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蚊が好きな人と嫌いな人がいる理由
夏になると、多くの人が蚊に悩まされます。ただ、同じ場所にいても頻繁に蚊に刺される人と、ほとんど刺されない人がいます。
この差を生み出しているのは、体の温度や汗の量、体の臭いなど、蚊が敏感に反応する特定の要素です。血液型による違いも話題になりますが、その影響は比較的小さいことが分かっています。
蚊が好む要素は人それぞれで異なるため、自分に当てはまる特徴を知っておくことが大切です。
蚊に刺されやすい人に共通する7つの特徴
蚊に刺されやすい人には、共通した特徴があります。その特徴を詳しく理解することで、自分が刺されやすい理由を知ることができます。
①体温が高めの人
蚊は、人間の体から発せられる熱を頼りに獲物を見つけています。体温が高い人は、体の表面から放出される熱の量が多く、蚊に見つかりやすい状態になっています。
妊娠している女性や運動直後の人など、平常より体温が上がっている人が特に刺されやすくなります。妊娠中の女性は体温が通常より0.5度ほど上がることが多いため、蚊にとって格好のターゲットになります。
②汗をたくさんかく人
汗は蚊を引き寄せる原因となる重要な要素です。汗に含まれる乳酸やアンモニアなどの物質は、蚊が非常に好む臭いを放っています。特に夏場や運動をした後に汗をかいたまま放置すると、肌の表面にこれらの物質が残り、蚊を引き寄せやすくなります。
また、汗をかきやすい人は体温が高めの場合も多く、より一層蚊が寄りつきやすい状況になってしまいます。
③体臭や足の臭いが強い人
蚊は、人間の体から発生する臭いにも敏感に反応します。特に足の裏から分泌されるカルボン酸や、加齢臭の原因であるイソ吉草酸という物質に強く惹かれます。
これらの臭いは、皮膚の常在菌が汗や皮脂を分解することで生じるため、個人差が非常に大きくなります。足を清潔に保つことが、蚊に刺される可能性を減らす一つの対策となります。
④黒や濃い色の服をよく着る人
蚊は視覚的にも獲物を探しますが、特に黒や紺色など濃い色の服装に惹かれることが研究で明らかになっています。黒色や濃い色は太陽光を吸収して熱を帯びやすく、蚊が認識しやすくなります。一方、白色や淡い色は蚊にとって認識が難しいため、刺される可能性が低くなります。アウトドア活動をするときには、淡い色の服を着ることで、蚊の誘引を抑えることができます。
⑤妊娠中や月経前の女性
女性はホルモンの変化によっても蚊に刺されやすくなることがあります。妊娠中はホルモンバランスが変化し体温も上昇するため、通常よりも蚊に狙われやすくなります。
また、月経前の時期には基礎体温が高くなり、体の代謝も活発になります。これは蚊にとって人を見つける手がかりとなり、特に刺されやすい状況を作り出してしまいます。
⑥アルコールを飲んだ後の人
アルコールを飲むと、体温が少し上昇して体の代謝が活発になり、皮膚表面の血流が増えます。その結果、皮膚から放出される熱や二酸化炭素の量が増えるため、蚊を引き寄せやすくなります。
特にビールなど炭酸が含まれる飲み物を飲んだ後は、呼吸で排出される二酸化炭素の量も増えるため、蚊にとって非常に見つけやすい対象になってしまいます。
⑦運動した直後の人
運動直後の人は、普段より体温が高く、汗を多くかいています。運動によって放出される二酸化炭素の量も増加します。蚊は二酸化炭素に敏感で、遠くからでもその濃度が高い方向に近づいてくる習性があります。
特にジョギングやスポーツなど激しい運動をした後は、二酸化炭素や汗の量が多いため、蚊に刺されやすい状態になっています。
蚊に刺されにくい人はどんな人?
蚊に刺されにくい人は、基本的に蚊に刺されやすい人とは反対の特徴を持っています。例えば、体温が低めで汗をあまりかかない人、体臭が薄い人、淡い色の服を好む人などがこれに該当します。
ただ、こうした体質は自分の意志で簡単に変えることは難しいため、蚊に刺されにくい人の特徴を参考にして、服装や生活習慣で対策を講じることが現実的な方法と言えます。
蚊に刺されないために今すぐできる対策
自分の体質や生活をすぐに変えることは難しいですが、身近なところから始められる対策がいくつかあります。まずは屋外や室内で手軽に取り入れられる対策を知りましょう。
肌をなるべく出さない服を選ぶ
蚊は肌が露出している部分を狙うため、長袖や長ズボン、靴下を着用するだけで刺される可能性を大幅に減らせます。夏場でも、風通しがよく涼しい素材の服を選ぶことで快適に蚊を避けることができます。
虫除けスプレーや蚊取りグッズを使う
ディートやイカリジンなどが含まれた虫除けスプレーや電気蚊取り器、蚊取り線香は蚊を効果的に寄せ付けません。特に肌に直接つけるタイプの虫除けスプレーは屋外での使用に便利ですが、汗で流れ落ちやすいため、2時間ごとに塗り直す必要があります。
庭やベランダの水たまりをなくす
蚊は水の中で繁殖するため、家の周りにある水たまりや植木鉢の皿などの水をこまめに捨てることで蚊が発生する環境を減らすことができます。特に夏場は水がすぐに溜まりやすいため、週に一度はチェックして水を捨てましょう。
室内の空気の流れをよくする
蚊は飛ぶのがあまり上手ではないため、風がある場所を嫌います。扇風機やサーキュレーターを室内で使い、空気を動かすことで、蚊が近寄りにくい環境を作ることができます。特に寝るときは枕元で弱い風を送るだけで、蚊に刺される可能性が大きく下がります。
蚊が嫌いな植物やアロマを使う
レモングラスやゼラニウム、ミントなどは蚊が嫌う香りを持っています。これらの植物を窓辺や玄関付近に置いたり、アロマオイルで香りを拡散させたりすることで、蚊の侵入を抑えることが期待できます。ただし効果は一時的なものなので、他の対策と組み合わせて使用するのが効果的です。
まとめ
蚊は日本に約100種類以上も生息していると言われますが、人の血を吸うのはその一部の種類だけです。また、一度に血を吸う量はごくわずかですが、吸血された際に蚊の唾液が体内に入り込むため、アレルギー反応としてかゆみや腫れが起こります。
刺された後はかゆみ止めを塗るだけでなく、刺された部位を冷やすと炎症が早く落ち着く場合があります。蚊の性質を正しく理解し、適切に対処することで夏を快適に過ごしましょう。