まずは落ちたブレーカーを目視で確認します。
一般的に、スイッチが「下向き(OFF)」になっているのが落ちている状態です。アンペアブレーカーが落ちている場合は、家全体で電気を使いすぎている可能性があります。
安全ブレーカーが落ちている場合は、特定の部屋や回路で過負荷やショートが発生しています。漏電ブレーカーが落ちている場合は、漏電の可能性が高く、慎重な対応が必要です。
安全な順番でブレーカーを戻す
ブレーカーを復旧させる際には順番があります。最初にアンペアブレーカー(主開閉器)を「ON(上向き)」にします。次に漏電ブレーカーを上げ、その後に安全ブレーカーを一つずつONにしていきます。もし安全ブレーカーを上げている途中で再び落ちた場合は、その回路や部屋に異常があることがわかります。
漏電ブレーカーがすぐに落ちる場合や、安全ブレーカーが特定の場所だけ落ちる場合は、そのまま使用せず専門業者に連絡しましょう。異常が確認されなければ、家電のプラグを順番に挿していき、正常に動作するかを確認します。すべての家電が問題なく動作すれば復旧完了です。
ブレーカーを安全に使うための準備と対策
日常的に安全に電気を使うためには、事前の準備や日頃の注意も欠かせません。普段から心がけるべきポイントを紹介します。
契約アンペア数を把握する
契約している電力のアンペア数(契約容量)を事前に把握し、それを超えないように注意することが重要です。一般家庭の契約アンペア数は30A、40A、50Aが一般的ですが、最近ではスマートメーターが設置されている場合もあります。
スマートメーターの場合、自動復旧機能がありますが、契約容量を超えれば遮断される点は同じです。電力会社の明細書や分電盤を確認して、契約容量を知っておきましょう。
家電製品の使い方を工夫する
消費電力の大きな家電製品を複数同時に使うと、ブレーカーが落ちやすくなります。
例えば電子レンジとドライヤー、エアコンとIH調理器などは同時に使わず、時間をずらして使うと安全です。また、タコ足配線や延長コードを過剰に使用すると過熱やショートを引き起こすことがありますので、コンセントの使い方も工夫しましょう。
懐中電灯やスマホライトを準備する
ブレーカーが落ちると家の中が突然真っ暗になり、慌てて転倒や怪我をする危険があります。停電に備えて、懐中電灯やスマートフォンのライトをすぐ手に取れる場所に用意しておくことをおすすめします。家族にも懐中電灯の置き場所を共有しておき、いざという時に慌てないように備えましょう。
まとめ
普段意識することは少ないブレーカーですが、いざ落ちると混乱しやすく、誤った行動は事故につながります。日頃から安全に電気を使う工夫をしておけば、突然のトラブルにも落ち着いて対応できます。
また、近年増えているスマート家電や高性能家電は消費電力が意外と高いことがあります。購入前に消費電力を確認し、契約アンペア数を見直したり家電の使い方を見直したりして、安心・安全な暮らしを守ってください。