料理1回のガス代はいくら?IHコンロの電気代とどのくらい違う?

料理で使うガスコンロやIHクッキングヒーターの光熱費は、火力や使用時間、ガスの種類で大きく変わります。この記事では料理1回分のガス代や電気代の目安を最新の数値で紹介し、無駄なく節約する方法を詳しく解説します。

毎日の料理、光熱費はどのくらいかかる?

ガスコンロで料理をする女性

料理をする家庭では、毎日のようにガスコンロやIHクッキングヒーターを使います。最近では安全性や掃除のしやすさを理由にIHを選ぶ人も増えていますが、本当にお得なのか迷う人も多いでしょう。ガスや電気の料金は、使い方や使う時間、ガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)によっても大きく変わります。

この記事では、最新の数値でガスコンロとIHクッキングヒーターの光熱費を比較し、料理1回あたりのガス代や電気代を具体的に紹介します。さらに、無駄な光熱費をかけないための工夫や節約術についても詳しく見ていきます。

1回の料理でかかるガス代と電気代の目安

料理を1回するだけでも、使う機器や火力によって光熱費に違いが出ます。ここでは、都市ガス、プロパンガス、そしてIHクッキングヒーターを使った場合の料金を比較してみましょう。

都市ガスの場合、1時間あたり18円~77円程度

都市ガスの場合、火の強さ(弱火、中火、強火)によって、かかる料金は以下のように変わります(2025年現在の平均単価176円/m³を使用)。

  • 弱火(煮込み料理や弱火調理):1時間あたり約18円
  • 中火(一般的な炒め物や煮物):1時間あたり約37円
  • 強火(お湯を沸かす、強火炒め):1時間あたり約77円

例えば30分間の炒め物なら約18円ほどです。

プロパンガスは都市ガスより高めで1時間あたり40円~166円程度

プロパンガスは都市ガスよりも料金が高くなります。ただし、熱量が都市ガスの約2.2倍あるため、短時間で強い火力を得られる特徴があります。目安として、関東地方の平均単価495円/m³を使うと、

  • 弱火:1時間あたり約40円
  • 中火:1時間あたり約79円
  • 強火:1時間あたり約166円

となります。都市ガスより約2倍のコストですが、実際には短時間で調理が終わる場合もあります。

IHクッキングヒーターの場合、1時間あたり8円~92円程度

IHは電気代がかかりますが、火を使わない安全性と掃除のしやすさがあります。IHの電気代(全国平均31円/kWh)では、

  • 弱火(煮込み):1時間あたり約8円
  • 中火(炒め物):1時間あたり約31円
  • 強火(強火調理や湯沸かし):1時間あたり約92円

となります。ただし、IHは熱効率が高いため、実際には調理時間が短縮されることが多く、都市ガスとほぼ同等か少し高い程度の光熱費になることが多いです。

1ヶ月の光熱費はどれくらい?

電卓とお金

毎日の料理で使う光熱費は、1ヶ月単位で考えるとどれくらいになるでしょうか。ここでは、一般的な家庭(2人世帯)をモデルに、都市ガス、プロパンガス、IHクッキングヒーターの月間光熱費を比較します。

都市ガスの場合、1ヶ月の料理に約1,100円

都市ガスを使用する場合、夫婦2人で1日に30分〜1時間ほどコンロを使うと仮定すると、1ヶ月のガス代は約1,100円程度です。火力を強火中心で使う家庭はもう少し高くなり、1,500円程度になることもありますが、弱火や中火を上手に使うことで抑えることができます。

プロパンガスは都市ガスの約2倍、月2,200円以上

プロパンガスの料金は地域差がありますが、平均的に都市ガスの約2倍です。そのため、夫婦2人で同じ使い方をした場合、1ヶ月のガス代は約2,200円~2,500円程度かかるでしょう。月間の使用量が非常に少ない場合は基本料金が安いので、都市ガスとの差は縮まることもあります。

IHクッキングヒーターは1ヶ月約1,200円~1,500円程度

IHクッキングヒーターを使用する場合、夫婦2人の家庭で1日に30分〜1時間程度使用すると、1ヶ月の電気代は約1,200円~1,500円となります。ただし、夜間の電気料金が安いプランを利用すると月額1,000円以下に抑えることも可能です。

IHの場合、都市ガスとはほぼ同等でプロパンガスより安くなる傾向ですが、電気料金プランの選択が重要です。

キッチンだけをIHにした場合、光熱費はどう変わる?

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最近では「キッチンだけをIHに変える」という家庭も増えています。このような場合、光熱費はどのように変化するのでしょうか。

基本料金が二重になるので注意

キッチンのみをIHに変更すると、IHを使うための電気基本料金と、給湯器や暖房などに使うガス基本料金の両方を支払うことになります。

例えば、電気の基本料金が約1,100円、ガスの基本料金が約1,600円の場合、基本料金だけで毎月2,700円もかかることになります。そのため、キッチンだけIHに変更する場合は、基本料金を含めた総コストを考えて決定することが重要です。

キッチンだけIHにする場合の初期費用は7万〜15万円

ガスコンロからIHへの変更は、配線工事やIH本体の購入で7万〜15万円ほどの初期費用がかかります。

初期費用が回収できるまでの期間は、毎月の節約額によって異なりますが、プロパンガスから変更した場合、5年〜7年程度で回収できるケースが多いです。都市ガスからIHへの変更では、回収にもう少し時間がかかります。

ガス代や電気代を節約するコツ


料理で使うガスや電気の料金は、ちょっとした工夫で大きく変わります。ここでは、誰でもすぐに実践できる具体的な節約方法を紹介します。

鍋と火のサイズを合わせる

ガスコンロの火が鍋底からはみ出すと、その部分の熱は無駄になります。鍋やフライパンのサイズに合った火力で調理するだけで、ガス代を約10~20%も節約できます。

また、鍋底についた水滴は、余分なガスや電気を消費する原因になります。調理前にキッチンペーパーなどで水滴を拭き取る習慣をつけましょう。

圧力鍋や保温調理鍋を使う

圧力鍋は高い圧力で短時間で調理が完了し、通常の鍋に比べて調理時間を約半分に短縮できます。たとえば、カレーを作る場合、通常の鍋で30分以上かかるところを、圧力鍋なら5~10分程度の加熱で済みます。

また、保温調理鍋(シャトルシェフなど)を使えば、沸騰後に火を止めて余熱で調理が進むため、光熱費を最大60%も節約できます。これらの調理器具を活用すると、毎日の料理のコストが格段に下がります。

電子レンジや電気ケトルも併用する

料理の下ごしらえや温め直しに電子レンジを使えば、コンロの使用時間が短縮できます。電子レンジは600Wで3分使用しても電気代は約1円程度ですので、非常に経済的です。

お湯を沸かす際には電気ケトルが効率的です。電気ケトルなら3分で沸騰し、かかる電気代は約2円ほどです。これにより、ガスでお湯を沸かすよりも時間とコストの節約が可能です。

同時調理とまとめ調理を習慣にする

1回の調理で複数の料理を作ったり、野菜を茹でたお湯で麺を茹でたりするなど、一度の加熱で複数の工程を同時に行う「同時調理」は節約効果が高いです。また、作り置きして冷凍・冷蔵保存すれば調理回数を減らすことができ、光熱費の節約につながります。

IHとガス、それぞれのメリットとデメリットを知ろう

光熱費以外にも、ガスコンロとIHクッキングヒーターにはそれぞれ特徴があります。家庭に合った調理器具を選ぶためには、これらの特徴をしっかり把握することが大切です。

IHクッキングヒーターの良い点と悪い点

IHは火を使わず安全性が高く、特に高齢者や小さな子供がいる家庭で重宝します。また、掃除が簡単で、毎日の手入れの負担が少ない点も大きなメリットです。

一方、停電時には全く使えなくなることや、調理器具がIH対応品に限定されるというデメリットもあります。

ガスコンロの良い点と悪い点

ガスコンロは火力調整が直感的にでき、どんな調理器具でも使えるという便利さがあります。特にプロパンガスは災害時の停電や断水時にも利用可能で、非常時の強い味方になります。

しかし、IHに比べて安全性は低く、小さな子供や高齢者のいる家庭では注意が必要です。また、定期的に掃除やメンテナンスをしないと、ガス効率が下がって無駄なガス代が発生することがあります。

まとめ

料理にかかる光熱費を抑えるには、調理器具選びだけでなく、調理方法そのものの工夫が重要です。IHかガスかは光熱費だけで判断せず、家族の安全性や掃除のしやすさ、非常時の備えも考えて選びましょう。

さらに、毎日のちょっとした節約習慣が積み重なれば、1年間で家族旅行や特別な食事を楽しめるほどの節約効果を生み出すことも十分可能です。

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