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栗の皮の簡単な剥き方
栗の剥き方で、いきなり分厚く堅いやっかいな栗の皮を包丁で剥くのは、指を怪我してしまう可能性があり、危険な栗の剥き方といえます。まずは栗の構造を理解してから簡単な栗の剥き方をご紹介したいと思います。
栗の皮の構造を知ろう!
鬼皮
木になっている状態のトゲトゲのイガを割って、取り出した状態の濃い茶色の固い殻のような皮を「鬼皮」といいます。鬼皮は栗だけではなく木の実全般での名称です。実の外側にある硬く分厚い皮のことで、これを無理やり包丁で剥こうとすると分厚く固いので怪我をするおそれがあります。
渋皮
鬼皮の内側で栗の実を覆っている赤茶色っぽい薄い皮を「渋皮」といいます。こちらはポリフェノールの一種であるタンニン多く含んでいてエグみや雑みがあるため、ほとんどの場合は渋皮を剥いてから食べますが、最近ではタンニンには強い抗酸化作用あり、活性化酸素を除去してくれて若返り、がん予防、悪玉コレステロールの排除を助ける作用があり、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防に効果があるため、最近ではあえて渋皮を食べるという人もいらっしゃいます。
では、栗の鬼皮、渋皮の簡単な剥き方のテクニックを考察していきたいと思います。
簡単な剥き方のテクニック
水に長時間浸ける
一番単純で簡単な栗の剥き方としては水に長時間浸け込むことです。丸1日水に浸け置きすると、硬かった皮が水分を吸収してかなり柔らかくなります。また、虫が中にいる栗や、傷んでいるために浮かんでくる栗を見つけられる可能性があります。調理するまえ前にはすぐに水につけましょう。
お湯に浸ける
鍋でお湯を沸かし熱湯の中に栗を入れ、約1分間湯でて、火を止め30分程浸け置きします。
ゆでてから冷凍
鍋でお湯を沸かし熱湯の中に栗を入れ、約1分間湯でて、火を止め30分程浸け置きした栗の粗熱をとり、手で触っても大丈夫なくらいの温度に下がったら、お湯を捨てて鍋を冷凍庫へ入れます。このまま冷凍保存して必要な時に解凍して鬼皮を剥くだけです。ゆでる前にあらかじめ底のザラザラした部分に切れ目を入れておくと鬼皮と渋皮が両方とも簡単に剥くことができます。
圧力鍋を使う
栗の皮を後で剥きやすくするため、栗の尖った部分に十字の切れ込みをいれます。底のザラザラの場所にも一本切れ込みをいれればさらに剥きやすくなります。圧力鍋の中に栗が浸るくらいの水と栗を入れ蓋をして火を付けます。10分程加熱したら火を止め圧力が抜けるのを待ち、栗をザルにあげます。
- コツ1:最初の切り込みを深くいれる
- 皮の剥き方として、いきなり切れ目を深くいれるのは皮が硬く大変なので、まずは水に浸けて皮を柔らかくしてから切り込みをいれます。切り込みが渋皮まで届いてないと鬼皮しかむけないので注意しましょう。
- コツ2:長く加熱しない
- 長く加熱してしまうと、中の身がホロホロと崩れてしまうので、かえって剥きにくくなります。加熱時間を守ってください。
電子レンジを使う
栗を洗って底のザラザラした部分に切れ目をいれておき、耐熱容器に入れて水を入れたらラップをかけて電子レンジ500Wで5分、600Wで3分加熱します。加熱後に手で触れるくらい栗が冷めたら剥きます。加熱の時の目安としては栗を10個ずつ少しずつ入れるようにします。栗が極端に多いと熱で水分が飛びすぎて爆発する可能性があります。
フライパンを使う
栗の尖った部分に十字に切り込みを入れ、熱したフライパンに油を引いて栗を炒ります。鬼皮に焦げ目がついて、切り込みをいれた場所が裂けたら火を止めて取りだし、新聞紙等に並べて手で触れるくらいまで冷ましてから栗をむきます。
オーブンを使う
栗の尖った部分に十字に切り込みを入れ、約250度で数分間加熱すると、切り込みをいれた場所が裂け皮がわれていきます。こちらもフライパンと同じでしっかり加熱すれば、渋皮も剥きやすくなりますが火が通りすぎるとかえって剥きにくくなります。
栗の皮を包丁で剥く方法とコツ
簡単な栗の剥き方として、包丁で栗を剥く前に皮には水分を含ませて柔らかくしてから始めましょう。また、指が痛くなったり傷つけてしまうのを防ぐため、指サックなどをはめておくと良いでしょう。
包丁を使った栗の鬼皮の剥き方
- 切込みをいれる
栗の底(ザラザラした部分)に切り込みをいれます。剥くときのためのとっかかり用です。細い線状でも、ポチっとさせるだけでも大丈夫です。 - 皮を剥く
1でいれた切り込みから包丁で引っ掛けるようにして、引っ張りながら鬼皮を剥きます。まずは平らな面の鬼皮を一気に剥いて、そのあと丸みを帯びた側面を剥きます。 - 栗の底の皮を剥く
最後に座と呼ばれる栗の底の部分の皮を剥きます。
包丁を使った栗の渋皮の剥き方
- 底を削ぐ
包丁を使って栗の底の部分を渋皮ごと削ぎ落します。 - 渋皮を剥く
栗の周囲に沿って、一周ぐるっと包丁を入れ渋皮を剥きます。この剥き方のことを「はちまきをとる」といいます。栗を回すように剥くのがポイントになります。 - 面取り
平らな面の頭から下に向かって一気に渋皮を剥き、その後丸みをおびた側面の渋皮を剥きます。渋皮を剥き終えたら荷崩れ防止のためや見た目を美しく仕上げるために面取りをします。
日本の栗、和栗は渋皮がかなり剥きにくいのが特徴です。日本の栗をきれいに剥くには水をしみ浸みこませて渋皮をふやかすことが必須となります。調理をするまでの時間的に余裕があれば鬼皮をむいてから、さらに一晩浸け置きしてから渋皮を剥くことをおすすめします。そうすることで渋皮が柔らかくなるので、剥きやすくなります。
便利グッズを使った栗の簡単な剥き方
栗剥き専用のはさみを使う
栗の皮の剥き方に包丁を使う方法がありますが、それよりも安全で便利な栗剥き専用のはさみも市販されています。
はさみの片方の刃にはノコギリのような形状の鋭い刃が付いていて、もう一方の刃にはハサミの刃が付いています。栗を両方の刃の間に挟んで切るだけで、鬼皮と渋皮の両方をきれいに取れる便利なはさみです。
栗剥き専用のを使用すれば、剥く前に水に長時間浸けておいたり、ゆでたりする必要がなく、生栗の状態から簡単に栗の皮を剥くことができます。
歯ブラシを利用する裏ワザ
裏ワザ的に便利な栗の皮剥きグッズとしては「歯ブラシ」です。鬼皮を剥いて渋皮のみの状態の栗は歯ブラシを上下左右に動かして擦ることで簡単に渋皮を剥くことができます。刃物を使用しないので小さなお子様がいる家庭でしたら、お手伝いと言って一緒に皮剥きをすることができます。
栗を剥く前に冷蔵保存で甘みをアップ!
栗を剥く前に冷蔵保存すると甘みがあがります。
美味しくなる保存方法
栗を冷蔵保存すると虫がつく心配がなくなるだけではなく甘味が上がります。1ヶ月程度保存することで、甘味が通常時の3倍近く増えます。保存の方法は皮がついたままの栗を水洗いしないで、汚れだけを軽く拭き取って、新聞紙で包んで小さな穴を開けたポリ袋に入れておきます。
冷蔵庫にチルド室がある場合はその中に入れ、チルド室が無い場合は冷蔵庫の中で一番冷えている場所に置いて保管します。保存できる期限は1~3ヶ月程度で、湿気がある場所ではカビが発生してしまう可能性があるので、注意しましょう。
まとめ
栗の剥き方は意外と簡単でしたね。栗に何も手を加えずにいきなり包丁で剥くのだけは危険ですのでやめましょう。栗の皮剥きはひと手間加えることで簡単にできますので、もし忙しくて時間が無い方は水か熱湯につけてから皮むきしてくださいね。栗を美味しく食べるためにもくれぐれも怪我をしないよう気をつけましょう。