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周囲が不快に感じる、道端での「つば・痰吐き」の実態
街中を歩いていると、突然つばや痰を吐く人がいます。多くの人が眉をひそめる行為であるにもかかわらず、なぜこのようなマナー違反がなくならないのでしょうか?
それには、吐き出す本人に特有の心理が関係しているようです。その心理状態について掘り下げてみましょう。道端につばや痰を吐く人には、主に以下の3つの心理パターンがあります。
1.口の中を清潔に保ちたい気持ちが強い
つばや痰を道端に吐き捨てる人の中には、潔癖症にも似た感覚を持つ人がいます。彼らは自分の口の中や体内が不潔になることを極端に嫌い、我慢できずにつばや痰を吐き出します。
「公共の場所を汚すことの方がよほど不潔では?」と感じる人がいる一方で、本人にとっては、自分自身が不快で汚い状態であることが許せないのです。そのため、自分の口の中さえ清潔にできれば、公共の場が多少汚れても気にしないという心理状態に陥ります。
2.「見知らぬ場所ではマナーを守る必要はない」という意識
旅先や見知らぬ場所で、普段はしないような行動を取る人がいます。これを「旅の恥はかき捨て」という言葉で表しますが、道端につばや痰を吐く行為にもこの心理が働いています。
周囲に知り合いがいなければ、他人にどう見られても問題ないという意識です。自分の行動を知る人がいない場所では、公共マナーを意識する必要性を感じない人がいます。また、地元でも、親しい人や顔見知りが近くにいない場合には同様の行動を取ってしまうことがあります。
3.法律に抵触しないと思い込んでいる
つばや痰を道端に吐いても、法的に問題がないと考える人が多くいます。しかし、実際にはこうした行為は軽犯罪法違反に該当する可能性があります。
歩行中に限らず、自転車やバイクの走行中につばや痰を吐く人もいますが、これらは立派な法律違反です。場合によっては、拘留や罰金を科されることもあります。自覚がないまま行動を続けていると、予想もしないトラブルに発展するかもしれません。
道端でつばや痰を吐くことで起こる問題とは?
つばや痰を吐き捨てるという一見些細な行為でも、実際にはさまざまな悪影響が生じています。本人にとっては軽い気持ちかもしれませんが、その行動が社会的な問題にまで発展する可能性もあるのです。
具体的にどのような問題があるのかを確認しておきましょう。
- 周囲の人に不快感を与える
- 感染症のリスクを高める(特に風邪やインフルエンザ、結核などの病気の感染源になることがあります)
- 知り合いや家族、職場の同僚から信頼を失い、社会的評価が下がる
- 軽犯罪法違反に該当し、拘留や罰金などの刑事罰を受ける可能性がある
公共の場でのつばや痰の吐き捨て行為は、自分自身が想像している以上に重大な問題を引き起こしかねないのです。
迷惑行為を防ぐための対策とは?
つばや痰が口の中に溜まり、不快に感じる気持ちは誰にでも起こりうることです。しかし、それを公共の場に吐き出すのではなく、もっと適切な対処法があります。
もっとも簡単で効果的な方法は、ポケットティッシュや携帯用のウェットティッシュを常に持ち歩くことです。つばや痰をティッシュに吐き出し、設置されているゴミ箱や自宅で処分すれば、公共の場所を汚すこともなく、感染症のリスクも抑えられます。
また、教育や啓発活動も効果的です。特に若い世代に対しては、家庭や学校でのマナー教育を徹底することで、「つばや痰を公共の場に吐くことは恥ずべき行為である」という意識を自然と身につけることができます。さらに、社会全体でマナー向上キャンペーンなどを行い、意識改革を進めることも大切でしょう。
道端でのつばや痰の吐き捨ては、本人が軽く考える以上に深刻な結果を生むことがあります。マナーを守るという小さな意識が、誰もが気持ちよく過ごせる社会の第一歩となるのです。