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実は奥が深いパスタの茹で方
パスタを茹でるのはただお湯に麺を入れるだけだと思っていませんか?実は細かなポイントを守るだけで、プロ並みのおいしさに近づけることができます。
一方で、ちょっとした勘違いや手抜きでパスタは簡単にまずくなってしまいます。これから説明するよくある間違いを避けて、完璧なパスタを茹でましょう。
パスタをダメにするNGな茹で方7つ
パスタを茹でるとき、多くの人が知らずにやってしまう間違いがあります。ここでは特に気をつけたい「ダメな茹で方」を7つ紹介します。
① 茹ですぎて麺がふにゃふにゃになる
パスタは茹ですぎると柔らかくなり、食感が悪くなります。さらに、長く茹でるほどデンプンが溶け出してしまい、消化吸収が早くなって血糖値が急激に上がりやすくなります。また、水に溶けやすい栄養素(ビタミンB群)も多少失われます。
パスタを美味しく健康的に食べるためには、必ず袋に書かれた時間より1〜2分短め(アルデンテ)で茹でて、仕上げはソースと絡めながら加熱しましょう。
② お湯の温度を間違える・差し水をする・蓋をする
茹でるときのお湯の温度管理は非常に重要です。沸騰していないぬるいお湯で茹でると麺がべちゃべちゃになり、食感が台無しになります。
一方、激しく沸騰させすぎると、パスタが鍋の中で暴れて折れたり、吹きこぼれやすくなります。理想はお湯が優しくポコポコと泡立つくらいの火加減。
また、吹きこぼれを防ぐために差し水をすると、一気に温度が下がりパスタがべたつきます。さらに鍋にフタをすると蒸気がこもり、粉っぽさやぬめりが残ってしまいます。吹きこぼれそうになったら火を少し弱めるか、フタをずらして調整しましょう。
③ 鍋が小さすぎ・水が少なすぎる
パスタを茹でる時、鍋の大きさや水の量は非常に重要です。鍋が小さすぎたり、水が少なすぎると、麺同士がくっついてしまい均一に茹でることができません。結果として茹でムラができたり、麺が焦げ付いたりします。
目安としてパスタ100gに対して1リットルの水を準備しましょう。たっぷりのお湯の中でパスタが自由に動けるようにすることで、麺がくっつくことなく、均等に火が通ります。
④ 最初の2分にかき混ぜない
パスタを鍋に入れた直後の2分間は、麺がくっつきやすい一番大切な時間です。このタイミングでしっかりかき混ぜないと、麺が鍋底にくっついて焦げ付きやすくなります。
パスタを投入したら、トングや菜箸を使って底から持ち上げるように、10〜15秒ごとに混ぜるようにしてください。最初に丁寧に混ぜれば、その後は1分に1回程度軽く混ぜるだけで十分です。
⑤ 茹で上がり後に水で洗ってしまう
パスタを茹でた後に流水で洗うのは基本的にNGです。麺の表面にあるデンプン質が洗い流されてしまい、ソースが麺にうまく絡まなくなります。パスタの美味しさは、麺に絡んだデンプン質がソースと一体化することで引き出されます。
茹で上がったパスタは水で洗わずに、素早く湯切りをしてそのままソースと絡めましょう。ただし、冷製パスタや作り置きパスタの場合は例外で、流水でぬめりを取りオイルを絡めて保存します。
⑥ 生パスタと乾燥パスタを同じ感覚で茹でる
生パスタと乾燥パスタは全く別物で、茹で方を間違えると失敗しやすくなります。生パスタは水分が多いため、茹で時間は3〜4分と非常に短く、あっという間に茹ですぎになってしまいます。
また麺同士がくっつきやすいため、入れたらすぐにかき混ぜ、1分ごとに優しくほぐしましょう。生パスタは短時間で茹で上がることを意識して、タイマーをセットして目を離さないようにします。
⑦ 電子レンジで茹でる際の失敗
電子レンジでパスタを茹でることも可能ですが、注意が必要です。よくある失敗は水の量が少なすぎることと、時間設定を間違えることです。パスタ全体が完全に浸かる量の水を使い、袋に書かれた表示時間より3〜4分長め(600Wの場合)に加熱します。
また、途中で一度取り出してよくかき混ぜることも忘れずに。こうすることで電子レンジでもムラなく美味しく茹でることができます。
パスタを茹でる時の塩はどれくらい必要?入れるタイミングは?
パスタを茹でるお湯に塩を加える主な目的は麺自体に味を付けて、食べた時の風味を良くするためです。よく誤解されがちですが、塩は茹で時間を短くしたりコシを出す効果はほぼありません。
塩を入れる量は、水1リットルに対して10g(小さじ2程度)が理想的です。少なすぎると麺が味気なく、多すぎると塩辛くなります。また、塩を入れるタイミングは水が沸騰してからが一般的ですが、水から入れても塩が溶けるため実際には問題ありません。自分の好みに合わせて0.5%〜1%の範囲で調整すると良いでしょう。
また、茹で汁にはパスタのデンプン質が溶け出しており、これをソースに加えることでソースとの絡みが劇的に良くなります。そのため、茹で汁を捨てずに少し取っておき、ソースとパスタを絡める際に活用しましょう。
プロ級に美味しくなる!パスタの正しい茹で方
パスタを美味しく茹でるには以下の手順を守りましょう。細かなコツを丁寧に実践すれば、レストラン並みの美味しさを実現できます。
- 大きめの鍋にたっぷりのお湯を沸かします(目安はパスタ100gあたり1リットル)。
- お湯が沸騰したら水1リットルに対して塩約10g(小さじ2)を入れます。
- パスタを鍋に入れ、すぐにトングや菜箸で軽くほぐし、10〜15秒ごとにかき混ぜます。
- 火加減を調整し、お湯がポコポコと穏やかに沸騰するようにします(フタは外す)。
- パスタの袋に書かれた茹で時間を参考に、表示時間の1〜2分前に麺の硬さをチェックします。
- 茹で汁を少し取っておき、茹で上がったらすぐザルに上げて湯切りします。
- 茹でた麺を30秒以内にソースを入れたフライパンに移し、中火〜強火で素早く絡めます。
まとめ
パスタの美味しさを追求する上で、茹で方のちょっとしたコツを押さえるだけで劇的な差が生まれます。良い麺の食感やソースとの一体感を実現するには、仕上げのタイミングも重要です。
パスタを茹でる際は、茹で汁を取っておき、ソースと絡める仕上げ段階で活用すると、乳化が進みクリーミーな仕上がりに。仕上げの時、火を止めてからバターや粉チーズを加えることで、香りとコクが格段に向上します