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年々増加している自転車窃盗…2023年は前年比30%超え
窃盗認知件数の中でも、自転車の窃盗被害は毎年多く報告されています。また、警察庁や法務省が発表した犯罪統計資料により、ここ数年で自転車の窃盗被害が急増していることも明らかになりました。
2022年は約12万9000件と前年比に比べて20%増加しており、2023年は約16万4000件と、さらに30%増加しています。
自転車窃盗の主な目的は、その場しのぎで他人の自転車を盗み乗り捨てる目的と、転売目的です。特に近年はネットで気軽に商品を出品できるサービスが普及しているため、転売目的で他人の自転車を窃盗するケースが急増しています。
【東京23区】最も自転車が盗まれやすい地域ワースト5
東京23区に限定して犯罪統計資料を見た場合、どの地域で最も自転車が盗まれているのでしょうか。その理由もあわせて解説します。
第1位 江戸川区
2023年、東京23区内で最も自転車の窃盗件数が多かった地域は江戸川区です。江戸川区で多い事例として、被害者、被疑者ともに10代が多いことが顕著だといいます。
これは、被疑者が転売目的よりも「少し遠い距離まで乗り捨てたい」という安易な気持ちから犯罪に手を染めているケースが多く、また無施錠で駐輪している防犯意識の低さが被害増加に拍車をかけているのではないかと考えられます。
第2位 世田谷区
世田谷区は高級住宅街の多いエリアとしても知られています。そんな世田谷区が自転車窃盗件数の多い地域第2位に上がった理由は、空き巣に高級自転車が狙われやすい傾向にあることが原因です。
実際、世田谷区では路上や駐輪場での窃盗だけでなく、住宅侵入によって自転車が窃盗されるケースも多く、これは金品目的で盗みに入り、そのうちの1つとして高級自転車が窃盗されているものと考えられます。
第3位 練馬区
ファミリー層にも人気が高く、23区では全体的に治安が良いとされている練馬区ですが、自転車窃盗の件数は他の区に比べて多い傾向にあります。
その理由として、ファミリー層が多く住み、自転車を利用する人の数が多いことが挙げられるでしょう。ほかにも「ちょっとだけ買い物を…」と簡単な施錠だけでその場を離れてしまう人が多いことなどが理由として考えられます。
第4位 大田区
大田区も自転車の盗難件数が多い区としてワーストランキングの上位に入っています。大田区で報告されている自転車窃盗被害の資料によると、その多くが無施錠であったことが浮き彫りになっているため、施錠せずに駐輪している防犯意識の低さが狙われる大きな理由と考えられるでしょう。
また、自転車を窃盗した犯人への取り調べでは、「歩くのが面倒だから盗んだ」という供述をする犯人も多く、安易な気持ちで無施錠な自転車を盗み、乗り捨てている事例が多いことがうかがえます。
第5位 足立区
第5位は足立区です。以前に比べると治安面が大幅に改善されてきている足立区ですが、自転車の窃盗被害件数は第5位と23区内では多い傾向です。
特に若い世代が被害者となっているケースが多く、「鍵をかけるのが面倒くさい」という理由で無施錠だったり、二重ロックをかけていないために狙われる事例が多く見受けられるといいます。
自転車の窃盗被害に遭わないためにすべき対策
自転車を盗まれないためには、日頃から自転車の防犯対策を徹底することが窃盗犯罪を未然に防ぐことにつながります。
- 自転車の防犯登録を行う
- 短時間でも離れる際は鍵をかけ、補助錠も用いて二重ロックする
- ツーロックは簡単に持ち去れない動かないものに固定する
- 盗難防止用ブザーを設置する
- GPSを自転車に付けておくことで追跡可能、窃盗抑止力に効果的
- ロックのかかる設備が整っている駐輪場に停める
- なるべく防犯カメラが設置されている位置に駐輪する
- 人通りの多い駐輪場に駐輪する
「毎回、自転車を駐輪するたびに意識するのは面倒くさい」と思う方も多くいるでしょう。しかし、そのちょっとした油断を狙われて盗まれてしまっては、その後の生活に大きな支障を来します。
必ず通常の施錠に加えてツーロックを用い、さらに防犯対策を重ねて愛用している自転車を盗まれないよう気をつけましょう。
自転車は窃盗されやすい高級品…必ず防犯対策を実施して
自転車は窃盗被害に遭う品物の中でも特に狙われやすい高級品です。転売目的での窃盗被害も増えているので、今後はより防犯意識を強く持ち、二重ロックや駐輪の仕方、駐輪する位置などにも気をつけましょう。