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ガスコンロの寿命
ガスコンロの寿命はどれくらいなのか、知っている方は少ないかもしれません。もしかすると、そもそも買い替えたことがないという方もいるかもしれませんね。
実は他の家電製品と比べて、ガスコンロの寿命が特段長いというわけではないのです。
ガスコンロの寿命はタイプで異なる
ガスコンロには、器具を置いて設置するタイプの「ガステーブル」とキッチンと一体型の「ビルトインコンロ」の2種類があります。ガスコンロ本体の性能、使用環境によって、寿命は変化しますが、どちらのタイプかで、平均的な寿命も多少異なります。
また、ガスコンロの部品には保有期間があり、大手メーカーはだいたい製造打ち切りから5年程度が保有期間となっているようです。修理ができる状態でも、部品が無ければ修理が行えません。取扱説明書に書いてある場合が多いので、使っているガスコンロの部品の保有期間を、確認しておくとよいでしょう。
ガステーブルコンロの寿命は「7年前後」
ガステーブルコンロとは、キッチン台に後付けで設置するタイプのガスコンロです。一人暮らし用のアパートに付いているコンロというと、分かりやすいかもしれません。このタイプの寿命は、製造からおおよそ7年となっています。
ガス栓をつないで設置できるものなので、例え寿命が来たり壊れてしまっても一人で交換できるのが最大のメリットです。また安価で購入できるため、買い替えの際も痛い出費になりにくいという魅力もあります。
その反面、ガス管がむきだしで安全性に欠ける点はやや難点。小さいお子様やペットがいるご家庭では、いたずらしないように工夫が必要です。
※ガスコンロの製造年は、電池収納カバーの近くに記載されていることが多いです。
ビルトインコンロの寿命は「10年前後」
ビルトインコンロとは、キッチンの天板に埋め込まれているタイプのコンロのことです。隙間が開かないので掃除がしやすく、一般的にはガステーブルタイプより長持ちします。ビルトインコンロの寿命はガステーブルより長く、おおよそ10年です。
ガステーブルのように気楽に交換できないことはデメリットですが、とにかくメンテナンスが簡単なのが魅力。凹凸が少ないのでゴミがたまりにくく、そのために劣化もしにくいというわけですね。そもそも多くのメーカーがガラストップコーティングを採用しており、油や汚れがこびりつきにくくなっています。
チャイルドロックや温度調整機能など、安全面・利便性が高い点も大きな特徴。またスマートな見た目が美しく、ビルトインコンロだとキッチン全体がおしゃれに見えるのも特徴です。
《 ポイント 》
- ガスコンロにはガステーブルとビルトインの2種類がある
- ガステーブルコンロの平均的な寿命は製造から7年程度
- ビルトインコンロの平均的な寿命は10年程度
- ガスコンロの部品には5年程度の保有期間がある
- ガステーブルは寿命が来ても簡単に交換できるが、ビルトインは交換が大変
ガスコンロの電池の寿命
ガスコンロには、ガステーブルでもビルトインでも電池が備わっています。当然のことながら、電池の寿命が来ればガスコンロは止まってしまいます。
ガスコンロが使えなくなったときは、まずは電池切れではないか疑ってみるといいでしょう。
ガスコンロの電池の寿命は「半年から1年」
ガスコンロの電池は、半年~1年を目安に交換しましょう。多くのガスコンロでは、電池切れを知らせるランプ点灯などの機能があります。お知らせがあったら、速やかに電池を交換してください。
なお乾電池は「アルカリ乾電池」と「マンガン乾電池」がありますが、ガスコンロに向いているのは「アルカリ乾電池」です。マンガン乾電池よりもパワーが強く、またマンガン乾電池の方が電池の寿命が短い傾向があるためです。
またガスコンロの電池は、単一を2本入れるタイプが多いと思います。このときアルカリとマンガンを両方入れると、液漏れや発熱をする可能性があるので絶対に一緒に入れないでくださいね。
ガステーブルコンロの電池交換方法
ガステーブルコンロの電池の場所で多いのが、点火スイッチの隣です。コンロ下部に引き出しのような形で備わっているので、比較的気が付きやすいはずです。こちらを手前に引き出すと縦向きに電池が並んでいるので、プラスマイナスに気を付けて交換しましょう。
ビルトインコンロの電池交換方法
ビルトインコンロの電池の場所も、大半はガステーブルと同じように点火スイッチの横です。ただビルトインコンロはフラットな形状なので、ガステーブルよりもやや気が付きにくいかもしれません。
またメーカーによっては、操作ボタンを開けた更にその奥に電池が収納されていることもあります。どうしても場所や開け方が分からない場合は、説明書で確認しましょう。
《 ポイント 》
- ガスコンロの電池の寿命は半年から1年程度
- 電池切れを知らせるランプが点灯する場合が多い
- ガスコンロにはアルカリ乾電池が適している
- ガステーブルの電池は点火スイッチの横にあることが多い
- ビルトインコンロの電池は点火スイッチの奥にある場合もある
ガスコンロのホースの寿命
ガスコンロは、名前の通りガスの力で火を点けています。そのためガスコンロの寿命では、ガスを供給するホースの寿命も関係してきます。
ガス会社により寿命が異なる
ホースの寿命は、プロパンガスと都市ガス用かで違ってくるようです。自宅がどこのガスなのか分からない方は、ホースの色を見てみましょう。
オレンジのホースはプロパンガスで、こちらの寿命は、製造日から3年です。都市ガスはピンクベージュのホースで、おおよそ8年となっています。ただし1996年以前に作られたブルーのホースも存在しており、こちらの場合は3年の寿命となります。
製造日はホース側面に記載
アパートにもともと備え付けられていた場合など、ホースの製造日が分からない場合もありますね。ですがホース自体に製造日が記載されているので、安心してください。記載は数字4桁で、「製造年数+製造月」となっています。2023年7月製造の場合は、「2307」と記載があるわけです。
安全のために7年を目安に交換しよう
ガス会社によって寿命があるものの、ガスコンロ本体と同様、使用環境によって寿命は変わってきます。見た目にはキレイでも、中は劣化して危険な状態になっている可能性も。ガス漏れが起きてからでは遅いので、早目に交換しましょう。
ちなみに日本ガス石油機器協会によると、ガスコード・ガス用ゴム管は7年を目安に交換することを推奨しています。
ひび割れが見つかったり、弾力が衰えたと感じた時はもちろん、7年を越している場合は交換した方がいいといえそうです。ガスホースはホームセンターにて数百円で購入でき、自分で交換ができます。
《 ポイント 》
- ガスコンロのプロパンガス用ホースの寿命は、製造から3年程度
- ガスコンロの都市ガス用ホースの寿命は、製造から8年程度
- ガスコンロのホースには、製造年月が記載されている
- ガスコンロのホースの寿命は、使用しているガス会社によって異なる
- 日本ガス石油機器協会は、ガスコンロのホースは7年で交換することを推奨
ガスコンロの買い替えのサイン
ガスコンロが寿命を迎えるときは、いくつかのサインが現れます。
下記の状態が頻繁にみられるようだと、買い替えのサインかもしれません。電池の交換や掃除を行っても改善されない場合は、買い替えを検討してください。
火のつきが悪い、点火できない
点火スイッチを押しても火が付かない、点火したのに勝手に消えてしまう、火力調整ができないという場合、まずは電池を交換してみましょう。また1か所だけ付かないというときは、バーナー周辺の掃除で解決する場合もあります。
意外とよくあるのは、バーナー中央の「温度センサー」が汚れていることです。ここが反応しないと点火できないので、汚れで詰まっていないか、鍋が軽すぎないか確認しましょう。
それでも点火できないようであれば、寿命の可能性が高いです。またこのときにガスだけ発生している場合、一酸化炭素中毒になる可能性も。そのようなときはすぐにガス栓を閉めて、修理業者に相談しましょう。
炎の色が変化して安定していない
通常、ガスコンロの炎の色は青ですが、オレンジや黄色に変わることもあります。これは不完全燃焼を起こしている可能性が高く、ガスコンロの寿命が疑われます。色が変わるだけでなく、不完全燃焼を起こした結果、鍋やフライパンの底が真っ黒になることもあります。
キッチン全体の酸素が薄い、バーナーキャップが汚れている、ガスコンロが変形しているなどの理由が原因で不完全燃焼を起こすこともあるので、まずは空気を入れ替え、バーナーキャップを掃除してみてください。
聞き慣れない音がする
点火時や使用中に異音、聞きなれない音がするのも、寿命の可能性があります。ただしガスコンロには正常な音とそうでない音があり、聞き分けるのは少し難しいかもしれません。
よくある音は以下のようなものです。
点火時
- チチチ、カチカチ・・・点火プラグから火花を起こす音(正常)
- ピピー、ピッピ・・・電池切れ(正常)
- ポッポ・・・空気が冷えているときの点火音(正常)
- ボッ・・・ガスが一気に出た音(正常)
- (大きな)ボン・・・爆発音(異常)
使用中
- ピピピ・・・温度調整(正常)
- シャー・・・ガスがバーナーを通る音(正常)
- ポッポ・・・冷えたグリルが燃焼する音(正常)
- ゴー・・・燃焼音(異常)
継続的に異音がする場合は寿命を疑い、交換を検討しましょう。
ガス臭い
ガスコンロを使えていてもガスの臭いがするときは、ガス漏れを起こしている可能性があります。
原因はさまざまですが、一番に考えらえるのがホースの劣化や破損です。一酸化炭素や火災、爆発といた大事故につながる可能性があるので、ガスコンロの交換を考える前に速やかに対処しましょう。
まずは点火スイッチを切り、ガス栓を閉めます。その上で空気の入れ替えを行い、サポートセンターなどに連絡してください。
エラーの表示が頻繁に出る
主にビルトインコンロが寿命を迎えたとき、エラーが頻繁に出ることがあります。一度点火スイッチを切って付け直しても復旧しない場合、ガスコンロ本体に不具合が発生している可能性があるので、交換を検討した方がいいかもしれません。
部品が壊れる
ガスコンロの部品が壊れた場合、パーツ交換で治せる可能性もあります。よく交換となる部品は、「五徳」「バーナーキャップ」「グリル皿」などです。どのように交換となるかはメーカーによってさまざまなので、問い合わせてみましょう。交換ができなかった場合、寿命として買い替えを検討しましょう。
《 ポイント 》
- 火がつきにくくなったり、異常な音がするのが買い替えのサイン
- 炎の色が変化したり、安定しなくなった場合も寿命を示唆
- ガス臭いがするのはガス漏れの可能性があり、対処が必要
- エラー表示が頻繁に出るのも寿命のサイン
- 交換可能な部品が壊れた場合は、メーカーに問い合わせて判断する
ガスコンロの寿命を延ばすコツ
汚れを放置しないようにする
ガスコンロは油汚れがつきやすいので、頻繁に掃除をして油汚れを取り除いておきましょう。そのまま放っておくと、汚れがどんどん頑固になり、なかなかキレイにできません。油汚れなどの固まった汚れは、バーナーの腐食やガス穴のつまりにつながります。
適した掃除道具を使う
ガスコンロは汚れが頑固なことも多く、ついつい強く掃除してしまいがちですよね。ですがガスコンロに適した掃除道具を使うことで、寿命を延ばすことができます。
ガスコンロに適した掃除道具の例はこちら。
- やわらかいスポンジ
- やわらかい歯ブラシ
- お手入れ棒
- ラップ
- キッチンペーパー
- スクレーパー(ガラストップ用)
汚れがひどくても、堅いブラシでゴシゴシこすると部品の劣化につながります。面倒でも、やわらかいもので時間をかけて掃除しましょう。
またガスコンロに適した洗剤はこちら。
- 食器用中性洗剤
- 重曹
- 除菌スプレー
- ガラストップクリーナー
反対に適さないのは、刺激が強い酸性の洗剤です。そもそもガスコンロの汚れは「酸性」が多いので、酸性洗剤で落とすのは不向き。酸性と逆の「アルカリ性」の方が、簡単に汚れを落とせますよ。
吹きこぼれを起こさないようにする
調理中の吹きこぼれは、こぼれたものが乾くと汚れになります。油汚れと同様、バーナーの腐食やガス穴の詰まりにつながり、劣化しやすくなります。
また、吹きこぼれが基板にいってしまい、故障してしまうケースもあるようですので、調理中の吹きこぼれには気をつけましょう。吹きこぼれがあったときは、乾く前に速やかにキレイにしてくださいね。
コンロは全てかたよりなく使う
コンロは2つまたは3つありますが、いつも同じところばかりを使う、などかたよった使い方をせず、まんべんなく全てを平均的に使うほうが、コンロの寿命を延ばせるそうです。火力がそれぞれ違っているので、お料理に合わせて使い分けてください。
コンロの上には重いものを乗せない
換気扇の掃除のときに、コンロの上に乗り掃除をすることはないですか?
コンロの上に調理器具以外の重たいものを置いたり、コンロの上に乗ること、ホースを踏みつけたりすることは故障の原因にもなりかねますので、やめましょう。
《 ポイント 》
- ガスコンロの汚れや油汚れを放置せずに、こまめに掃除する
- ガスコンロの掃除には、やわらかいスポンジやブラシなど、ガスコンロに適した道具を使う
- ガスコンロの調理時に発生した吹きこぼれは、すぐに拭き取る
- ガスコンロの複数のコンロを均等に使うようにする
- ガスコンロの上には、重たいものを置かない
まとめ
毎日のご飯の支度には欠かせないガスコンロ。正しく使って、寿命を少しでものばしたいですよね。もともとの寿命がありますが、使いかた次第では、寿命を長くすることもできるかもしれません。吹きこぼれや油汚れの放置は、コンロの劣化につながるそうなので、注意しましょう。