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タクシーは公共の場?だからマナーが必要
電車やバスと同じように、タクシーも多くの人が利用する公共交通機関です。しかし、プライベートな空間だと感じるために、無意識にマナーがおろそかになることがあります。タクシーのマナーを守らないと、運転手や他の乗客、次に乗る人に迷惑をかけてしまいます。また、法律で決められたルールもあり、それを守らなければ罰金やトラブルになることもあります。
気持ちよく安全にタクシーを利用するためには、マナーをしっかり理解し守ることが大切です。
タクシーに乗るときにやってはいけない7つの行動
ここではタクシー利用時にありがちなNG行為を取り上げます。なぜやってはいけないのか、その理由をしっかり理解しましょう。
①順番を抜かして乗る
タクシー乗り場には順番待ちをする人がいます。自分が急いでいるからと順番を無視すると、他の人が不快に感じ、口論やトラブルの原因になります。また、乗り場以外でタクシーを拾うときも、自分より先に待っている人がいないか周囲をよく見て確認することが大切です。
②交差点や横断歩道で止める
交差点や横断歩道付近は事故が起こりやすい場所です。そこで無理にタクシーを止めると、後続車や歩行者に迷惑をかけるだけでなく、事故につながる危険性があります。運転手も違反になる可能性があるため、タクシー乗り場や安全な道路の端で乗り降りするのが基本です。
③濡れた傘や荷物を座席に置く
雨の日に濡れた傘やバッグを座席に直接置くと、座席が濡れてしまい次に乗る人が困ります。また、汚れがひどい場合は清掃費用を請求される可能性があります。ビニール袋に入れる、運転手に頼んでトランクに収納するなどの配慮が必要です。
④運転手を無理に急かす
急いでいるとつい「早く走って」と言いたくなりますが、無理な速度を出させると事故のリスクが高まります。タクシー運転手には安全運転をする義務があります。到着時間が気になる場合は、乗車前に到着可能かどうか確認するようにしましょう。
⑤ドアを勝手に開け閉めする
タクシーの左後部ドアは運転手が操作する仕組みになっています。自分で無理に開け閉めするとドアが故障したり、他の車にぶつかったりして危険です。自動で開かない場合も運転手に声をかけて任せましょう。右後ろや助手席のドアは自分で開閉して構いません。
⑥車内を汚す(飲食や泥靴など)
タクシー車内で飲食する場合、強いにおいのある食べ物や飲み物をこぼすと車内が汚れ、次の乗客に迷惑をかけます。特に嘔吐や泥だらけの靴で乗車すると、清掃費用を請求される可能性が高くなります。車内をきれいに保つ配慮が大切です。
⑦何度も行き先を変える
行き先を何度も変更すると、運転手が道を調べ直す手間や時間がかかります。また、後に続く配車スケジュールにも悪影響が出るため、大幅な目的地の変更は一度降りて精算し、再び乗り直すのがマナーです。
タクシー運転手が迷惑に感じる行動とは?
タクシーを快適に利用するためには、運転手に負担をかけないよう配慮することも大切です。自分では気づきにくい行動でも、運転手にとっては大きなストレスになることがあります。特に避けるべき行動を詳しく解説します。
①酔った状態で乗る
お酒を飲み過ぎて泥酔した状態でタクシーに乗ると、運転手にとっては行き先を聞き取るのが難しくなります。また、途中で気分が悪くなり車内で吐いてしまうと、清掃や対応の手間がかかり、清掃費用も請求される可能性があります。自分の体調と周囲の迷惑を考えて、お酒はほどほどにしましょう。
②料金を支払わない・財布を忘れる
タクシー料金を払わず逃げるのは犯罪行為です。故意でなくても、財布を忘れて支払えないと運転手は大変困ります。そのような場合は正直に身分証を見せて、後日きちんと料金を払うよう申し出ましょう。また、乗車前に財布を確認する習慣をつけるとトラブルを防げます。
③横柄な態度や暴言を吐く
「客だから」と運転手に偉そうに振る舞ったり、運転に不満を言ったりするのは、運転手の精神的な負担になります。特に運転中は運転手も集中しています。マナーとして相手に対して丁寧に接することを心がけましょう。
④目的地があいまいでうまく伝えられない
目的地が明確でないと、運転手は目的地を探すために余計な時間と労力を使います。住所がわからない場合でも、近くの目印や有名な建物を伝えるなど、運転手が目的地をスムーズに見つけられるようにする配慮が必要です。
⑤小額料金なのに1万円札で払う
小さな金額を払うときに1万円札を使うと、運転手がつり銭を用意するのに困ります。乗車前に小銭や小額紙幣を準備するか、電子マネーやクレジットカードなどキャッシュレス決済を活用するとスムーズです。やむを得ず1万円札を使う場合は乗車時に確認を取ると親切です。
⑥政治や宗教など難しい話をする
運転手と会話を楽しむことは悪いことではありませんが、政治的な問題や宗教の話は、考え方が異なるため運転手を困惑させることがあります。タクシーは公共の乗り物であるため、こうした話題は避けて、運転手にも自分にも気まずい思いをさせない配慮が必要です。
大人として恥をかかないタクシーの使い方
迷惑をかけないためのマナーを押さえるだけでなく、ちょっとした工夫を知っておくとタクシーの利用がもっと便利になります。
座る場所のマナー(上座・下座)
ビジネスシーンでは座る場所の順番(席次)が大切になります。運転席の後ろが「上座」と呼ばれ、目上の人やお客さんが座る席です。次に助手席の後ろ、その後に後部中央席、一番最後が助手席です。目下の人が配車を手配し、行き先の指示や支払いをするのがマナーです。
大きな荷物やベビーカーはトランクに入れる
大きな荷物やベビーカー、折り畳める車いすなどは座席ではなくトランクに収納します。座席を汚したり、他の乗客が座りにくくなることを避けるためです。トランクの使用は無料で、運転手に声をかければ快く収納してくれます。
子どもと乗るときは安全に配慮する
タクシーはチャイルドシートの使用が法律で免除されていますが、安全のため抱っこ紐やスリングでしっかり抱えて乗るのがよい方法です。運転手に「子どもが乗っています」と伝えれば、安全運転により気をつけてくれます。
降りるときにお礼を伝える
タクシーを降りる際に「ありがとうございました」とひと言添えると、運転手も気持ちよく次の仕事に向かえます。お互いに気持ちよく過ごすための小さな心遣いを忘れないことが大切です。
まとめ
タクシー利用時のマナーは、運転手や他の乗客への心遣いを表すものです。ルールを守るだけでなく、乗車前に目的地までの経路や料金の目安を調べておくと、運転手とスムーズなコミュニケーションがとれます。ちょっとした配慮が、タクシー利用をより快適で安全なものにする鍵となるのです。