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雑穀米はどんなお米?白米とどう違う?
雑穀米がスーパーや飲食店などでもよく目にするようになりました。多くの人が食べるようになった理由は、雑穀米が白米より栄養価が高く、簡単に食べられるからです。
全国的に雑穀米の売り上げも年々増えており、2024年には雑穀を使ったご飯の商品市場は約121億円に達しました(小売業調査)。さらに健康アプリのデータでは、雑穀米を食べる人が2019年から2024年にかけて倍以上に増えていることがわかっています。
雑穀米は栄養が多く、白米には少ないミネラルや食物繊維を含んでいるため、食生活を健康的にしたい人たちを中心に人気があります。また、色々な食感や風味が楽しめることも人気の理由の一つです。
雑穀米を食べることで得られるメリット
雑穀米を食べることのメリットはたくさんあります。健康的な食生活を送りたい人にとって、栄養豊富な雑穀米は強い味方となります。それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
① おなかの調子を整えてくれる
雑穀米には白米に比べて多くの食物繊維が含まれています。食物繊維には、腸の動きを活発にし、おなかの調子を整える働きがあります。おなかの調子が整うと、便秘の改善につながり、体全体の調子もよくなります。
さらに、最近の研究では雑穀に含まれる食物繊維が腸内の善玉菌を増やし、免疫力を高めることもわかってきました。
② ゆっくり消化されるので体にやさしい
雑穀米は、白米よりもゆっくりと消化されます。そのため、食べた後に血糖値が急激に上がることを防ぐことができます。
血糖値が急に上がると、食後にだるくなったり眠くなったりする原因にもなります。ゆっくり消化される雑穀米は、こうした症状を防ぐことができます。これにより、体に負担がかからず、体調が安定しやすくなります。
③ 肌の健康をサポートしてくれる
雑穀米にはビタミンB群やポリフェノールが豊富に含まれています。これらの栄養素には、肌の健康を助ける働きがあります。
特に黒米や赤米に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、肌を若々しく保つために役立つと言われています。日々の食事に雑穀米を取り入れることで、自然に肌の健康をサポートすることができます。
④ 栄養バランスがよく筋肉や体力維持にも役立つ
雑穀米には、白米だけでは不足しがちな栄養素がバランスよく含まれています。特に、アマランサスやキヌアなど一部の雑穀には必須アミノ酸が含まれており、筋肉の成長や修復を助ける働きがあります。
このため、スポーツをする人や体力を維持したい人にとって、雑穀米はとても役に立つ食材です。
雑穀米がもたらすデメリット
雑穀米には多くのメリットがある一方で、注意が必要な点もあります。安心して食べ続けるためにも、これらを知っておきましょう。
1. 消化がゆっくりなので胃腸が弱い人は注意
雑穀米は消化がゆっくりであるため、胃腸が弱い人や子ども、高齢者は食べすぎるとお腹が張ったり、消化不良を起こしたりすることがあります。
特に、初めて雑穀米を食べる人は、少量ずつから試すことが重要です。また、よく噛んで食べることを意識しましょう。よく噛むことで消化が促され、負担を減らすことができます。
2. アレルギーに気をつける
雑穀米には色々な穀物が混ざっています。そのため、ごまや大豆、小麦などにアレルギーがある人は注意が必要です。雑穀米を購入する際には、必ずパッケージの成分表示を確認し、自分がアレルギーを持つものが入っていないかを確かめてください。
また、初めて食べる場合は少量ずつ試し、体の反応を見ながら食べるようにしましょう。
3. ミネラルを邪魔する成分が含まれることもある
雑穀米に含まれるフィチン酸は、鉄や亜鉛などのミネラルの吸収を少しだけ妨げることがあります。ただし、普通に食べる程度では問題ありませんが、ミネラル不足が気になる人は、調理前に十分に水に浸けることでフィチン酸を減らすことができます。
4. 雑穀米にもカロリーがあるので食べすぎは注意
雑穀米は「低カロリー」と誤解されがちですが、実は白米とほぼ同じか、雑穀の種類によってはやや高いこともあります。
例えば、炊いたご飯150g(お茶碗1杯)で比較すると、白米が約252kcalに対して、雑穀米はおよそ230~250kcalです。食べ過ぎるとカロリーの取りすぎになることもあるので、1食あたりの量は普段の白米と同じか、少し減らすよう意識しましょう。
雑穀米をおいしく炊くためのコツ
雑穀米をおいしく食べるためには、炊き方のポイントがあります。特に以下のコツを押さえることで、失敗せずにおいしく仕上げることができます。
炊く前に必ず水に浸けておく
雑穀米をおいしく炊くために一番重要なのが、炊く前にしっかりと水に浸けておくことです。目安として30分〜1時間は浸けましょう。
これを行うと、雑穀が水をしっかり吸収し、炊き上がりがふっくらとして食べやすくなります。また、水に浸けておくことで、雑穀に含まれるフィチン酸も減少します。
水の量を少し多めに調整する
雑穀米は白米よりも水を多く吸収します。そのため、普段よりも炊飯器の目盛りより10~20%程度多めの水を入れましょう。例えば2合の場合、炊飯器の目盛りより少し多く(大さじ2〜3杯ほど)水を加えると、おいしく炊きあがります。
炊飯器のモード選びが大切
雑穀米は炊飯器の普通モードでも炊けますが、もし可能なら「雑穀米モード」や「玄米モード」を使いましょう。雑穀米モードなどは浸水や炊飯時間が少し長めになっており、雑穀を柔らかく炊き上げることができます。逆に「早炊きモード」は硬くなりやすいので避けましょう。
塩をひとつまみ入れておいしさアップ
炊飯前に塩をほんのひとつまみ加えると、雑穀米の持つ旨味が引き立ち、食べたときの満足感が増します。塩を加える際は少量で十分です。もし塩分が気になる場合は省略しても構いません。
炊飯器の内釜の外側を拭いてから炊く
意外と見落としがちですが、炊飯器の内釜の外側に付いた水滴を拭き取ると、炊飯器の熱が均一に伝わり、炊きムラを防ぐことができます。炊飯前のちょっとした手間ですが、出来上がりに差が出ます。
雑穀米を飽きずに食べるためのアイデア
毎日の食事に取り入れ続けるには、飽きないような食べ方も大切です。雑穀米はそのまま食べるだけでなく、次のような料理にも使えるので、ぜひ試してみてください。
- 雑穀米のおにぎり(鮭や梅干し、昆布などの具材でアレンジ)
- 雑穀米のリゾット(トマトやチーズを使って洋風に)
- 雑穀米サラダ(アボカドやゆで卵と合わせると栄養価もアップ)
- 雑穀米入りスープ(チキンスープや野菜スープと一緒に煮込んで食べやすく)
雑穀米は和洋さまざまな料理に使えるので、工夫次第で毎日の食卓が豊かになります。
まとめ
雑穀米が人気なのは、単に健康志向が広まったからというだけではありません。雑穀の種類が豊富になり、炊飯器で簡単に炊ける商品が増え、日常生活に取り入れやすくなったことも大きな理由です。また、災害時の保存食としても注目されていることはあまり知られていません。
雑穀米は栄養面だけでなく、日々の食卓に楽しさを加えてくれる食材です。自分なりの食べ方を見つけて、楽しみながら続けていきましょう。