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話したいのに言葉が出てこない…と悩む人は多い
会話をしたいのに、言葉が出てこない。伝えたいことがあるのに、どう話せばいいのかわからない。そんな経験はありませんか?
人とコミュニケーションを取ることは、日常生活のあらゆる場面で必要になります。職場での会話、友人との雑談、初対面の人とのやり取り——どんな場面でも、言葉を交わすことが求められます。
しかし、「話すのが苦手」と感じる人にとって、これらの場面はストレスになることも少なくありません。話したいのに緊張してしまう、相手にどう思われるかが気になって何も言えなくなる。そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
コミュニケーション能力が低い人の10の特徴
会話をすることに苦手意識を感じる人には、いくつかの共通した特徴があります。自分から話しかけられない、話題を見つけられない、会話が続かないといった悩みを抱えていると、円滑なコミュニケーションが難しくなります。
ここでは、コミュニケーションが苦手な人に多く見られる特徴を紹介します。当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
1. 自分から話しかけるのが苦手
会話が始まる前の「話しかける」という行為自体が難しく感じる人は少なくありません。人見知りの性格であったり、相手にどう思われるかを気にしすぎたりすることで、話しかけること自体をためらってしまうのです。
また、「何を話せばいいかわからない」という悩みも、この特徴と関係しています。「今話しかけても大丈夫だろうか」「変なことを言ってしまったらどうしよう」と考えてしまい、結局話しかけるタイミングを逃してしまうのです。
話しかけるのが苦手な人は、会話のきっかけを作ることが難しく、結果として人間関係を築くことが難しくなることがあります。
2. 何を話題にすればいいのか分からない
話しかけることができたとしても、「何を話せばいいのかわからない」と感じることがあります。
雑談の話題が思い浮かばない、相手が何に興味を持っているのかがわからない。話を広げようとしても、適切な言葉が見つからず、沈黙が流れてしまう。
このような状況では、会話がぎこちなくなり、相手との距離を縮めることが難しくなります。「話題が思い浮かばない」という悩みは、コミュニケーションの壁の一つとして、多くの人が抱える問題です。
3. 人の話を聞かずに自分の話ばかりしてしまう
コミュニケーションは双方向のやり取りですが、話すことに意識が向きすぎると、「相手の話を聞かずに自分の話ばかりしてしまう」ことがあります。
自分が伝えたいことを話し続けるあまり、相手の話に耳を傾ける余裕がなくなる。その結果、相手が話したいことを遮ってしまったり、相手の話題に関心がないように見えてしまったりすることがあります。
このタイプの人は、「会話を続けなければならない」という意識が強くなりすぎることもあります。しかし、会話はキャッチボール。自分の話ばかりでは、相手にとって楽しい時間にはなりません。
4. 質問に対して答えるだけで会話が続かない
会話の流れが途切れやすい人の特徴として、「質問に対して答えるだけで終わってしまう」ことが挙げられます。
相手から「休日は何をして過ごしていますか?」と聞かれたときに、「映画を見ます」と答えて、それ以上何も話さない。このようなやり取りでは、相手が次の話題を探さなければならず、気まずい沈黙が生まれやすくなります。
「会話を続けるのが苦手」と感じる人は、質問に対する答えが単発になりがちです。自分の話を広げることが難しく、相手も話題を掘り下げられないため、会話がすぐに終わってしまいます。
5. 声が小さく、話し方に自信がない
自分の声が相手に届いているか不安になったことはありませんか? 声が小さいと、相手に「聞き返していいのかな?」と遠慮させてしまうこともあります。
また、話し方に自信がないと、言葉の語尾が弱々しくなったり、話すスピードが不自然に速くなったりします。こうした要素が積み重なると、相手に「話しづらい人」という印象を与えてしまうこともあるのです。
6. 会話のテンポが噛み合わない
相手と話しているときに、「うまくリズムが合わない」と感じたことはありませんか? 相手が話し終える前にかぶせてしまう、逆に間が空きすぎてしまうなど、会話のテンポが合わないと、スムーズなコミュニケーションが難しくなります。
また、会話のテンポが合わない人は、「何を話せばいいのか」と考えすぎてしまうことも多く、会話の流れがぎこちなくなることがあります。
7. 自分の感情や意見を言葉にできない
「本当はこう思っているのに、言葉にできない」「何を言えばいいのかわからない」——こんなふうに感じることはありませんか?
感情や意見を言葉にするのが苦手な人は、会話の中で自分の考えを伝えるのが難しくなります。特に、議論や意見交換の場面では、自分の思いを整理する時間がかかりすぎて、結果として「何も言えなかった」ということになりがちです。
8. 人と目を合わせて話せない
相手の目を見て話すのが苦手な人も、コミュニケーションが難しく感じることが多いです。
目を合わせないまま話すと、相手に「この人は本当に話を聞いているのだろうか?」と思われることがあります。また、リアクションが乏しいと、相手に「興味がないのかな?」という印象を与えてしまうこともあります。
9. 会話の途中で話が飛びすぎる
話の流れを意識せず、突然別の話題に移ってしまうことはありませんか?
例えば、「昨日、新しいカフェに行ったんだけど」と話していたのに、次の瞬間には「そういえば、この前の映画面白かったよね」とまったく関係のない話を始めてしまう。これでは、相手は「どこで切り替わったの?」と戸惑ってしまいます。
このように話が飛びすぎると、会話の流れが不自然になり、相手がついていけなくなります。結果として、会話が続かず、話し手自身も「なんだかうまく話せなかった」と感じてしまうことがあるのです。
10. 共感やリアクションが薄すぎる
相手の話を聞いているつもりでも、リアクションが薄いために「話を聞いてくれていないのかな?」と思われてしまうことがあります。
たとえば、友人が「最近、仕事が忙しくて大変なんだよね」と言ったとき、「ふーん」「そうなんだ」とだけ返すと、相手は会話が盛り上がらずに物足りなさを感じます。表情や声のトーンも変わらず、相槌が少ないと、「この人と話していて楽しいのかな?」と疑問を持たれることもあります。
会話では、言葉だけでなく、うなずきや表情の変化などのリアクションも大切です。リアクションが薄いと、相手との距離感が生まれてしまい、自然なコミュニケーションが取りにくくなります。
ここまで、コミュニケーションが苦手な人に共通する特徴を見てきました。では、そもそもなぜ会話が苦手になってしまうのでしょうか?次の章では、その理由について掘り下げていきます。
なぜ話すのが苦手なのか?コミュニケーション能力が低い理由
コミュニケーションが苦手な理由は人それぞれですが、いくつかの共通した要因があります。過去の経験から自信をなくしたり、人と話す機会が少なかったりすることが、苦手意識につながることもあります。
ここでは、なぜ話すことが難しく感じるのか、コミュニケーション能力が低くなる原因について詳しく解説していきます。
1. 過去の経験から自信をなくしてしまった
過去に人間関係で失敗した経験があると、「また同じようなことが起こるかもしれない」と不安になり、積極的に話すことができなくなってしまうことがあります。
たとえば、以前会話中に何気なく言った言葉が相手を不快にさせてしまい、それ以来「自分の話し方は大丈夫だろうか」と極端に気にしてしまう。そうした経験が積み重なることで、話すこと自体に恐怖を感じるようになってしまいます。
また、幼少期や学生時代に「話し方が変だ」と指摘された経験があると、無意識のうちに「自分は話すのが苦手な人間なんだ」と思い込んでしまうこともあります。
2. 人と関わる機会が少なかった
人と話す機会が少ない環境で育つと、自然とコミュニケーションの経験が不足し、会話の仕方がわからなくなってしまいます。
たとえば、子どもの頃から家族とあまり会話をしなかった、学校や職場で積極的に人と関わることが少なかったという場合、会話の経験値が不足しているため、どう話せばいいのかわからない状態になります。
会話はスポーツのようなもので、ある程度の経験が必要です。話す機会が少ないと、自然と会話のスキルも身につかず、結果として「話し下手」と感じるようになります。
3. 周囲の目を気にしすぎてしまい、失敗を恐れて慎重になりすぎる
「この話をしたら変に思われないだろうか」「場違いなことを言ってしまったらどうしよう」と考えすぎてしまい、結局何も話せなくなることがあります。
人との会話では、完璧な発言をしなければならないわけではありません。しかし、失敗を恐れるあまり、「話さないほうが安全だ」と考え、沈黙を選んでしまうこともあるのです。
また、過去に何かしらの指摘を受けた経験があると、それがトラウマになり「下手に話すくらいなら黙っていたほうがいい」と感じてしまうこともあります。その結果、余計に話すことに対して慎重になり、コミュニケーションが苦手になってしまうのです。
4. そもそも会話の経験値が足りていない
コミュニケーションが苦手な理由のひとつに、単純に「会話の経験が少ない」ということがあります。
普段からあまり人と話す機会がないと、どのように会話を続ければいいのかが分からず、話すこと自体に自信が持てなくなってしまいます。
例えば、学生時代に人付き合いを避けていた、職場での会話が必要最小限にとどまっていたなどの経験があると、会話の流れを掴む練習ができず、いざ人と話す場面になると戸惑ってしまうことがあります。
会話はスキルのひとつであり、場数を踏むことによって上達する部分も大きいのです。
5. 頭の中で考えすぎてしまい、相手の気持ちを考える余裕がない
会話の最中に、「何を話せばいいのか」「今の発言は大丈夫だったか」と考えすぎてしまい、相手の言葉や表情に注意を向ける余裕がなくなることがあります。
相手の話を聞きながら、次に自分が話すことを考えすぎると、肝心の会話がぎこちなくなり、リアクションも遅れてしまいます。その結果、相手が「この人は話を聞いているのかな?」と感じてしまうことも。
また、「適切な言葉を選ばなければならない」とプレッシャーを感じると、言葉に詰まってしまい、余計に会話が難しくなることもあります。
6. もともとの性格や気質
生まれ持った性格や気質が、会話の苦手意識に影響を与えることもあります。
例えば、内向的な人はひとりの時間を好む傾向があり、人と話す機会が少ないことから、会話に対するハードルが自然と高くなってしまうことがあります。また、慎重な性格の人は、「場の空気を読んでから話そう」と考えるあまり、タイミングを逃してしまうこともあります。
性格そのものが悪いわけではありませんが、「話すのが苦手」と感じる原因のひとつになることはあります。
ここまで、コミュニケーションが苦手な理由を紹介してきました。では、苦手意識を克服し、よりスムーズに会話を楽しめるようになるには、どうすればよいのでしょうか?
コミュニケーション能力を向上させるには
コミュニケーション能力は、意識的に工夫することで少しずつ改善することができます。相手の話をしっかり聞く、話し方を工夫する、場数を踏んで慣れるなど、実践できる方法はいくつもあります。ここでは、今日から試せる具体的な改善策を紹介するので、できることから少しずつ取り入れてみてください。
1. 相手の話をしっかり聞く
コミュニケーションを円滑にするために最も大切なのは、「相手の話をしっかり聞くこと」です。
相手の話を聞いていないと、会話のキャッチボールが成り立たず、一方的なやり取りになってしまいます。また、聞いているつもりでも、相手が伝えたいことをきちんと理解できていなければ、適切な返答をすることも難しくなります。
ここで大切なのは、ただ聞くだけでなく、「関心を持って聞く」ことです。うなずきや相槌を入れながら話を聞くことで、相手も安心して話を続けられるようになります。
2. 話す前に「結論→理由→具体例」の順番を意識する
会話が苦手な人の中には、「何をどのように話せばいいのかわからない」と感じる方が多くいます。その結果、話がまとまらずに伝えたいことが相手にうまく届かないこともあります。
このような場合、「結論→理由→具体例」の順番で話すことを意識すると、スムーズに伝えやすくなります。例えば、「私は読書が好きです。(結論)なぜなら、新しい知識を得られるからです。(理由)最近では〇〇という本を読みましたが、〇〇の部分がとても勉強になりました。(具体例)」といった流れを意識するだけで、聞き手にも伝わりやすくなります。
話をする際にこの流れを意識することで、言葉に詰まることが減り、自信を持って会話ができるようになります。
3. 相手の反応を見ながら話す
会話は一方的に話すものではなく、相手とのやりとりを楽しむものです。しかし、話すことに集中しすぎると、つい相手の反応を見落としてしまうことがあります。
相手が興味を持って聞いているか、少し退屈そうにしていないかを観察することで、話題を変えるタイミングをつかみやすくなります。例えば、相手がうなずきながら聞いている場合は、その話題に関心を持っている可能性が高いですが、視線がそれたり、短い相槌だけが続く場合は、話題を変えるサインかもしれません。
会話の中で相手の表情や仕草を意識すると、話が一方的になることを防ぎ、自然なやりとりが生まれやすくなります。
4. 積極的に挨拶や短い会話を増やす
「会話が苦手」と感じる人の中には、「話すこと自体に慣れていない」ことが原因のひとつになっている場合があります。そのため、まずは日常の中で簡単な会話を増やしていくことが大切です。
例えば、職場や学校で「おはようございます」と挨拶をする、店員さんに「ありがとうございます」と声をかけるといった小さな習慣を積み重ねることで、自然と会話への抵抗感が減っていきます。
「いきなり長く話すのは難しい」という方でも、まずは一言だけでも会話を増やしていくことから始めてみましょう。
5. 雑談のネタを事前に準備しておく
話すことが苦手な人は、「何を話せばいいかわからない」と感じることが多いため、事前に話題を考えておくと安心できます。
例えば、「最近見た映画」「面白かった本」「気になったニュース」など、相手が興味を持ちそうな話題をいくつかストックしておくと、会話がスムーズに進みやすくなります。
また、相手が話してくれた内容に関連する話題を提供すると、会話が続きやすくなります。「〇〇さんが話していた△△、気になったので調べてみました」といった形で、相手の話に関連づけるのも効果的です。
6. 声のトーンや話すスピードを調整する
会話の印象は、話の内容だけでなく、「声のトーン」や「話すスピード」にも影響を受けます。
例えば、声が小さすぎると相手に伝わりにくくなり、逆に早口すぎると焦っているように聞こえてしまいます。ゆっくり、はっきりと話すことを意識するだけで、相手に伝わりやすくなります。
また、声のトーンを少し明るくすることで、親しみやすい印象を与え、会話が弾みやすくなります。鏡の前で練習したり、自分の声を録音して聞いてみると、客観的に話し方を確認することができます。
7. 目を合わせる練習をする
相手と目を合わせることが苦手な人は、「どこを見ればいいのかわからない」と感じることがあります。しかし、視線を避けすぎると、相手に「話を聞いてくれていないのでは?」と誤解されてしまうこともあります。
いきなり目をじっと見るのが難しい場合は、相手の鼻や眉間あたりに視線を向けると、自然な印象を与えることができます。また、話の合間に一瞬だけ目を合わせるようにすると、不自然さを感じずに視線をコントロールしやすくなります。
目を合わせることは、相手に対する関心の表れでもあります。少しずつ慣れていくことで、より自然なコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
8. 「共感の相槌」を意識する
会話の中で「相手の話を聞いている」という姿勢を示すことはとても重要です。
「うんうん」「なるほど」「そうなんですね」といった相槌を適度に入れることで、相手は「自分の話に興味を持ってくれている」と感じ、話しやすくなります。
ただし、ただ相槌を打つだけではなく、相手の話の内容に合わせて「それは大変でしたね」「楽しそうですね」と感情を込めた相槌を入れると、より自然なコミュニケーションが生まれます。
9. 会話の振り返りをして改善点を見つける
会話がうまくいかなかったと感じたとき、そのままにしてしまうと、次に同じ状況になったときにまた戸惑ってしまうかもしれません。
「どの場面で話が途切れたのか?」「相手が話しづらそうにしていなかったか?」といった点を振り返ることで、次回の会話に活かすことができます。
また、うまく話せたときも「どうしてスムーズに話せたのか?」を考えることで、自分にとって得意な話し方や話題を見つけることができます。
10. 実際に場数を踏んで慣れる
コミュニケーション能力を向上させるには、実際に人と話す機会を増やすことが不可欠です。
「いきなり長い会話をするのは難しい」と感じる場合でも、日常の中で少しずつ話す機会を作ることが大切です。例えば、コンビニやカフェの店員さんに「ありがとうございます」と声をかける、同僚やクラスメートに「お疲れさま」と挨拶するなど、小さなことから始めてみましょう。
場数を踏むことで、徐々に会話への抵抗感が薄れ、自然と話せるようになっていきます。
言葉は人と人をつなぐ 人との関わりを大切に
コミュニケーションが苦手だと感じていると、人との会話に苦痛を感じることもあるかもしれません。しかし、少しずつ工夫を重ねていけば、会話が楽しいと感じる瞬間が増えていくはずです。
無理に変わろうとする必要はありません。まずは小さな一歩から始め、自分のペースでコミュニケーションを楽しめるようになりましょう。