目次
野良猫を見つけて安易に近寄るのはトラブルの原因に
道端で野良猫に遭遇することは日本国内で珍しいことではありません。自然界で強く生き延びている野良猫をみると、つい可愛さから近寄りたくなる人も多いでしょう。
しかし、野良猫への対応を誤ると、さまざまなトラブルを招く恐れがあるので注意が必要です。人間側が怪我するだけでなく、野良猫としての自然界での立ち位置、近隣住民への迷惑行為につながる危険性もあるので気をつけましょう。
野良猫にすべきではない『4つの行動』
野良猫を見つけたとき、どのような行為が「やってはいけない」と注意喚起されているのでしょうか。
1.安易に近寄り触れようとする
野良猫を見つけたとき、可愛いからと安易に近寄り触れようとする行為は絶対にやめましょう。野良猫は、地域猫や家猫とは大きく違い、自然界を生き抜いてきた警戒心の強い野生の猫です。そのため、近寄られるだけでストレスを感じますし、容赦なく攻撃してくる猫が多くいます。
予防接種を受けていない猫に攻撃されると、怪我だけでなく傷口から感染症にかかってしまう危険性も懸念されます。また、ウイルスを持ち帰り、家族や家で飼っている猫に病気をうつしてしまう可能性もあるので注意が必要です。
2.無責任にご飯を与える
野良猫がかわいそうだからと、ご飯を与えた後のことを考えず、無責任にご飯を与える行為もやめるべきです。無責任にご飯を与えてしまうと、自分で餌を見つける能力が衰え、結果として野良猫が自力で自然界を生きていけなくなる恐れもあります。
また、ご飯をもらったという情報が猫の間で拡散され、その場所に多くの猫が集まるようになってしまうことも。近隣の住民からすれば、迷惑に感じる人も多いでしょう。
さらに、集まった猫たちによる糞尿被害も甚大です。これらのリスクとその後の対応を考えず、無責任にご飯を与える行為は危険です。
3.野良猫へのご飯を置きっぱなしにする
野良猫へのご飯をお皿などに置きっぱなしにしておく行為も厳禁です。なぜならば、上記で紹介したように、さまざまな野良猫による被害が拡大してしまうからです。
また、猫のご飯に集まるのは猫だけではありません。害虫やカラスなども集まってくるため、より被害が大きくなり、収拾がつかなくなる恐れがあります。
小さく弱い野良猫の場合、ご飯によってきたカラスに攻撃されたり、餌にされてしまったりする危険性もあるので、むやみに自然界の動物たちに手を加えることは避けましょう。
4.もちろん暴力行為は厳禁
当然ですが、野良猫に対して暴力を加えることは絶対にいけません。人間として許されない行為です。
野良猫たちは野良猫として自然界を日々苦労しながらも強く生き抜いています。そんな彼らの世界を壊すような行為は、たとえ猫が嫌いであってもするべきではありません。
どうしても猫が増えて被害が拡大し困っているという場合は、自治体に相談して保護活動を依頼するなど別の方法で対処してください。
野良猫は自然界で生きる猫……適切な対処法は?
野良猫は自然界を生き延びている警戒心の強い猫たちです。野良猫を見かけたとき、私たちはどのような対応をとるべきなのでしょうか。
基本的には手を出さずに遠くから見守って
野良猫を見かけたとき、基本的には人が介入せず、遠くから静かに見守ってあげるのが最善です。無責任に手を加えてしまうと、自然界の秩序を壊すことになりますし、近隣住民とのトラブルに発展する恐れもあります。
また、野良猫の場合、人間が触れてしまうと人の匂いがついてしまうため、野良猫たちの集団から追い出されたり攻撃されたりする危険性もあるのです。野良猫のためにもならないので、そっと見守る姿勢に徹しましょう。
地域で話し合って『TNR活動』に取り組む
野良猫が増えてしまった、どうしても見捨てられないという場合は、その地域の住民たちと話し合い、有志によって『TNR活動』を始めるという方法もあります。
TNR活動とは、野良猫を一時的に保護して去勢避妊手術を受けさせた後、回復した頃合いを見計らって元の場所に戻す活動です。この取り組みによって、野良猫が過剰に繁殖することを防ぎ地域の環境を守れますし、野良猫自身の命を守ることにもつながります。
また、こうして去勢避妊手術をした猫は、そのまま地域猫としてお世話されたり、人懐こい子であれば保護されて新たなお家へ迎えられることもあります。
ただし、TNR活動を続けるには、不妊避妊手術費用やその間のお世話費用、さらには手術したことによって野良猫の集団から追い出されてしまった場合、保護の必要性や地域猫として見守る必要性なども考えなくてはいけません。
簡単に取り組める活動ではないので、専門家の話を聞いた上で、地域でよく話し合う必要があるでしょう。
野良猫を見つけたときはそっと静かに見守って
野良猫は自然界で生きることに慣れている猫たちです。そのため、人が近づくだけでもストレスを感じ、警戒心から攻撃に転じることもあります。野良猫を見つけたときは、基本的に遠くからそっと見守りましょう。