雷の原理とは?発生する仕組みから音が鳴る理由まで

落雷

あなたは雷にどのようなイメージを持っているでしょうか?普段雷が鳴った時には、外出を控えたり、身の安全を確保したりするでしょう。しかし、なぜ雷が落ちてくるのかを知らない人は多いと思います。ここでは雷の原理や落ちてくる理由をはじめ、雷から身を守る方法などを紹介させていただきます。

雷が発生する原理は?わかりやすい仕組み

雷雲

雷の正体は「静電気」

雷は雲の中で発生しますが、どの雲の中でも発生している訳ではありません。雷の素となるものは、物が擦れ合うときに発生する「静電気」です。

例えば、冬の乾燥した日に車に乗っていると、衣類と椅子が擦れ合って静電気が発生します。その後、車から降りる際、ドアに触れたとき静電気が放出され、バチッと衝撃を受けた経験がある人は大勢いるでしょう。
雲の中でも、これと同じ現象が起こっています。雲の粒が擦れて静電気が発生し、それがさらに激しく擦れ合うことによって、雷が発生します。

氷がぶつかり合って静電気を生む

雲から落ちてくる雨粒の大きさは0.2mm~4mm程度ですが、雲の粒はさらに小さく直径が雨粒の約100分の1、そして体積が約100万分の1の大きさになります。

雲の粒は、水滴の場合もありますが、空の上は気温が非常に低いので氷になっている場合もあります。氷になっている雲の粒が、雲の中で上昇したり、落下したりしている間に大粒のひょうやあられになっていきます。

大きさの違うひょうやあられなどは、落下速度も違うので互いに衝突を繰り返します。その時に氷の粒同士が擦れ合い、静電気が発生することによって、雷となっているのです。

なぜ雷から音が鳴るの?

雷を怖がる女性

雷のゴロゴロという音は、膨張した空気が振動することで発生します。雷雲の中で溜まった静電気が放電されることで空気が数万℃に熱せられ、一気に膨張。それにより激しく振動させられた空気から驚異的な音が鳴り響くのです。

雷の音の大きさや聞こえ方の違いは、雷が落ちた地点までの距離が関係しています。近くでの落雷はバリバリというような鋭く大きな音になり、遠ざかるとゴロゴロとした尾を引くような音になります。

雷が光るのはなぜ?

雷

鉄は高温で熱すると赤く光りますよね。これと同じように、物体は高温で熱せられると光を発します。雷が光るのも、とある物体が高温になって発している光なのです。

そのとある物体は「空気」です。雷は空気の中を流れていますが、この時に雷が流れた付近の空気の温度は非常に高くなります。すると熱くなった空気がピカピカと光り、雷の光を発生させているのです。

雷が落ちてくる理由とは?

雷で壊れた電柱

電気の基本的な性質

電気には、必ずプラスとマイナスがありますよね。つまり「プラスの電気」と「マイナスの電気」の2つに分かれます。雷が落ちるときには、雲の下の方にマイナスの電気が多く溜まっています。このときに、地面には多くのプラスの電気が溜まっています。

雷が落ちるのは「電気の溜まりすぎ」が原因

溜まった電気が少しであれば、実際に雷が落ちることはありません。なぜなら、雲と地面の間には、本来電気を通すことがない「空気」があるからです。

しかし、雲の中だけに溜まる電気が多くなることによって、邪魔をされるはずの空気中でも電気が通ります。よって、雲の中に溜まった電気が溢れ出して、無理やり空気の中を通って地上に流れ出ます。これを落雷と言います。

ちなみに、市販でよく見る「マイナスイオン発生器」は、この原理を応用して作られています。

雷がギザギザに見える理由

雷が落ちる理由で述べた通り、雷はその大きすぎる力によって、絶縁体である空気の中を無理やり通ってきます。その際に真っ直ぐではなく、ギザギザに落ちてくる理由は、空気の密度が一定ではないからです。

そもそも電気は、抵抗が少なく進みやすい方向に流れていく性質があります。これより、違う密度の空気中を通る際に落ちていく電気が、より進みやすい方向に曲がって空気を光らせるためにギザギザに見えるのです。

落雷から身を守る方法

家の中から雷を見る女性

正しい落雷から身を守る方法

ビル・高い物・木からはできるだけ離れることが鉄則です。雷の性質として、高い場所・高い位置にある物・高く突き出た物に落ちやすい性質がありますので、高い建物の屋上・山の頂上・大きな木の下などに雷がよく落ちるのです。

また、雨宿りとして建物の軒先に避難するのは非常に危険です。その建物に落雷すると、雷の電気は外壁を伝って自分に降りかかってくるからです。そして、木の陰での雨宿りも軒先での雨宿りと同じ様に間接的に落雷する可能性があります。

逆に、周囲に高いものが何もない広い場所も危険です。グラウンドや広場、ゴルフ場、屋外プールなどは自分自身が高いもの扱いになってしまいますので要注意となります。

雷が落ちる範囲はどのくらい?

雷が落ちる範囲は、雷雲の水平の広がりは10km程と言われています。この範囲内であれば雷はどこでも落ちます。また、頭上に雷雲が無くても、雷雲の端っこから10kmの範囲には届く恐れがあるので十分注意しましょう。

まとめ

落雷

子供に「雷はどうして落ちるの?」なんて質問されて困ったことがある人もいるのではないでしょうか?それこそ小学生のころに、自由研究などで触れていない限り、雷について掘り下げていくことはあまりないでしょう。

しかし、雷の原理などを知ることにより、雷からの身の守り方や、活用方法なども考えることができます。お子さんが疑問を持ったときには、ぜひ一緒に勉強してみてください。これをきっかけに世紀の大発明が生まれるかもしれません。

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