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大皿料理は取り分け方ひとつで印象が変わる
宴会やパーティなど大人数が集まる場面では、料理を大皿で提供されることがよくあります。こうした場では参加者全員に配慮し、料理が均等に行き渡るように気を配る人も多いでしょう。
ただ、その配慮が間違ったやり方で行われてしまうと、周囲から「気遣いが足りない人」と誤解される場合もあります。ここでは、料理を取り分ける際に知っておきたい注意点を挙げます。これらのポイントを押さえれば、大人数でも気持ちよく食事が楽しめます。
大皿料理を取り分けるときにやってはいけないマナー違反
料理を取り分ける際の注意点の中でも、特にやりがちなマナー違反について見ていきましょう。
1. 料理を一度に全部取り分けてしまう
大皿料理を取り分けるときは、料理の一部を残すのがマナーです。一般的に、1/3程度は皿に残しておくのが目安とされています。
一度に全ての料理を取り分けてしまうと、お代わりを希望する人が料理を楽しめなかったり、取り分けられた量が多すぎて食べきれずに残す人が出たりする可能性があります。まずは少なめの量を取り分け、追加は各自の自由に任せるのが理想です。
2. 取り箸やトングを使わず直箸で取る
鍋料理や大皿料理など、みんなで共有する料理を取り分ける際に、直接自分の箸を使うのは明確なマナー違反です。自分の箸を逆さまに使う「逆さ箸」も衛生面から好ましくありません。
新型コロナウイルスの影響もあり、取り箸やトングを使うことが一般的に定着しています。特に飲食店では共有トングを使う前の手指消毒が推奨されています。取り箸やトングがない場合は、お店のスタッフに頼んで用意してもらうようにしましょう。
3. 「女性が取り分けるべき」と決めつける
以前は、女性が料理を積極的に取り分けると「気が利く」「好印象」などと評価されることがありました。しかし、現代ではこうした考え方は時代遅れとされ、性別を問わず近くにいる人や手が空いている人が取り分けるべきという考えが主流になっています。
高級店などではスタッフが取り分けてくれる場合もありますが、そうでない店では性別や年齢を問わず、皆で協力して取り分ける姿勢を持つと良いでしょう。無理に特定の人に任せるのではなく、自然に周囲と協力することが大切です。
相手への配慮を忘れない!大皿料理を上手に取り分けるコツ
料理を取り分けるときに避けるべきことを理解したら、具体的にどのような点に注意すればよいのかを見てみましょう。特に、複数の人と料理をシェアするときは、個々の好みや状況に応じた細かな気配りが必要になります。
- 最初は少量ずつ取り分ける:
食べ切れる分だけを各自が自由に調整できるよう、初回は控えめに盛り付けることを心掛けましょう。 - アレルギーの確認を行う:
食物アレルギーを持つ人は少なくありません。事前に参加者に確認し、対象食材を伝えておくことで安心して料理を楽しめます。 - 好き嫌いに配慮する:
食材の好みは人それぞれです。無理に料理をすすめるのではなく、自由に選べる雰囲気作りが大切です。 - 均等に振り分ける:
偏りが出ないようバランス良く取り分けると、全員が気持ちよく食事を楽しめます。 - 具材の偏りに注意する:
料理の種類や具材の量に気を配り、誰かが特定の具材を取り損なうことがないようにしましょう。 - 自分の分は最後に:
取り分け役になった人は、自分の料理を最後に取り分けるのがマナーです。ゲストや立場が上の人から順番に取り分けると良いでしょう。
大皿料理の取り分けは特定の性別や年齢に限定された行動ではありません。誰もが気軽に参加できる空気を作ることで、場の雰囲気も良くなり、自然とコミュニケーションも深まります。食事をしながら心の距離を縮められる、そんな素敵な時間になることでしょう。
コミュニケーションを取りながら自然に取り分けよう
大皿料理を取り分ける際は、誰かひとりが全てを担当する必要はありません。みんながそれぞれ気を配り、手が空いている人が自然に動けるような環境づくりを心掛けましょう。自分だけが気を遣い過ぎることなく、周りの人と自然に協力して料理を楽しむことが大切です。
また、取り分ける行為そのものに神経質になり過ぎないことも重要です。楽しさや居心地の良さを犠牲にしない程度に、相手への配慮を忘れないのが理想です。無理に形式ばったルールに縛られるのではなく、周囲の人とコミュニケーションを取りながら、自然で柔軟な取り分け方を目指しましょう。
食事はただ料理を楽しむだけではなく、参加者同士の人間関係を深める大切な場面です。マナーを意識しつつも、堅苦しくなりすぎず、参加者全員がリラックスして楽しめるようにすることが、本当に大切なマナーと言えるのかもしれません。