目次
市内の中学全6校でプール授業の廃止を決断した岩手県滝沢市 施設の老朽化や欠席者の増加を理由に
岩手県滝沢市は、新年度から市内の中学校全6校において水泳の実技授業を廃止することを発表しました。プール施設の老朽化、コロナ禍以降の生徒の欠席増加、熱中症リスク、そして体と心の性認識のギャップへの対応など複数の理由が挙げられています。
市教育委員会によると、コロナ禍以降、市内中学校では発熱や咳、さらには「気分が悪い」といった体調不良を理由に水泳の授業を欠席する生徒が増加し、ある中学校では2023年度の欠席率が36%に達したといいます。また、従来は体調に応じて出席を促すなど柔軟な対応がなされていましたが、近年は生徒や保護者の申し出を一層尊重する方針が取られており、これも欠席増加の一因とされています。
さらに、市内各中学校のプールは設置から30年以上が経過しており、そのうち2校では50年以上となっています。老朽化のリスクや、改修にかかる多額の費用、さらには夏場の熱中症リスクなどを踏まえ、授業の廃止が決断されました。
しかし、学習指導要領では中学1、2年生の水泳が必修とされており、文部科学省が定める「水泳指導の手引き」では「水泳の事故防止に関する心得」を必ず取り上げることが義務付けられています。水泳実施を見送るのは、適切な水泳場の確保が困難な場合に限られます。
滝沢市は、新年度から心肺蘇生法などの応急処置や水難事故防止に関する授業を拡充することで対応する一方、小学校では水難事故防止の観点から一定の距離(例:25メートル)を泳げるようにするための実技授業は継続されます。
これに対し、スポーツ庁の担当者は「滝沢市が実技授業を廃止する理由としては十分ではなく、もっと慎重な判断が求められる」と批判しています。また、岩手大学の清水茂幸教授(保健体育科教育学)は「水泳の授業は水から子どもの命を守るために非常に重要であり、欠席を防ぐための指導と併せて、継続すべきだ」と指摘しています。
このニュースに寄せられたネットの声
「水泳の大事さはわかります。であればスイミングスクールでの実施をチケット配布などで推進していくのが解決策だと感じます」
「水泳も、事故の状況を考えるなら、着衣水泳を行った方が良いと思う」
「長い人生考えると、水に入ったら常に溺れる恐怖と戦うよりは多少なりとも泳げた方がいいですね」
「水難事故に備えて年に何回かは泳ぐ(浮く)のを学ぶ授業はあっても良いかもしれない」
「水泳学習が法律上必要ならば、市に必ず1カ所造るとかして設備を整えるべきでしょう」
少子化の波を受けて、今後新たにプールを改修したり建設する費用を出すことは難しいという意見がある一方で、水場での事故を防ぐためにも、ある程度泳いだり浮いたりできるように訓練することは大事だという意見も多く寄せられています。
コメントにもあるように、市内に一箇所プールを設置したり、学校でのプール授業の代わりとなる補填を出すなど、新たな視点での施策が望まれます。