江戸時代に実在した珍しい仕事10選!現代のサービス業のルーツかも?

現代では多種多様な仕事が存在していますが、江戸時代には今では想像できないような珍しい職業が多数ありました。当時の暮らしに密着した、驚きと工夫に満ちた江戸のユニークな仕事を紹介します。

江戸時代にあった珍しい仕事10選

江戸時代は現代のように便利な道具やサービスが少なかったため、人々は身近な課題を工夫して解決していました。その結果、現代人が思わず笑ってしまうような変わった仕事もたくさん生まれました。江戸ならではのユニークで面白い職業を紹介します。

1. 一人相撲(ひとりずもう)

「一人相撲」とは、その名前の通り、一人で力士二人分の役割を演じて相撲を取る大道芸です。相撲は江戸時代にとても人気があったため、この芸も各地で大変流行しました。一人の芸人が力士と行司を兼ねて、巧みな動きや面白い表情で観客を笑わせ、投げ銭を稼いでいました。現代で言うならば、コミカルなパントマイムに近い芸能です。

2. 猫のノミ取り屋

江戸時代にもペットを飼う人が多く、猫のノミに悩まされていました。そこで活躍したのが「猫のノミ取り屋」です。この職業は猫を温かいお湯で洗った後、特別な毛皮で猫を包み、ノミをおびき寄せて駆除するというもの。現代のペットグルーミングのような仕事であり、当時は専門的で珍しい職業として評判でした。

3. 作り雨屋(つくりあめや)

暑い江戸の夏、人々を楽しませるために登場したのが「作り雨屋」です。この仕事は屋根や路上にジョウロや桶を使って水をまき、人工的に雨を降らせるというものでした。人々は作り雨屋の演出で涼を取り、その光景も風情ある夏の風物詩として好まれました。現代のミストシャワーやウォーターショーのような感覚に近いと言えます。

4. 唐辛子売り(とうがらしうり)

江戸時代、薬味や調味料として人気だった唐辛子を売り歩くのが「唐辛子売り」です。この職業のユニークな点は、なんと180センチ以上もある巨大な張りぼての唐辛子を背負いながら町中を歩き、インパクトのある宣伝で注目を集めていました。その奇抜なスタイルは現代の着ぐるみプロモーションに似ています。

5. 冷水売り(ひやみずうり)

夏の暑さが厳しかった江戸時代、人々に涼を届けたのが「冷水売り」です。冷やした水に甘い白玉や砂糖を加え、「ひゃっこい、ひゃっこい」と声をかけながら町中を売り歩きました。特に夏季限定の人気の商売で、現代のかき氷やキッチンカーの原型とも言えるでしょう。

6. 耳の垢取り屋(みみのあかとりや)

現代にも耳かき専門店がありますが、江戸時代にも同じような仕事が存在していました。それが「耳の垢取り屋」です。人々の耳を丁寧に掃除する専門職で、耳掃除の技術が高い職人は「名人」として知られ、遠くから訪れるお客もいました。耳の垢取り屋は単に耳掃除をするだけでなく、客と雑談を楽しむ接客業の要素もありました。

7. 穴蔵屋(あなぐらや)

江戸時代には頻繁に火事が発生しており、商人たちは貴重な財産を守るため地下倉庫を作りました。その地下倉庫を専門的に設計・施工していたのが「穴蔵屋」です。地下倉庫は燃えないだけでなく防犯にも優れており、商売で成功した商人たちからの依頼が絶えませんでした。現代のトランクルーム業者や耐火金庫メーカーに相当する職業です。

8. 鋳掛屋(いかけや)

鍋や釜が大変高価だった江戸時代、簡単に買い替えはできませんでした。そこで登場したのが「鋳掛屋」です。この職業は町を回って、壊れたり穴があいた鍋や釜などを修理していました。金属を炉で溶かし、破損部分を補修するという技術は職人技として高く評価されました。現代の訪問修理サービスやリペアカフェに近い仕事です。

9. 損料屋(そんりょうや)

江戸時代に流行した「損料屋」は、現在で言うレンタルショップです。鍋や布団、着物といった日用品から冠婚葬祭の礼装まで、あらゆる物品を貸し出しました。特に参勤交代の武士や、出稼ぎの商人、庶民にまで広く利用されており、幕末の江戸には1000軒以上の損料屋が存在したと言われています。

10. 献残屋(けんざんや)

「献残屋」とは、大名屋敷や有力な商家で贈り物として受け取ったものの余りや不要になった品を仕入れ、再び販売する商売でした。高級な食品や衣類、工芸品などを安価に手に入れられるため、庶民に人気でした。現代で言う中古ブランド品店やリサイクルショップの先駆けのような職業です。

まとめ

江戸時代の街並み

江戸時代にはユニークな発想力から生まれた職業がたくさんありました。どれも時代のニーズに応えた、工夫と知恵の結晶です。当時の人々は、日常の小さな不便を見逃さずビジネスチャンスに変えていました。こうした柔軟な視点は、現代を生きる私たちの生活や仕事にも新たな気づきを与えてくれるのではないでしょうか。

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