目次
アイロンで生地をラミネート加工する方法
生地をアイロンでラミネート加工するとは、綿や麻でできている生地を専用のラミネートシートというビニールのフィルムをアイロンで接着してコーティング加工をすることです。
自分の好きな色、好きな柄の生地を自分でアイロンを使ってラミネート加工する事ができます。
ラミネート加工をすると加工された面はビニールコーティングがされて水を弾きますし、生地自体の耐久性も上がるのでお気に入りの生地を見つけたらラミネート加工をしてから、自分で普段から持ち歩くものを作ると愛着がわきますし楽しい気分になります。
ラミネート加工に準備する物
- ラミネート加工したい生地
- ラミネートシート
- アイロン
- アイロン台
生地をラミネート加工する手順
- カット
ラミネート加工したい生地とラミネートシートを使いたい大きさにカットします - ほこり取り
カットした生地の表面を確認して、ラミネート加工をはじめる前にホコリなどをしっかり取り除いておきます。 - シートを置く
カットしたラミネートシートの端の方から、台紙からゆっくり剥がして加工したい生地の表面の上に、少し剥がした段階で置きます。 - 台紙を剥がす
ラミネートシートを押さえながら、慌てず丁寧にゆっくりと出来るかぎりシワや気泡ができないように台紙からラミネートシートを全て剥がして生地の上に置きます。 - 台紙を置く
剥がした台紙を生地に貼ったラミネートシートの上に置きます。(台紙をアイロンがけをする時の当て紙として使用します。) - アイロンで定着
中温設定にしたアイロンを台紙の上からすべらせるように6~8秒ほど短時間でかけます。ラミネートシートは熱を加えることで生地に接着します。 - 仕上げのアイロン
台紙ごと生地を裏返して裏側からもアイロンをかけてしっかり定着させて仕上げます。これでラミネート生地が完成します。
ラミネート加工するメリット・デメリット
メリット
- 布地がほつれない:生地がコーティングされているので切っても切り口の糸がほつれない。
- 防水できる:ビニールコーティングで水に濡れても撥水する。
- 汚れを落としやすい:汚れが布に染み込まず、ビニール面なのですぐ拭き取ることができる。
- 耐久性がある:ビニールコーティングで布が破けない。
デメリット
- 縫いにくい:ビニールが厚ければ厚いほど針が通らず縫いにくい。
- 縫い直しができない:穴が開いてしまうと補修できず開いたままになるので縫いなおしができない。また、まち針がうてない。
- アイロンがけが難しい:アイロンがけで、アイロンの温度やアイロンがけのスピードを間違えるとビニールが溶ける。
もしアイロンでラミネート加工して生地を痛めるのが不安な方は、すでにラミネート加工されている「ラミネート生地」も販売されていますのでお好きな色や柄があるか探してみてください。
生地をラミネート加工する際の注意点
シワをしっかり伸ばす
ラミネート加工をする生地は加工作業をする前に、1度しっかりアイロンがけをしてできるかぎりシワを伸ばしておきましょう。加工する前の生地にシワが残っている場合、ラミネート加工後にもシワが残ってしまいます。
色柄が薄くなる
ラミネート加工をするとビニールコーティングがされるので、元の生地の色柄がわずかに薄くなってしまいます。理解した上で加工を実施しましょう。
ラミネート加工の際のラミネートシートを貼る作業は難しく、それなりの技術が必要になるのではないか?と考えてしまうかと思いますが、ゆっくり丁寧に貼ればアイロンがけで定着させるときにきれいになるのでほぼ失敗はしないので慌てず丁寧に作業しましょう。
ラミネート生地のシワをアイロンでとる方法
裏面にアイロンをかける
ラミネート生地にシワができてしまった場合はビニールコーティングがされたラミネートシートを貼った面の裏側から当て布をして低温設定にしたアイロンをサッと滑らせるように動かしてシワをのばしてください。
アイロンは低温設定
アイロンを高温設定にしてしまうとビニールコーティングが溶けてしまうことがあるので、絶対にやめてください。必ず低温設定でアイロンがけをしましょう。
基本的にはビニールが溶けてしまう恐れがあるのでアイロンを使用するのはおすすめできないのですが、アイロンを低温設定にしてサッとかけることで簡単にシワをのばすことができます。作業は慎重におこなってください。
ラミネート加工済みの生地も販売されている
自分でアイロンを使ってラミネート加工するのは大変そうだとお考えの方には、ラミネート加工済みのラミネート生地が販売されています。
ラミネート加工済みの生地はすべりが悪く縫いにくいのでベビーパウダーなどを軽くぬると縫いやすくなります。強く引っ張ったりすると生地が伸びてしまいますので注意しましょう。
ラミネート生地の洗濯の方法
ラミネート生地を洗濯機で洗濯してしまうと、洗濯機内部での激しい動きによって生地とビニールコーティングのフィルムの接着面が剥がれて浮いてしまうことがあります。再度アイロンがけをしても生地にコーティングされることはありません。
ラミネート生地の洗濯は生地全体を洗濯するのではなく、汚れてしまった部分の汚れを取り除くイメージで洗います。
ラミネート生地の汚れの落とし方をご紹介いたします。
除光液を使用して拭き取る
除光液をコットンやティッシュに数滴つけて汚れを拭き取ります。基本的にほとんどの汚れは除光液を使用すれば落とせます。
消しゴムでこすって汚れを落とす
消しゴムを使用して汚れを擦って落とします。消しゴムで落としやすい汚れはラミネート生地に擦れてついた線のような汚れです。
家庭用洗剤を使用して汚れを拭き取る
マジックリンなどの家庭用洗剤は使い古しのタオルに少量を染みこませて、染みこませた部分で汚れを拭き取ります。汚れを落とした後は必ず濡らしてからよく絞ったタオルで洗剤をきれいに拭き取ってください。洗剤が残ってしまうとベタつきますし、洗剤の成分が手荒れの原因になってしまうことがあります。
どのような汚れの落とし方をする場合でも、まずはビニールコーティング部分が溶けてしまわないか目立たない部分で試して問題ないことを確認してから汚れを拭き取るようにしてください。
汚れがついてしまったと気がついたらできるだけ早く汚れを取るようにしましょう。時間の経過と共に汚れが落ちにくくなってしまう場合があります。
ラミネート生地のミシンがけのコツ
ラミネート生地でトートバッグや小物入れのポーチなどを作ろうとする場合にはミシンを使用して作業をしますが、ラミネート生地のビニールコーティングがミシンの押さえの部分にくっついてすべりが悪くなってしまい、ミシンが思い通りに進まなくなってしまいます。
ラミネート生地で何かを作るときにミシンを使う場合には、ミシンのアタッチメントのテフロン押さえを使用してミシンを使用しましょう。テフロン押さえは生地の滑りを良くしてくれるのでスムーズにミシンを使用する事が可能になります。
テフロン押さえがない場合にはとトレーシングペーパーやキッチンペーパーを縫いたいラミネート生地の上に置いて滑りを良くさせてミシンで縫い合わせることも可能ですが、半透明で完全に下の縫い合わせたい部分が見えるわけではないので布がずれてしまう事がないように注意してください。
ミシンのアタッチメントのテフロン押さえは1つあると便利ですので、持っていない場合は購入を検討してみてください。
まとめ
今回はお気に入りの生地をアイロンでラミネート加工する方法とラミネート加工部分のシワや汚れを取る方法をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
ラミネート加工によって汚れが生地に染み込まないのが魅力ですよね。ラミネート生地で作られた物は防水効果もあり長持ちしますので、お気に入りの生地がありましたらぜひラミネート加工してみましょう。