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洗濯機の水抜きとは
引っ越し業者から「事前に洗濯機の水抜きをしておいてほしい」と言われ水抜きの方法がわからず困ったことはありませんか?引っ越しなどで洗濯機を運び出す前に、水抜きする方法をご紹介したいと思います。
洗濯機の水抜きの方法というと、「洗濯機の中に残っている水を全て排出させること」と思ってしまうのですが、正確にいうとちょっと違います。そもそも洗濯機は、脱水まで終了した時点で洗濯機自体に水はほとんど残っていないので、実際には「給水ホース」と「排水ホース」の中に残っている水を抜く行程を『水抜き』と呼んでいるのです。
洗濯機の水抜きの方法は全自動洗濯機かドラム式洗濯機かによっても異なります。前日に「自分が使っている機種の水抜き方法が分からない!」と慌てないように、水抜き方法をマスターしておくとよいでしょう。
洗濯機の水抜きの方法とその手順
それでは洗濯機の水抜きの方法を手順をおって紹介していきます。
水抜き作業そのものは10~20分もあれば完了します。引越しなどで洗濯機を移動させる直前に、最後の洗濯を済まして、それから水抜き作業をしてもいいのですが、作業にてまどったりトラブルが発生したりすると予定時間がずれてしまいますので、できれば前日までに済ませておきたいものです。ただし、あまりに早い段階で水抜きをしてしまうと、引越し当日までの期間、洗濯機を使えなくなってしまうので注意しよう。
洗濯機が全自動洗濯機かドラム式洗濯機かによっても、水抜きの方法が違ってくる場合がありますので、事前に取り扱い説明書を見て確認しておくとよいでしょう。
一般的な洗濯機の水抜きの方法は、次のように行います。
水抜き前にすること
洗濯槽の中を確認する
もし洗濯槽に衣類を入れたままの状態でしたら、取り出しておきましょう。洗濯ネットなどの備品類は、紛失しないように袋などにまとめて入れてよせておきます。
1.「給水用ホース」の水抜き
給水栓と洗濯機をつなぐ、給水用ホース内の水抜きをします。
- 水道の蛇口を閉める
給水している水道の蛇口を水が出ないようにしっかり閉めてください。 - 洗濯機をまわす
洗濯機の電源を入れ、フタを閉じて「洗濯コース」もしくは「洗浄コース」を選んでスタートボタンを押し、1分ほど洗濯機をまわします。※洗濯機の種類によってどのコースを選ぶか異なりますので、その場合は取り扱い説明書を参照にしてください。 - 洗濯機の電源を切る
1分ほど洗濯機をまわすと給水ホースの中に残っていた水が抜けていきますので、終わったら電源を切りましょう。もし洗濯機に水が流れ出たりした場合は、もう一度、給水栓を閉め直し、最初からやり直してください。
2.「排水ホース」の水抜き
排水ホースの水抜きは縦型式洗濯機とドラム式洗濯機では方法が異なります。
縦型式洗濯機の場合
洗濯機内に残っている水と、排水ホースに残っている水を流し出す作業をします。再度、洗濯機の電源を入れ、今度は「脱水コース」を選んでスタートします。時間は一番短いコースで十分です。操作方法が機種によって異なりますので、不明な点があったら取り扱い説明書を参照にしてください。
ドラム式洗濯機の場合
ドラム式洗濯機には、洗濯機内に溜まった糸くずなどの異物を取り除く機能が備えられています。この機能を利用して、洗濯機内に溜まった水を排出することができます。殆どの場合、洗濯機本体の下の部分に設置されてあるドレン(つまみ)をゆるめることで、排水が行われますので、その排水された水は、洗面器などで受け止めてください。
縦型式洗濯機でもドラム式洗濯機でも、『水抜きをしたのに洗濯機を傾けると水の音がする』ということがまれにあるようです。これは洗濯機のバランスを保つための『液体バランサー』という装置内の液体の音であり、この液体は抜けないようにできているので、そのまましておいて大丈夫です。
3.「給水用ホース」「コード類」の取り外し
洗濯機と接続している「給水用ホース」「電源コード」「アースケーブル」を取り外します。
- 電源コードとアースケーブルを外す
最初にコンセントから電源コードを外し、ドライバーを使ってアースケーブルを取り外します。電源コードとアースケーブルは絡まないように、輪ゴムや紐を使って短くまとめておきましょう。 - 口金やバンドを外す
次に「給水栓」と「給水用ホース」をつなぐ口金やバンドをドライバーを使って、変形させないように外します。口金の種類によっては、ドライバーを使わなくてもホースを外せるものがあります。この場合、給水栓に接続用の口金やバンドは新居でも使用するので、外したあと紛失しないようにビニール袋などへ入れて、給水用ホースと一緒に持ち運ぶようにしましょう。 - 給水ホースの水滴を拭く
給水用ホースはタオルで水滴を拭きとり、先端をビニール袋などで止めておくと、水滴がこぼれずに済みます。縦型式洗濯機の場合、電源コードや給水用ホースを取り外したあとに洗濯機を軽く傾けると、洗濯機内に残っていた水が排水ホースへ流れます。そうすることでしっかりと水分を排出させることが可能です。ただし、ドラム式洗濯機は、傾きに弱いので行わないでください。
4.「排水用ホース」の取り外し
排水口から、排水用ホースを取り外しますが、排水用ホースは曲がりやすいように蛇腹状になっているため、ホースに水滴が残りやすくなっています。排水用ホースを外した直後は、ホースと排水口に残った水があふれてくることがあるので、予めタオルを用意しておくか、洗面器を使って水が床にこぼれ落ちないようにしましょう。
排水用ホースの先端をタオルの上に置き、中の水を流しきった後、全体を拭き取り、先端部分をビニール袋で包んでおきます。
5.洗濯機の拭き取り
洗濯槽の中に水滴がついていたらタオルでていねいに拭き取ります。このとき、洗濯機全体の汚れも一緒に拭き取っておくと、引っ越し先に洗濯機を持ち込んだときに、移動前のホコリを持ち込まずに済みます。
給水ホース、排水ホース、アースケーブル、電源コード、そしてホースと排水口をつなぐL字型の部品「エルボ」など付属部品は紛失しないようまとめて袋に入れて、養生用テープで洗濯槽の中に固定しておくことをおすすめします。その際、取扱説明書も忘れないようにしましょう。
6.ホースの確認
洗濯機のホースは劣化しやすく、長期間使っていると気が付かないうちに割れていたり、傷ができていたりします。手にとって状態を確認し、まだ破損していなくとも、傷んでいそうな場合は、今回の移動を機に交換しておくようにしましょう。
洗濯機の水抜きが必要な理由
洗濯が終わって排水しても、洗濯槽以外のところや給水・排水ホースにある程度の水が残っています。この水を可能な限り抜き取るのが「水抜き」です。水抜きをしないまま洗濯機を運ぶと、洗濯機の重さが増すので運搬が大変ということの他に、運搬中の水濡れを防ぐという理由があります。
床が水で漏れると、引越しのスタッフが足を取られたり、新居や旧居が汚れてしまう可能性もあります。また、輸送中に水が漏れると、ほかの荷物が水に濡れて破損するかもしれません。洗濯機の水抜きは、家具や電化製品の破損を防ぐだけでなく、作業をする人の安全にもつながる重要な作業ですので、引越しをする前に、忘れずに洗濯機の水抜きを行なってくださいね。
新居で洗濯機を設置する際の注意事項
新居の設置場所のサイズにあうかどうか事前にチェックしておく
現在使用しているドラム式洗濯機や大容量の洗濯機が、新しい設置場所の洗濯機パンに入らない!なんてことがないように、新居の設置場所のサイズにあうかどうかを事前にチェックしておくことが必要です。※「洗濯機パン」とは、水漏れした時に水を受けて、床材へのダメージを防いでくれるプラスチック製の受け皿のようなもので、別名「防水パン」とも言います。
賃貸物件の場合は特に、洗濯機パンのサイズがさまざまなので気をつけなければいけません。また、洗濯パンのサイズが合ったとしても、マンションの通路や家の中の階段、廊下、設置場所の入り口ドアを通過できるかなど、搬入経路の確認も必要です。実際に、狭くて入らなかったというようなトラブルも珍しくありません。
万が一、洗濯機パンからはみ出してしまった場合でも、いろんなアイテムを使うことで対処できます。そのひとつとして、防振ゴムなどでかさ上げする方法があります。しかし、洗濯パンからはみ出した洗濯機に防振ゴムを設置したことによって、万が一損害を負ったとしても自己責任ということは覚悟しておいたほうがよいでしょう。また、洗濯機を購入した電気屋さんで「新居のパンのサイズに合わない場合、何かいい方法はありませんか?」と相談してみてもいいかもしれませんね。
排水口や蛇口の高さを確認する
排水口が洗濯機の真下にある場合には、洗濯機本体の高さを上げる必要があります。その方法として『補強版』『据え付け脚』『設置台』などの部品で対応できる可能性もありますので、メーカーに問い合わせてみましょう。また、蛇口と洗濯機の高さが合わない場合、市販されている『壁ピタ水栓』という部品を購入することで高さを調節することができます。
ホースや金具など、付属部品の紛失に注意する
水抜きの際、ホースや金具などを取り外した付属部品を、なくさないように注意してください。付属品を1つでも紛失してしまうと、その付属品を新たに購入し、取り付けが完了するまでお洗濯ができなくなります。
まとめ
洗濯機の水抜きの方法はいかがでしたでしょうか。引越し業者が洗濯機の水抜きを行ってくれる場合もあるので、水抜きをするのが面倒な人や時間のない人は、事前に依頼しておくのもよいでしょう。
ただし業者によっては有料であったり、対応してくれなかったりとサービス内容が違います。水抜き作業そのものはとても簡単で短時間で済むので、費用をかけるよりも自分でやったほうが賢明かもしれませんね。