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築年数が古い物件は価格が安い!しかしデメリットも多し
物件を探していると、築年数が古い戸建てやマンションが掲載されていることも多くあります。築年数が古い物件は、他の物件に比べて格安で販売されていたり貸し出されていたりすることが多いので、家賃や購入金額を節約する上で魅力的です。
しかし、築年数が古いということは、現代の住宅と比べてリスクも多い点を考慮しなくてはいけません。
築年数が古くても、しっかりメンテナンスされていたり設備が最新のものに切り替えられている物件も多くありますが、中には当時のままの設備や耐久性で掲載されている物件も少なくないのです。
家の築年数が古いと考えられる5つのリスク
では、家の築年数が古いとどのようなリスクが考えられるのでしょうか。ここで紹介するリスクを考慮した上で、借りたり購入したりする物件の内見に臨みましょう。
1.耐久性が低く地震によって倒壊の恐れ
家の築年数が古いと、現在定められている新耐震基準を満たしていない恐れがあります。
1981年以降に建築された建物は、この新耐震基準に則って建てられているため、地震に耐えられる造りになっています。しかし、それ以前の建物は基準を満たしていない可能性が非常に高く、地震によって倒壊してしまう恐れがあるのです。
近年、震度の強い地震が各地で起こっています。ある日突然、大きな地震に襲われる危険性も高いので、耐久性が新耐震基準を満たしているかどうかの確認は必須です。
2.セキュリティ面が弱く不法侵入などのリスク高
築年数が古い昔の建物は、現在の建物に比べてセキュリティ面が脆弱な傾向が見られます。
鍵の耐久性はもちろん、マンションなどの集合住宅にオートロック機能が搭載されているところは少なく、宅配ボックスも誰でも開けられてしまうような造りのポストを使い続けている物件も多いです。
不法侵入や郵便物を窃盗されるなどのリスクが他の物件に比べて高いので、セキュリティ面に不安点が残る物件も多いでしょう。
3.全体的に設備が古く使い勝手が悪い
築年数が古くても、リノベーションされていたり、設備は最新式のものに切り替えられているところもあります。しかし、基本的に築年数が古く、安い家賃や販売価格の物件は、建てられた当時の設備を使い続けているところが多いです。
トイレが和式だったり、ウォシュレットが搭載されていなかったり、給湯器が一昔前のもので利便性が低かったり、ガスコンロの設備が古いなど、築年数が古い物件は、現代で当たり前のように使われている設備が整っていない可能性があります。
内見時に必ず必要な設備の状態を確認し、必要に応じて設備を最新式のものに切り替えることはできるのか、リノベーションしても良いかを売主や大家さんに尋ねましょう。
4.壁の厚さが薄く隣人の生活音が丸聞こえ
築年数が古い建物は、壁の厚さが現代の建物に比べて非常に薄い傾向が見られます。壁の厚さが薄いと隣人の生活音がそのまま聞こえてくるため、「眠れない」「プライバシーが守られている感じがなく不安」といった居心地の悪さを感じる人が多いでしょう。
また、相手の生活音が丸聞こえの場合、自分の生活音も隣人に聞こえている可能性が非常に高いです。自分の生活音が隣人に聞かれていると思うと、生活しづらく感じ、ストレスにつながる人も少なくありません。
5.断熱性が低く外気温の影響を受けやすい
築年数の古い物件に実際に入ったり住んだりすると実感しますが、古い建物は新しく建てられた物件よりも断熱性が低く、外気温の影響を受けやすい傾向にあります。
そのため、夏場は外の暑い空気が入ってきて室温が高くなったり、冬場は外の冷気が窓越しに伝わり、室内が異常なほど寒くなってしまうのです。
エアコンや暖房器具を使っても室温がなかなか適切な状態を維持できず、電気代やガス代も余計にかかってしまう…というリスクも考えられます。
古い戸建て住宅と古いマンションでは違いがあるの?
築年数が古い建物で考えられるリスクを見てきましたが、古い建物には大きく分けて「戸建て」と「マンション(集合住宅)」の2種類があります。この2つに違いはあるのでしょうか。
基本的に不安視されるリスクは同じですが、構造に違いがあるため、考えるリスクにも多少の違いが生まれます。
例えば、戸建ての場合は構造部分に劣化が見られるケースが多いため、天井や外壁などからの雨漏りや、床下からのシロアリ被害などが不安視されます。また、年数が経っていることから地盤が緩み、柱や壁、床の傾き具合などに歪みが生じている物件もあります。
一方、マンションなどの集合住宅の場合、給排水管が劣化し、水回りに支障が出ている事例が多く見受けられます。また、部屋の内壁がひび割れていたり、共有部分に劣化が見られるケースも多いです。
大きな違いは、戸建ての場合は大家さんに許可をもらえば個人の判断でリノベーションが可能です。購入した物件ならば、個人の判断のみで修繕やリノベーションが可能になります。
しかし、マンションなどの集合住宅は、他の住民も住んでいるため、個人の判断では修繕やリノベーションが難しいという違いがあります。大家さんや管理会社の許可が得づらく、なおかつ住民全員の意見を聞かなければいけないため、住んでから修繕が難しいケースも多いです。
建物の築年数やメンテナンス状況を考慮して物件選びを
いかがでしたか。築年数が古いからといって、すべての物件がデメリットばかりということはありません。しかし、築年数の古い物件を購入したり借りたりする場合は、メンテナンス状況や修繕の可否などを考慮して物件選びを慎重に進めましょう。