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乾燥機は便利だけど、すべての衣類に使えるわけじゃない
乾燥機は、雨の日や花粉が気になる季節に大活躍します。洗濯物を干す手間が省けるうえ、生乾き臭も防げるので、使っている人も多いでしょう。
でも、「どんな洋服でも入れてOK!」と思っていると、思わぬトラブルにつながることがあります。乾燥機の熱と回転の影響で、服の形が崩れたり、繊維がダメージを受けたりすることがあるのです。
一度乾燥機にかけてしまった服は、元に戻らないことがほとんど。お気に入りの服を台無しにしないためにも、乾燥機に入れてはいけない衣類をしっかり把握しておきましょう。
乾燥機の仕組みとメリット
乾燥機がどのように衣類を乾かしているのかを知っておくと、「なぜ一部の衣類には向かないのか?」が理解しやすくなります。
《乾燥機の主な仕組み》
- 高温の熱風で衣類の水分を蒸発させる
- 回転ドラムが衣類を動かし、均一に乾燥させる
- フィルターでホコリや糸くずをキャッチ
この仕組みにより、短時間で衣類を乾かせるのが乾燥機のメリットです。
乾燥機を使うことで得られるメリット
乾燥機の最大の魅力は、やはり「時短」と「清潔さ」です。
- 洗濯後すぐに乾く(特に冬や梅雨時に便利)
- 外干し不要なので、花粉やPM2.5が付きにくい
- 雑菌の繁殖を抑え、生乾き臭を防げる
- ふんわり仕上がるタオルや衣類もある
ただし、メリットばかりに目を向けるのは危険です。乾燥機が得意な衣類もあれば、入れると「取り返しがつかないことになる」衣類も存在します。
乾燥機に入れてはいけない9種類の衣類
乾燥機はとても便利ですが、すべての衣類に適しているわけではありません。誤って乾燥機に入れてしまうと、縮んだり、型崩れしたり、繊維がダメージを受けたりすることがあります。
ここからは、乾燥機に入れてはいけない衣類とその理由を詳しく解説します。
1. ウール素材の洋服
ウールは、セーターやカーディガンなどに多く使われている素材です。柔らかくて暖かいのが特徴ですが、乾燥機の高温には非常に弱い素材でもあります。
《NG理由》
- によってウールの繊維が縮み、一回り以上小さくなる
- の衣類とこすれて毛玉ができやすくなる
- わっとした風合いが失われ、ゴワゴワになる
特に、ウールのセーターを誤って乾燥機にかけると、子供サイズになってしまうこともあるので要注意!
2. 絹製の洋服
シルクは高級感があり、肌触りも抜群ですが、デリケートな素材のため、乾燥機の熱と回転には耐えられません。
《NG理由》
- 独特の光沢が失われる(くすんだ色になる)
- 繊維が毛羽立ち、肌触りが悪くなる
- 摩擦によって生地が傷つき、ほつれや毛玉ができる
また、シルクのスカーフやブラウスは、直射日光に長時間さらすだけでもダメージを受けるほど繊細です。乾燥機の熱風にさらすと、一気に劣化してしまいます。
3. 毛皮やレザー製の洋服
毛皮やレザー製品は、乾燥機に入れると深刻なダメージを受けます。毛皮は毛が抜け落ち、レザーは乾燥しすぎてひび割れてしまうことがあるため、絶対に避けましょう。
《NG理由》
- 毛皮の毛が抜け、乾燥機内部に詰まり、故障の原因に
- レザーが硬くなり、ひび割れる(特に高温設定は危険)
- 光沢が失われ、質感がガサガサになる
毛皮やレザーは、水分を適度に含んでいるからこそ美しい風合いが保たれます。
乾燥機で強制的に水分を飛ばしてしまうと、元の状態には戻せなくなります。
4. 和服
和服は、洋服と比べても特殊な作りをしているため、乾燥機に入れると形が崩れやすくなります。
《NG理由》
- 縮みやすい素材が使われている(綿や絹など)
- 縫い目がほつれやすく、型崩れしやすい
- 乾燥機の回転によってシワができ、元に戻せなくなる
特に着物は、一度形が崩れると、元の状態に戻すのが非常に難しいため、専門のクリーニング店に任せるのがベストです。
5. ダウンジャケット・キルティング
ダウンジャケットは、軽くて暖かいですが、乾燥機での取り扱いを間違えると、ふんわり感が失われてしまいます。
《NG理由》
- 羽毛が偏り、ダウンジャケットがぺちゃんこになる
- 保温性が低下し、暖かさが失われる
- 乾燥ムラができ、カビや悪臭の原因になる
ただし、低温でテニスボールを一緒に入れて乾燥させると、ある程度ふんわり仕上げることができるという裏ワザもあります。
6. ストレッチ素材の洋服(スポーツウェアなど)
ストレッチ素材は、スポーツウェアやヨガウェア、水着などによく使われています。伸縮性があるおかげで、動きやすく快適ですが、乾燥機の熱にはとても弱いです。
《NG理由》
- 伸縮性が失われ、フィット感が悪くなる
- ゴム部分が劣化し、伸びきってしまう
- 摩擦によって毛玉ができやすくなる
特にポリウレタン(スパンデックス)が含まれる素材は、熱に弱いため、高温で乾燥させると劣化が早まります。スポーツウェアは基本的に陰干しが推奨されているので、乾燥機は使わないほうが安心です。
7. デニムやジーンズ
デニムは丈夫な生地なので「乾燥機に入れても大丈夫」と思われがちですが、実は要注意。
《NG理由》
- 縮みやすく、サイズが変わってしまう
- 色落ちしやすく、他の衣類に色移りする可能性がある
- 厚手の生地が乾燥機の中で硬くなり、ごわごわする
特に、新しいジーンズは乾燥機に入れると大きく縮むことがあります。デニムを長持ちさせるためには、風通しの良い場所で陰干しするのがベストです。
8. プリントTシャツや刺繍入りの洋服
お気に入りのTシャツを乾燥機に入れたら、プリント部分がひび割れてしまった…。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか?
《NG理由》
- プリントが割れたり、剥がれたりする
- 刺繍がほつれやすくなる
- Tシャツの生地が縮み、サイズが小さくなる
プリントTシャツは、乾燥機の熱と回転による摩擦でダメージを受けやすいです。プリントや刺繍のある洋服は、裏返して陰干しすると長持ちします。
9. 撥水加工や防水素材の洋服
レインコートや防水ジャケットは、水を弾くためのコーティングが施されています。しかし、このコーティングは乾燥機の熱に弱く、乾燥機に入れることで剥がれてしまうことがあります。
《NG理由》
- 撥水加工が失われ、雨を弾かなくなる
- 生地が硬くなり、着心地が悪くなる
- 防水ジャケットの縫い目部分が劣化し、浸水しやすくなる
撥水加工や防水素材の洋服は、基本的に自然乾燥が推奨されています。もし乾燥機を使う場合は、低温設定+短時間で行うのがベターです。
乾燥機を正しく使うためのポイント
乾燥機は便利な家電ですが、使い方を間違えると衣類を傷めてしまいます。せっかくの洋服を長持ちさせるためにも、正しい乾燥機の使い方を知っておきましょう。
洗濯表示を必ずチェックする
乾燥機を使う前に、衣類のタグについている洗濯表示を確認しましょう。「乾燥機OK」なのか「乾燥機NG」なのかを見分けることが大切です。
《洗濯表示の見方》
- タンブラー乾燥OK:四角のマークの中に丸があり、点が1つまたは2つついている
- タンブラー乾燥禁止:四角の中の丸に「×」がついている
特に、シルクやウール、撥水加工された服は「乾燥機禁止」のマークがついていることが多いので注意しましょう。
乾燥機を使うときの基本ルール
乾燥機OKの衣類でも、間違った使い方をすると傷みやすくなります。
以下のポイントを押さえて、衣類を守りながら乾燥しましょう。
- 適量を守る:乾燥機に入れすぎると乾きムラができやすい
- 温度設定に注意:高温だと生地が傷みやすいので、できるだけ低温で乾燥させる
- 乾燥時間を短縮する:必要以上に乾燥機にかけない(半乾きの状態で取り出して陰干しすると衣類に優しい)
- フィルター掃除を忘れずに:ホコリが詰まると乾燥効率が落ち、衣類にホコリが付着する原因になる
コインランドリーの乾燥機を使うときの注意点
コインランドリーの乾燥機はパワフルですが、家庭用とは異なるため、使い方には注意が必要です。
- 乾燥機の温度を確認(業務用は高温になりやすい)
- 他の人の衣類のホコリが残っていることがあるので、使用前にフィルターをチェック
- 乾燥機NGの衣類を間違えて入れないよう、事前に仕分ける
乾燥機が使えない衣類をどうやって乾かす?
乾燥機NGの衣類は、適切な方法で乾燥させることが大切です。ただハンガーにかけて干すだけではなく、素材ごとに適した方法を選ぶことで、衣類を長持ちさせられます。
平干しがベストな衣類
ウールやカシミヤ、ニット素材の洋服は、ハンガーにかけると伸びてしまうことがあります。そのため、平干しで乾かすのがベストです。
《平干しのポイント》
- タオルの上に広げて、形を整えて乾かす
- 直射日光を避け、風通しの良い日陰で乾かす
陰干しが必要な衣類
デニムやシルク、色落ちしやすい衣類は、直射日光を避けて陰干しするのがおすすめです。
《陰干しするメリット》
- 生地の色あせを防ぐ
- 繊維の劣化を防ぎ、長持ちさせる
- 光沢や風合いをキープできる
部屋干しをするときの工夫
雨の日や冬場など、外で干せないときは、部屋干しの工夫をすることで乾きやすくなります。
《部屋干しで早く乾かす方法》
- サーキュレーターや扇風機を使う(空気の流れを作ることで乾燥スピードUP)
- 除湿機を併用する(湿気を取り除き、生乾き臭を防ぐ)
- 干し方を工夫する(間隔を空けて干す、太めのハンガーを使う)
乾燥機を賢く使い、大切な衣類を長持ちさせよう!
乾燥機は便利ですが、すべての衣類に使えるわけではありません。大切な衣類を傷めないためには、「洗濯表示を確認する」「適切な乾燥方法を選ぶ」「乾燥機の使い方を工夫する」ことが大切です。乾燥機OKの衣類は正しく使って時短&快適に!乾燥機NGの衣類は、適切な方法でケアして長持ちさせましょう!