ハトに餌を与えてしまう人の5つの心理…どう伝えればやめてもらえる?

街や公園で見かけるハトへの餌やり。しかし景観の悪化や感染症リスクなど、多くの問題につながっています。この記事では餌をあげてしまう人の心理を中心に、その解決方法を具体的に解説します。

軽く見てはいけない「ハトの餌やり」の問題点

ハトは駅前や公園、住宅地など日本全国で見かける身近な鳥ですが、餌を与えることで「ここに来ればご飯がある」と覚え、短期間で大量繁殖します。その結果、糞による景観悪化や悪臭、さらにアレルギー、喘息、鳥インフルエンザなど深刻な健康被害の原因になることがあります。

実際に東京都内では迷惑防止条例で禁止されており、違反すると5万円以下の罰金が科されるケースもあります。また、ハトの糞害対策には年間数十万円から数百万円もの清掃費用が発生し、経済的な負担も決して軽視できません。

さらに近年では、ハトが原因となる感染症のリスクが注目されています。ハトの糞に含まれる病原菌によって引き起こされるクリプトコッカス症は、重症化すると肺炎や脳炎の原因にもなり得る危険な感染症です。実際に国内でも健康被害が報告されており、都市部では特に注意が必要です。

ハトに餌をあげてしまう人ってどんな気持ち?5つの心理とは

街頭で注意喚起がされていてもなお、なぜ餌をあげてしまうのでしょうか。その心理を詳しく見てみましょう。

1.「お腹が空いてかわいそう」と感じてしまう

もっとも多いのは、善意から来る同情心です。ハトが人に近づいてくる様子を見ると、つい「お腹を空かせているのでは」と心配し、食べ物を与えてしまいます。特に高齢者や子どもはこの傾向が強く、「助けてあげたい」という気持ちが先行してしまうのです。

2.「良いことをしている」という自己満足がある

「動物に餌をあげる=良いこと」というイメージを持つ人は少なくありません。動物愛護の精神から行動しているつもりでも、周囲に迷惑がかかっている現実を知らずに続けてしまいます。特に周囲に止める人がいない場合、この心理は強化されやすい傾向があります。

3.動物好きで「触れ合いたい」という気持ちが強い

動物が好きな人は、「ハトに触りたい」「仲良くなりたい」という欲求を抑えることが難しくなりがちです。その結果、餌を使ってハトを引き寄せてしまいます。こうした行動は悪意がないため、周囲が注意しづらいという側面もあります。

4.「動物に囲まれることで自分の存在を認められた」と感じる

孤独感や寂しさを抱えている人にとって、ハトが集まってくることは自分が必要とされているという感覚につながります。特に、家庭や社会でのつながりが薄いと感じる高齢者などがこの心理状態になりやすいとされます。

5.食べ切れない食べ物の処理を手軽に済ませたい

食品ロスに抵抗を感じ、「どうせ捨てるくらいなら動物にあげよう」と考える人もいます。しかし、与える食品によってはハトの健康を害する可能性があるため、安易な処理方法として餌やりを行うことは厳禁です。

ハトへの餌やりをやめさせるには?

ハトに餌を与える人が身近にいても、いきなり注意をするとトラブルの原因になりやすいため、慎重に行動することが重要です。特に、善意や孤独感から行動している人に対しては、強く否定する態度を取ると感情的な反発を招き、逆効果となる恐れがあります。

日常会話の中で自然に気づきを促す

相手に直接「やめてください」と注意するのではなく、日常の会話の中で自然に問題点を伝えることが効果的です。例えば、「テレビでハトに餌をあげると感染症リスクがあると聞きました」と第三者の意見を引用することで、相手が自分自身で行動を振り返るきっかけを作ることができます。

地域全体の取り組みとして問題意識を広める

本人に直接伝えることが難しい場合、地域全体で問題意識を共有することが効果的です。自治会や住民説明会などの場で話題として取り上げてもらうよう働きかけたり、自治体が用意した公式のポスターや掲示物など、公的に認められた手段を活用して注意喚起を促す方法もあります。個人が許可なく貼り紙をすることは避け、公的な場で共有されている情報を利用することでトラブルなく、問題の改善につながります。

まとめ

ハトへの餌やりは、一見すると小さな問題に感じるかもしれません。しかし、人のやさしさや善意から生まれる行動でも、結果的には人々の健康や環境に悪影響を及ぼすことがあります。

動物との関係において大切なのは、「ほどよい距離」を保つこと、そして適切な知識を身につけることです。注意や指摘よりも、共感と正しい情報の共有こそが、地域や街の暮らしをより良くしていくために重要なのではないでしょうか。

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