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洗濯表示の「アイロン禁止」マークとは?
衣服には洗濯表示というタグがあります。タグにあるアイロンマークに「バツ(×)」がついていたら、それは絶対にアイロンをかけてはいけない服という意味です。
また、アイロンマークに「スチーム禁止」や「あて布使用」などの文字が書いてある場合もあります。そのような表示がある場合は、スチームを使ったり、直接アイロンを当てたりしないように注意が必要です。アイロンをかける前に、服のタグを必ず確認しましょう。
アイロンがけをしてはいけないNGな服5つ
アイロンをかけると傷んでしまう素材や特殊な服をまとめました。間違えてアイロンをかけないようにしましょう。
①革(本革・合成革)の服
革は熱に弱く、アイロンをかけると表面が変色したり硬くなったりします。特にエナメルなどツヤのある革は、アイロンの熱で溶けてしまうこともあります。どうしてもシワが気になる場合は、プロのクリーニング店に相談するのがおすすめです。
②毛が長い服やファー付きの服
毛足が長いコートやファー素材は、アイロンを当てると毛が潰れてしまったり、溶けたりする恐れがあります。毛の質感を守るためには、裏側から5cm以上離してスチームを軽く当て、その後冷風ドライヤーで毛を整えるのが安全です。
③ベルベットやベロアなど光沢のある服
ベルベットやベロアは、アイロンを直接当てると生地の表面が潰れて、光沢にムラができ、元に戻らなくなります。どうしてもシワを取りたいときは、生地の裏側から低温で軽くスチームを当て、パイル(毛並み)を立たせるように仕上げましょう。浴室の蒸気を使うのも効果的です。
④楊柳(ようりゅう)生地の服
楊柳生地は柔らかく、独特なシワ感(シボ)が特徴です。アイロンをかけると熱によってシボが消え、生地が縮んでしまいます。この生地のシワを取りたい場合は、ハンガーにかけて軽く霧吹きし、自然乾燥させる方法がベストです。
⑤特殊な樹脂加工や飾り付きの服
服にプリントされたビニール(PVC)や、箔、ラメ、スパンコールなどの飾りがついた服は、アイロンの熱で溶けたり変色したりする恐れがあります。このような服にアイロンは使わず、シワが気になる場合は吊るして自然にシワを伸ばしましょう。場合によってはプロのクリーニング店に依頼しましょう。
アイロンの温度と注意するポイント
アイロンをかけてもよい服でも、温度設定を間違えると傷めてしまいます。服の素材ごとの温度設定の目安を紹介します。
- ● 低温(120℃以下): シルクやナイロンなど
- ●● 中温(160℃以下): ポリエステル、ウール、レーヨンなど
- ●●● 高温(200℃以下): コットン(綿)や麻など
また、タグに次のような表示がある場合も確認しましょう。
- 「スチーム禁止」:スチームは使えません。必ずドライアイロンで。
- 「あて布使用」:必ず布を服の上に置いてからアイロンを使います。
さらに、服が複数の素材でできている場合は、いちばん熱に弱い素材に合わせた温度でアイロンをかけましょう。そうすると服を傷めることがありません。
自宅でアイロンをかけるのが不安な場合や、判断が難しい場合は、クリーニング店に相談すると安心です。特に革やファーの服には専門のクリーニングコースがあるので利用してみましょう。
まとめ
服をきれいに長持ちさせるには、アイロンの正しい使い方を理解することが大切です。アイロン禁止の服は無理にシワを伸ばそうとせず、自然な方法でシワ取りを試すか、クリーニングのプロに頼るのが賢い選択です。また、毎日着る服の多くは素材ごとの温度を守り、当て布を使えば簡単にお手入れできます。日頃から服の扱いに注意して、大切なお気に入りを長持ちさせましょう。