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玉ねぎを切ると涙が出る理由
玉ねぎの調理と聞いて思い浮かぶのが、目が痛くなり涙が出ることではないでしょうか。玉ねぎは、皮をむいたりざっくりと切っただけでは、目が痛くなることはありません。しかし、みじん切りなど細かな調理をすると、少しずつ目が痛くなります。
これは、玉ねぎ内の細胞が破壊されることで発生する「硫化アリル」という成分が原因です。硫化アリルは香味成分で、アミノ酸や酵素が玉ねぎ内の破壊された細胞と反応しあうことで発生します。この成分は揮発性が高く、空気中に飛び出して目や鼻の粘膜に触れると強い刺激を与えます。その結果、脳から涙を流すように指令が出て、自然と涙が出てくるのです。
実は、この硫化アリルには血液をサラサラにする効果があり、健康面でも注目されています。しかし、調理中の涙は厄介ですよね。そこで、次に効果的な対策方法をいくつかご紹介します。
玉ねぎを切るときに目を痛めない裏ワザ10選
硫化アリルを防ぎ、目の痛みを軽減するための裏技をいくつかご紹介します。効果が高く、実行しやすいものから順に説明していきますので、自分に合った方法を見つけてください。
1. 玉ねぎを冷やす
玉ねぎを冷やすことで、切ったときに硫化アリルの発生を抑えることができます。冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。
- 1. 常温保存の玉ねぎは、切る30分以上前に野菜室で冷やす
- 2. 野菜室から取り出してすぐに切る
硫化アリルが全く発生しなくなるわけではないので、時には目がショボショボすることもあります。生の玉ねぎを使うサラダや付け合わせなどでぜひお試しください。
急いでいる場合は、冷凍庫で10分程度冷却する方法もあります。ただし、冷やしすぎると玉ねぎの食感が変わってしまうので注意しましょう。また、冷蔵庫から出した後はすぐに切ることが重要です。温度が上がる前に切ることで、硫化アリルの発生を最小限に抑えられます。
玉ねぎは適切に保存することで、その鮮度と効果を長く保つことができます。乾燥した涼しい場所で保存し、湿気を避けることで、玉ねぎの辛味成分を安定させ、涙の原因となる硫化アリルの急激な生成を防ぐことができます。
2. 玉ねぎを水に浸す
硫化アリルは水溶性なので、玉ねぎを水に浸けることで成分を外に逃がすことができます。
- 1. 玉ねぎの皮をむき、丸ごと水に5〜10分浸す
- 2. 水から取り出してすぐに切る
みじん切りの場合には難しいですが、細切りの場合なら水中でカットするのもおすすめの方法です。ただし、水に長時間浸けすぎると玉ねぎが水っぽくなってしまうので、注意が必要です。
この方法は簡単ですが、玉ねぎの風味が若干弱くなる可能性があります。サラダやサンドイッチなど、生で食べる料理に使う場合は特に気をつけましょう。
3. 玉ねぎを電子レンジで加熱する
玉ねぎを加熱することで、硫化アリルは大幅に減少します。加熱時間は、皮の有無によって異なるので注意しましょう。以下に、玉ねぎ丸ごと1個を使うときの加熱方法をご紹介します。
- 皮つき:皮に切れ目を入れ、500Wの電子レンジで2分加熱
- 皮なし:玉ねぎをラップで包み、500W(心配な人は600W)で30秒加熱
適度に加熱することで、玉ねぎ内の硫化アリルを減らし、切りやすい硬さで調理ができます。加熱しすぎると、玉ねぎが柔らかくなりすぎて切りにくくなるので注意してください。
また、この方法は玉ねぎを甘くする効果もありますが、シャキシャキ感が弱くなるというデメリットもあります。煮込み料理など、シャキシャキ感を求めない料理の場合におすすめの方法です。
4. ゴーグル(コンタクトレンズ)やマスクで目と鼻を覆う
玉ねぎを切って目が痛くなるのは、目や鼻に硫化アリルが付着するためです。硫化アリルの侵入を防げば、涙が出るのを防ぐことができます。
- 目に対する工夫:ゴーグルの装着やコンタクトレンズの使用など
- 鼻に対する工夫:マスクの着用がおすすめです
メガネでは、空気中を漂う硫化アリルが目の粘膜に付着してしまうため、涙を止める効果は期待できません。涙をガードしたい場合は、水中ゴーグルかコンタクトレンズを使用するのが効果的です。コンタクトレンズは目の表面に膜を作るので、玉ねぎの刺激を直接受けにくくなります。
ただし、コンタクトレンズを使用しても完全に涙が出なくなるわけではありません。鼻からも硫化アリルが侵入するため、マスクの着用も併せて行うとより効果的です。
5. 玉ねぎの繊維に沿って切る
硫化アリルは、玉ねぎの細胞が多く破壊されたときに発生します。細胞をできる限り壊さないように、繊維に沿ってカットすることで硫化アリルの発生を抑えることができます。
- 1. 玉ねぎを縦半分に切る
- 2. 根元を残して皮をむく
- 3. 繊維に沿って、縦方向に切り込みを入れる
- 4. 横方向に切って完成
この方法は少し手間がかかりますが、玉ねぎの細胞を最小限に破壊するので、涙の原因となる硫化アリルの発生を抑えられます。また、この切り方をすると、玉ねぎの食感も良くなるので一石二鳥です。
6. 切れ味の良い包丁を使用する
切れ味の良い包丁を使うことで、玉ねぎの細胞を潰さずにスムーズに切ることができます。これにより、硫化アリルの発生を最小限に抑えられます。
- 包丁は定期的に研ぐか、シャープナーを使って切れ味を維持する
- 力を入れすぎず、包丁を滑らせるように切る
包丁の手入れは面倒に感じるかもしれませんが、切れ味の良い包丁を使うことで調理時間も短縮でき、より安全に作業ができます。また、食材の水分やうまみを逃さないというメリットもあります。
7. 手早く切る
玉ねぎを切る作業は、時間をかけずに手早く済ませることも重要です。涙が出る前に玉ねぎを切り終えれば問題ありません。
- 事前に必要な道具を揃えておく
- 集中して素早く切る
- 途中で中断せずに一気に切り終える
この方法は特別な道具や準備が必要ないため、すぐに実践できます。ただし、急ぐあまり怪我をしないよう、安全には十分注意しましょう。
8. 換気扇を使用する
換気扇を回しながら切ることで、硫化アリルを含む空気を速やかに排出し、目や鼻への刺激を軽減できます。
- 換気扇の真下で切る
- 可能であれば、窓を開けて風通しを良くする
換気扇がない場合は、扇風機を使って風を送る方法も効果があります。ただし、風が強すぎると食材が飛び散る可能性があるので、風量は適度に調整しましょう。
9. 口を開けたまま切る
口を大きく開けたまま玉ねぎを切ると、鼻に硫化アリルが入りにくくなり、涙が出にくくなります。
- 口を「あー」と言うように大きく開ける
- 鼻ではなく口で呼吸する
この方法は少し滑稽に見えるかもしれませんが、簡単に試せる方法の一つです。ただし、長時間続けると顎が疲れる可能性があるので、短時間で済ませるようにしましょう。
10. 割り箸をくわえながら切る
割り箸を横向きにしてくわえながら玉ねぎを切ると、涙が出にくくなるという方法もあります。
- 割り箸の中心をくわえる
- 通常より多く唾液を出す
この方法は科学的な根拠は明確ではありませんが、唾液の分泌が増えることで涙の分泌が抑えられるという説があります。試してみる価値はあるかもしれません。
硫化アリルを防ぐ裏ワザで目の痛みを回避しよう
玉ねぎを切ると涙が出るのは、玉ねぎの細胞が破壊されることで発生する硫化アリルという成分が原因です。紹介した方法を試し、快適に料理を進めましょう。どの方法も簡単に実践できるものばかりです。
自分に合った方法を見つけて、涙を流すことなく美味しい玉ねぎ料理を楽しんでください。これらの裏ワザを使えば、玉ねぎ調理の煩わしさから解放され、より楽しく効率的に料理を行うことができるはずです。涙なしで調理できれば、玉ねぎの持つ栄養価や風味を十分に活かした料理を、もっと気軽に楽しめるようになりますよ。