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「これも洗えるだろう」が故障の原因に!
洗濯機は家事の効率化に欠かせない便利な家電です。しかし、「あ、これも洗えるだろう」と安易に思ってしまうことで、想定外のトラブルが起こることがあります。
例えば、洗濯槽が異常に振動したり、最悪の場合、故障して修理費用がかさむことも…。これらは、正しくない使用方法が原因の場合がほとんどです。
では、どのようなものを洗濯機に入れてはいけないのか、具体的に見ていきましょう。これから紹介する内容を知っておくだけで、洗濯機を長持ちさせることができますよ。
洗濯機に絶対入れてはいけないものリスト
ここでは、洗濯機で洗うべきではないアイテムを具体的に取り上げていきます。これらのものは、洗濯機の故障リスクを高めるだけでなく、思わぬ事故を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
1. 防水性のあるアイテム
水を完全にはじく防水性のある素材は、洗濯機に入れると非常に危険です。例えば、レインコートや防水加工された登山用バッグなどがこれに当たります。この種のアイテムは水を通さないため、洗濯槽内に水が溜まり、脱水時に洗濯機のバランスが崩れることがあります。これが原因で洗濯機が異常振動を起こし、転倒や故障を招くことも。
また、防水性アイテムの中には表面にコーティングが施されているものもあり、洗濯中に剥がれたり劣化したりする可能性もあります。このようなアイテムは、基本的に手洗いするか、専門のクリーニング店を利用することが推奨されます。
2. ウレタン素材の枕やクッション
低反発枕やクッションに多く使われるウレタン素材も洗濯機には不向きです。この素材は水分を大量に吸収しやすい一方で、水分を放出しにくい性質を持っています。そのため、洗濯中に重くなり、洗濯槽内のバランスを崩す原因となります。また、ウレタン自体が脆く、摩擦に弱い素材なので、破損しやすいという問題もあります。
さらに、濡れたウレタンを乾かすのは非常に時間がかかり、湿気が長時間続くことで雑菌の繁殖を招くリスクもあります。こうした素材を洗濯する際は、必ず手洗いを選択し、直射日光を避けた陰干しを行いましょう。
3. 裏にゴム素材が付いているマット類
玄関マットやキッチンマットの裏側にゴム素材が使われているものも洗濯機には適していません。これらのマットは、脱水時にゴムが滑りやすく、洗濯槽内で動き回ることで異常振動を引き起こす可能性があります。また、ゴムが劣化して剥がれ、洗濯槽に詰まることも故障の原因となります。
特に大型のマット類は洗濯槽の容量を超えることが多く、無理に洗濯機に入れることでモーターへの過剰負荷や水漏れを引き起こすリスクもあります。このようなマット類は、屋外で水洗いするか、洗えるタイプであれば洗濯ネットを利用して小分けにするのが安全です。
4. 重量のあるアイテム
大きな毛布やぬいぐるみといった重量のあるアイテムも、洗濯機には注意が必要です。一見洗濯できそうなこれらのアイテムですが、重さが原因で洗濯槽内の回転バランスが崩れ、異常振動を引き起こすことがあります。特に水を含んで重くなる毛布類は、想像以上の負荷を洗濯機に与える可能性があります。
また、ぬいぐるみなどは内部の詰め物が水を吸収して膨張しやすく、洗濯機の中で絡まることでモーターに過剰な負荷をかける恐れもあります。このようなアイテムを洗う場合は、事前に洗濯機の対応可能な容量を確認し、洗濯ネットを使用するなどの工夫が必要です。
5. 皮革製品
レザージャケットや革製のバッグなどの皮革製品は、洗濯機で洗うことは絶対に避けてください。水に触れると革が硬化したり、色落ちしたりするだけでなく、素材そのものが劣化する恐れがあります。さらに、洗濯中に剥がれた革の破片が洗濯機内に詰まり、排水不良や故障を引き起こすリスクもあります。
例えば、雨で濡れてしまった革製品を乾かす場合でも、直射日光を避け、通気性の良い場所で自然乾燥させるのが基本です。クリーニングが必要な場合は、専門のレザークリーニングを利用するのが最善策です。
洗濯機で使用する際に注意が必要なもの
これまで紹介した「絶対に入れてはいけないもの」に加え、正しい使い方をしないとトラブルを招く可能性があるアイテムも存在します。次は、日常的に使う中で注意が必要なポイントについて詳しく見ていきましょう。
高温のお湯の使用
洗濯機で高温のお湯を使用することは、部品の劣化や故障の原因となる場合があります。多くの洗濯機では50℃以上のお湯は推奨されておらず、特にプラスチック部品が変形するリスクがあります。これにより、洗濯槽の歪みや水漏れが発生することも。
また、高温による問題は衣類にも影響を及ぼします。色落ちや縮みが発生しやすくなるため、洗濯表示を確認し、適切な水温で洗濯することが重要です。お湯を使用する場合でも、30~40℃程度のぬるま湯が理想的とされています。
衣類の挟み込み
洗濯槽の蓋やドア部分に衣類が挟まっていることに気づかずに運転を始めてしまうと、水漏れや衣類の破損につながる可能性があります。特に、薄手の素材やデリケートな衣類は挟み込まれることで簡単にダメージを受けることがあります。
運転前には必ずドアや蓋の周囲を確認し、挟まりやすい小さな衣類は洗濯ネットを利用するようにしましょう。少しの確認が大きなトラブルを防ぐことにつながります。
特殊な洗剤(重曹・クエン酸など)の使用
エコ志向やナチュラルクリーニングの流行により、重曹やクエン酸、天然由来の粉石けんを使う家庭も増えています。しかし、これらの洗剤を正しく使用しないと、洗濯機の故障原因となる場合があります。特に重曹や粉石けんは水に溶けにくく、溶け残りが排水ホースに詰まることで水漏れや排水不良を引き起こす可能性があります。
また、これらの洗剤は通常の合成洗剤と比較して洗浄力が弱いため、しつこい汚れが落ちにくいことも。一見すると「環境に優しい」選択のようですが、誤った使い方では洗濯物にも機械にも良くない結果を招きかねません。使用する場合は、30~40℃のぬるま湯でしっかり溶かしてから洗濯機に投入するか、液体タイプの製品を選ぶことをお勧めします。
洗濯機の取扱説明書の確認
「取扱説明書なんて読んだことがない」という人も少なくないでしょう。しかし、洗濯機を長く愛用するためには、この説明書が意外にも役に立つのです。洗濯機の種類やモデルによって対応可能な容量や洗剤の種類が異なり、取扱説明書には具体的な注意事項が記載されています。
例えば、「〇〇製品は洗濯機で洗わないでください」と明記されていることがあります。これは、メーカーが過去の故障事例やテスト結果に基づいて警告しているものです。取扱説明書は一見地味ですが、洗濯機を安全に使い続けるための宝の地図といえます。一度引っ張り出して目を通してみる価値があります。
洗濯機の正しい使い方でトラブルを防ぐ
日常的に使用する家電だからこそ、適切な使い方を心がけることが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、洗濯機に入れるべきでないものや注意すべきポイントを把握しておきましょう。
ちょっとした知識や工夫が、大切な衣類を守り、洗濯機を長持ちさせることにつながります。次回の洗濯の際に、ぜひ思い出してくださいね。