漂白剤を毎回使うのは本当にダメ?衣類を傷めない正しい使い方とは

漂白剤を毎回の洗濯で使うと、生地の劣化や変色、シミができる原因になります。漂白剤の種類ごとの特性や正しい使用頻度、生地を傷めない使い方を分かりやすく解説。効果的な汚れ落としを学びましょう。

漂白剤の種類とその特徴

汚れたキャミソール

漂白剤には主に3つの種類があり、それぞれに特徴や使い方の注意点があります。目的に応じて正しく使い分けましょう。

  • 酸素系漂白剤(液体・粉末タイプ)
    色柄物にも使える比較的やさしいタイプで、汚れや臭いに効果的です。粉末タイプは40℃前後のお湯で20~30分つけ置きすると効果が高まりますが、長時間のつけ置きは避けましょう。
  • 塩素系漂白剤(液体タイプ)
    白物専用の強力タイプで、黄ばみやカビに特に効果を発揮します。色柄物やウール、シルク、金属パーツがついた衣類には使えません。また、酸性洗剤(クエン酸や浴室用洗剤)と混ぜると危険なガスが発生します。
  • 還元型漂白剤(粉末タイプ)
    他の衣類からの色移りを戻す目的で使われます。ただし頻繁な使用は繊維を傷めるため、緊急時に限り使用しましょう。

漂白剤を毎回使ってはいけない4つの理由

バツ印を出す主婦

洗濯するたびに漂白剤を使う必要はありません。むしろ毎回使うと次のような問題が起こります。

1. 生地が傷んで衣類の寿命が短くなる

漂白剤は洗剤よりも強力に汚れを落とす反面、繊維にも負担を与えます。特に塩素系漂白剤は繊維をもろくし、衣類の傷みを早めます。酸素系でも頻繁に使うと繊維の柔軟性が失われ、生地が固くなることがあります。

2. 色落ちや変色が起こりやすくなる

漂白剤は汚れだけでなく、色素も落としてしまうため、毎回使用すると徐々に色が薄くなります。特に濃い色の衣類やお気に入りの柄物は変色が目立つので、頻繁な使用は避けましょう。

3. 樹脂加工部分にシミや黄ばみが発生する

ワイシャツの襟や袖口など、樹脂加工されている衣類部分は漂白剤で樹脂が溶け、逆に黄ばみやシミができることがあります。樹脂加工がされている衣類は、漂白剤を使う前に必ず洗濯表示を確認しましょう。

4. 必要以上にコストがかかる

漂白剤を毎日使うと、汚れが少ない衣類に対しても余計な費用がかかります。日常的には洗剤だけでも十分に汚れを落とせるので、漂白剤は汚れが気になる場合だけ使うようにしましょう。

漂白剤の正しい使用頻度と効果的な使い分け

漂白剤を衣類の汚れや素材に応じて正しく使い分けることで、生地を傷めず汚れをしっかり落とせます。以下を目安にしましょう。

  • 酸素系漂白剤
    軽い汚れや臭いが気になるときに、週1~2回程度を目安にします。毎日の洗濯に少量加えることもできますが、その場合は使用量を半分程度に抑えましょう。
  • 塩素系漂白剤
    黄ばみやカビなどの頑固な汚れが気になる白い衣類のみで使用し、頻度は月1~2回までに控えます。使用する際は漂白剤を直接衣類にかけず、水で薄めてから使うようにしましょう。
  • 還元型漂白剤
    緊急用として衣類に色移りが起きた時、または黄ばみを落としたい時のみに限定します。漂白後は繊維を守るために十分にすすぎ、乾燥させましょう。

漂白剤の正しい使い方と注意点

漂白剤を安全で効果的に使うためには、正しい方法を守ることが大切です。以下で具体的な手順と注意点を詳しく紹介します。

  • 洗濯表示を必ず確認する
    漂白可能な衣類には三角形の漂白マークが記載されています。塩素系が使えるか、酸素系のみか、漂白禁止かをチェックしてから使用しましょう。
  • 漂白剤の使用量を守る
    使用量が多すぎると生地を傷めたり、色落ちが進んだりします。逆に少なすぎると効果がありません。パッケージ記載の分量を守ることが大切です。
  • 酸素系はお湯を使うと効果的
    酸素系漂白剤は30〜40℃のお湯を使い、15〜30分ほどつけ置きすると汚れが落ちやすくなります。つけ置き後は、すすぎを丁寧に行いましょう。長時間の放置は避けてください。
  • 塩素系漂白剤は直接かけず薄める
    塩素系漂白剤は強力なため、必ず水に薄めてから使います。洗剤と一緒に洗濯槽に入れて使うこともできますが、衣類に直接つけたり、長時間(30分以上)つけ置きしたりするのは避けましょう。
  • 漂白剤を使った後はしっかりすすぐ
    漂白剤が衣類に残ると、生地が傷んだり変色したりする原因になります。漂白後は水ですすぎを2回以上行い、しっかり乾燥させてください。
  • 塩素系と酸性洗剤を絶対に混ぜない
    塩素系漂白剤とクエン酸やお風呂用洗剤などの酸性洗剤を混ぜると有毒なガスが発生します。事故を防ぐために、使用する際は周囲に酸性の洗剤がないことを確認しましょう。
  • 手袋を使って肌を守る
    漂白剤は強い成分を含むため、肌荒れや手荒れを防ぐために手袋を着用しましょう。特に塩素系は肌への刺激が強いため、注意が必要です。

衣類の汚れ別 漂白剤の使い方早見表

衣類の汚れの種類によって、適した漂白剤の使い方を以下にまとめました。ぜひ参考にしてください。

  • 黄ばみ(汗ジミなど)
    – 白物(綿):塩素系漂白剤◎
    – 色柄物・デリケート素材:酸素系漂白剤◎(つけ置き15分程度)
  • カビ汚れ
    – 白物:塩素系漂白剤◎(つけ置き10~20分)
    – 色柄物:酸素系漂白剤◎(つけ置き20~30分)
  • 色移り
    – 還元型漂白剤◎(ぬるま湯で10~15分程度つけ置き)
  • 臭い(部屋干し臭、生乾き臭)
    – 酸素系漂白剤◎(ぬるま湯で15〜30分程度つけ置き)

漂白剤を上手に使うコツ

漂白剤とタオル

漂白剤を賢く使うための、ちょっとしたコツをご紹介します。

  • 漂白剤入り洗剤と併用する場合は、漂白剤の量を調整する
    漂白剤入りの洗剤を使用している場合、さらに漂白剤を追加すると泡立ちすぎたり生地が傷むことがあります。漂白剤の追加は通常の半量程度に抑えましょう。
  • 汚れが少ない場合は毎回でなく隔日使用でも十分
    毎日の漂白剤使用は、生地を傷めたり無駄なコストがかかります。汚れが軽いときは2~3日に一度など、使用頻度を減らしても効果は十分です。
  • 漂白剤を洗濯槽掃除に活用する
    酸素系漂白剤(粉末)は、洗濯槽のカビ取りにも使えます。月に一度、50~60℃のお湯に漂白剤を入れて洗濯槽を洗うと、臭いや汚れがスッキリ落ちます。

まとめ

漂白剤は衣類をきれいに保つための便利なアイテムですが、使いすぎると逆に衣類を傷めてしまいます。頻度や使い方を工夫し、適切な量を守って上手に活用しましょう。また、漂白剤を使った後の衣類は、紫外線に弱くなりがちです。

漂白後の衣類はなるべく日陰干しをすることで、色あせや繊維の傷みを防げます。さらに、漂白剤を保管する際は高温・直射日光を避け、湿気の少ない場所で保管すると、漂白効果を長く保つことができます。これらの工夫を取り入れて、衣類を長持ちさせましょう。

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